「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオ愛好家のご来訪~2016.9.1~

2016年09月06日 | オーディオ談義

猛威を振るった真夏の酷暑もどうやら一段落して多少なりとも日中が過ごしやすくなり、いよいよ待望のオーディオ・シーズンの開幕も目前となった。

人の動きも活発になったようでこの1週間のうちに3回もお客さんがお見えになったのはとても喜ばしいこと。

8月30日(火)のKさん(福岡)に続いて、9月1日(木)には4名のお客さんが、続いて3日(土)にはクルマで10分ほどの近くにお住いのYさんがご来訪された。

うち、1日にお見えになったお客さんたちはいずれも大分市にお住まいで、この日は別府市内の二軒の「オーディオ巡礼」をされるそうで、最初のお目当ては我が家とのこと。13時過ぎに揃ってお見えになった。

アルファベット順にAさん、Oさん、Mさん、Nさんの4名すべてお馴染みの方々ばかりで、とてもオーディオにご熱心な方たち。JBLの「パラゴン」、タンノイの「オートグラフ」、アルテックの「A5」などを愛好されており、いわば歴戦の強者ぞろい。

オーディオの酸いも甘いも噛み分けた方々なので、当方がどんなに日頃から偉そうな御託を並べてみても実際に出す音がプアなら「口舌の徒」として一気に信用を失ってしまうのが、ちと怖くなる。

したがって、まるでテストを受けるような気分になるが、ま、とどのつまりはそれぞれ自宅に戻られて「やっぱり我が家の音が一番落ち着く」となるのが目に見えているので、はじめから褒めてもらおうなんて期待しないほうが無難(笑)。

毎日聴いて耳に馴染んでいる音は良し悪しは別にしてそれほどの凄い説得力を持っている!

それでも、まず持てる道具でベストだけ尽くそうと慎重に作戦を練った。我が家には3系統のシステムがあるがどういう順番で聴いていただくのが効果的だろうか。

こう考えた。

「まず初印象が大切だ。最初でつまづくとそのイメージをひきずって全体が取り返しのつかない恐れがある。そして最後も好印象のまま後味よく帰っていただく必要があるので責任重大。すると二番目の真ん中あたりは緩衝地帯として当たり障りのない音でいいだろう。」

そこでお客さんからの視点を優先すると、1位「AXIOM80」、2位「ウェストミンスターの箱入り」、3位「AXIOM300」あたりが妥当なところだろう。

かくして鳴らす順番は次のとおりになった。後日の変化を確認しておくためにシステムの中身を明らかにしておこう。

共通機器 CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(英国dCS)

1番目 DAコンバーター「ワディア27ixVer3.0」 → プリアンプ「出力管E80CCアンプ」 → パワーアンプ「PX25シングル」 → スピーカー「フィリップスの口径30センチユニット+スーパーツィーター」(箱はタンノイ・ウェストミンスター)

2番目 DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → プリアンプ「大西式12Au7パラプッシュ」 → パワーアンプ「2A3シングル」 → スピーカー「グッドマンAXIOM300+JBL075ツィーター」

3番目 2番目と共有、スピーカーだけとり代えて「AXIOM80」

ご覧のとおり、やっぱりトリは「AXIOM80」に決めた!(笑)

ちなみに従来からの違いといえば、プリアンプを2台にしたこと。それぞれのプリアンプには出力が2系統あるのだが、パワーアンプを繋ぐときは1台限りにした方が音が断然良くなる。したがって必然的にDAコンバーターも2台活用。

さて、結果からいくとおよそ2時間程度の試聴だったが、総じて手ごたえ十分のように感じた。まさか、持ち主の面前で悪い音とかいう人はいないので、割り引いて考える必要はもちろんあるが、まあ、雰囲気でおよそ分かりますわいなあ(笑)。

意外だったのは2番目のシステム「AXIOM300」で想像以上に好評だった。075のおかげで音のエッジがっくっきり浮かび上がって、実にクリヤな音。

「AXIOM300と301との違いは大きいですね。さすがにグッドマンのアルニコ・マグネット型だけのことはあります。それに、やっぱり075は最高のツィーターですよ。骨太い高音はこれじゃないと出てくれませんが、こういう使い方もあるんですねえ。よく利いてますよ。」との声が上がった。

「なにせ075は能率が108dbもあって実に使いやすいので、普通のツィーター用でもスーパーツィーター用に使っても何でもござれですが、クラシックを主体に聴くのなら我が家のような使い方もあると思いますよ。」

最後は「AXIOM80」によって往年の名ヴァイオリニストのハイフェッツの「ツィゴイネルワイゼン」で締めくくった。

                   

お客さんが持参されたCDだが、あまりにも縦横無尽な技巧が余すところなく披露されているので、ちょっとテクニックに溺れ過ぎているような気がしてあまり積極的に聴く気にはなれないが、実際に聴いてみるといつも惚れ惚れする不思議なCDである。

全体的な総括となると評価が三分したようだ。内訳は「3系統とも甲乙つけ難し」派(2名)、「AXIOM300」派(1名)、そして「AXIOM80」派(1名)に分かれた。

「AXIOM300」派の方は「低音から高音までバランスが取れていて、音のエッジがくっきりしていて爽やか」、一方「AXIOM80」派の方は「AXIOM300はやや紙臭い音がする。その点AXIOM80の方が細かい音をよく拾うし原音再生にもっとも忠実。」と、いったところ。いずれのご意見ともよく判る。

ま、概ね3つのスピーカーとも実力伯仲との印象を受けられたようで、とにかく喜んでもらえてヨカッタ!

本日は自分も含めて5人でワイワイ、ガヤガヤと楽しく交流の輪が広がったが、これもオーディオの楽しみのひとつ。

お帰りになった後、すっかり沈黙したオーディオ機器のもと喧騒の余韻が部屋中に拡がって一抹の淋しさがそこはかとなく漂った。

ふと、次の句が浮かんだ。

夏草や 兵(つわもの)どもが 夢の跡 (芭蕉)

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