昨年(2018年)の大晦日のこと、夕方になって携帯に突然メールが飛び込んできた。
「年も押し迫りました。年越しに今「湯布院」に来ています。来年もよろしく。」
発信者の名前が見当たらない!いったい誰?
そこで「失礼ですがどちら様でしょうか?」
何しろパソコンと違って携帯でメールを発信するのは10年以上も前のことなので、おぼつかない手つきでようやく打ち終えた。
まあ、おおかたの想像はつく。肝心の名前を忘れるくらいだからおそらく自分の年齢以上の人間だ。この歳になると何をするにせよ、何か一つドジを踏むんだから~(笑)。
すると、さっそく返信があって、懐かしい高校時代の同級生「U」君(福岡市)だった。そもそも携帯の番号を登録していないからこういうことが起きた。
U君は「音楽&オーディオ」ファンで、これまでも福岡からたびたび我が家に試聴にやってきてくれている。
「せっかく湯布院に来ているのなら、別府まで足を延ばしたらどう?」と、水を向けてみると「自分たち夫婦と妹夫婦の4人で来ているので相談してみよう。」
そして、しばらくしてから「それなら2日(水)の午後お邪魔します。」
さあ、たいへん、さっそくオーディオルームの整理整頓にかかった。まあ、ちょうどいい機会でもある(笑)。
好天に恵まれた中、予定どおり2日の午後1時過ぎに一同お見えになった。我が家から歩いて1分ほどの「湯けむり展望台」に立ち寄ってこられたとのこと。
2005年にNHKが募集した「21世紀に残したい日本の風景」で「富士山」に次いで第2位に選ばれた「湯けむりの風景」が一望のもとに見渡せるのがこの展望台。
日本一の温泉湧出量を誇る別府ならではの風景である。
詳しく伺ってみると、湯布院のホテルの予約をとる(9月締め切り)のがたいへんで、受付開始早々の1時間半ほど根気よく電話をかけ続けてようやく成就したとのことで「粘り勝ち」。
ただし、肝心のホテルの居心地は日本語以外のお客さんたちが多くて傍若無人な振る舞いにたびたび眉を顰めたとのことだったが、「年越しの料理と温泉は最高でした。」。
初めに聴いていただいたのはパソコンオーディオによる「モーツァルト専門チャンネル」だった。
システムのラインアップは「パソコン → DAコンバーター(192KHz再生) → プリアンプ「マランツ7型」 → パワーアンプ「6A3シングル」 → スピーカー「トライアクショム」(同軸3ウェイ)
U君を除いてクラシック音楽には疎い方々のようにお見受けしたので、次にCDで「島田祐子」さんの歌声を、次いで「木村好夫」のムードギターを聴いていただいた。
「弦をつま弾く音が鮮明に聴こえてきますね。」と、驚かれたご様子。
すると、U君の妹さんが席を外されてクルマに戻られたかと思うと持参されたのが「五輪真弓」のCDだった。
「このCDの最後の曲が大好きなんです。早朝、この曲をカーステレオで流しながら由布岳を臨みました。」と妹さん。
曲目のタイトルは「時の流れに~鳥になれ~」。
「お正月にふさわしいタイトルですね。五輪真弓は私も好きな歌手の一人ですよ。」と雰囲気に融け込みながら(笑)、第10トラックを選定して再生。
「あれ~、これまで聴いたことがないような細かい音が聴こえてきました。」
無事再生が終わってから、「次は別のシステムで聴いてみましょうかね」と、「トライアクショム」から「ウェストミンスター(改)」に切り替えた。アンプも「6A3シングル」から「PX25シングル」へ。
左側が「PX25シングル」、右側が「6A3シングル」(WE300B 兼用)。
「凄く楽しみです!」との声を背に受けながら、いざ音出しへ。
4分ほどで聴き終えると「拍手」が沸き起こった!
「響きというのか、奥行き感が違いますね。最高のお正月になりました。」と、大喜びされた。
大好きなオーディオでこんなに喜んでくれる姿を拝見すると、こちらもついうれしくなる。
とても「幸先の良いスタート」がきれたので、今年は絶対に何かいいことがありそうだと思ったねえ(笑)。
「これから福岡へ帰ります。」とのことで、滞在わずか1時間ほどで辞去された。
段々と遠ざかるベンツを見送りながら「とても品が良くて素敵なご夫婦たちだったわね~。」と、感心する家内。
「そうだなあ、俺たちには無い物ねだりかもね~。」と自分(笑)。
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