赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

読書会 『水車小屋のネネ』

2024-01-18 08:43:47 | その他

昨日の夜はオンラインでBEの読書会でした。

課題本は、津村記久子の『水車小屋のネネ』

読書会でしたが、わたしは静か……。読んでなかったから。長いぶ厚い作品なんですよ。

みなさんの感想を聞きたかったから、顔をだしました。Beは、本について本音でかたれる貴重な場ですし、作家たちの本の読み方はとても参考になります。

けっしてほめ合いじゃないのがまたいい。

表紙の絵がすばらしいと絶賛の声があがり、わたしもそれにはうなずきます。

感想を聞いたかぎりですが、何者かになりたくてあくせくするっていうのと、真反対のゆったりした日常が書かれているのかな……と思いました。これはファンタジーだという声もあがりました。こんないい人ばかりって、ありえないと。

そういいつつ、なかなかほめないメンバーも、今回の作品は好きだという人が多かったです。

地震に加え、政界のいやなニュースもあり、世の中信じられない中、やさしい世界、ひかれてしまいますね。

でも、これから読んで自分で感想を味わいたいです。読みたい本があるって、幸せです。

 

次の課題本は黒川裕子さんです。昨日は人数が少なかったので、次はたくさんの人の感想を聞きたいですね。


濱野京子さん新刊『となりのきみのクライシス』

2024-01-16 08:50:20 | その他

濱野京子さんの新刊を読みました。

子どもの権利についてかかれた作品です。

6年一組の葉奈。同じクラスになったクラスメートの悩みを偶然しってしまい、子どもの権利について考えていきます。

この悩みがけっこう重たい。家庭内暴力とか学校でのセクハラとか……。

女子を見下す祖父のところは、「ある、ある」と大きくうなずいてしまいました。

そんな重たい内容なのに、すいすいって読めるところが、濱野さんのうまさなのかな。

なんだろうと興味をひいて、少しずつわかってきてと、ちゃんと物語のおもしろさがつまっています。

とくに最後に葉奈自身の家庭についての考えも書いてあるところが、とくに気にいりました。

虐待とかネグレストだけでなく、ごく普通のいい親に見えても、子どもに意見をおしつけてくることがあるってわかります。

ただ、親も子どもにアドバイスしていですよね。それと押しつけとのちがいって、むずかしいなーとも考えましたが。

それと、社会は変わってきているんだなって思いました。

ちゃんとそこを押さえて、作品は書かないといけないのだなーと。

 

今、わたしは長編児童文学新人賞の選考に向けて作品を読んでます。

月末に選考会があり、山本悦子さん、工藤純子さん、森川成美さん、小峰書店山岸さんといっしょに、検討します。

だて、どんな結果になるでしょうか。

一生懸命書かれた作品なので、丁寧に読みたいと思います。

 

 

 

 


日本児童文学学校、申し込み開始してます。

2024-01-13 13:38:24 | その他

今年の春ははやそうです。な、なんと、花粉がもう、結構とんでいるんですよ。

いやー、憂鬱な季節がもう、始まっちゃいました。花粉、少ないといいなー。

でも、日ざしが強くなり、春の感じになっていくのはいいですよね。

 

さて、春からの日本児童文学学校、第52期になるのですが、申し込みが開始しています。たくさんきてくれるといいなー。

今年も、森川成美さん、令丈さんをはじめ、すてきな講師がそろっています。

https://jibunkyo.or.jp/course/course-1795/

めずらしいところでは、新人の林けんじろうさん。講談社児童文学新人賞をとられ、そのあと、ちゅうでん児童文学賞もとられた注目の新人です。

わたしは、八月の作品講評をやらせていただきます。

事業部、四年間部長をやらせてもらい、そのあと、昨年も引き継ぎのため残りましたが、今年の52期をお手伝いして卒業しようと思います

みなさんの学びを手伝うといいながら、講師の話をきいたり、一日講座を企画したりするのはとても楽しくて刺激的でした。

でも、若い方にバトンタッチしていきたいと思います。

お手伝いする最後の児童文学学校、ぜひ、参加してください。お待ちしております。

日本児童文学 1-2月号も発売されました。

今回は児童文芸とのコラボ企画。貴重な一冊です。


佐々木美佳さんに会えました!

2024-01-10 15:29:11 | その他

昨日は感激の再会がありました。

イラストレーターの佐々木美佳さんと、お仕事ができることになり、打ち合わせをしたのです。

佐々木美佳さんは、朝日小学生新聞に『絵の中からSOS!』という作品を連載していたときのイラストレーターさん。この作品は、続編、魔女と鏡というのもありまして、二回、連載しました。

works (sakkimikan.wixsite.com)

いっこという小4の女子が主人公。自分の書いた絵の人魚を助けようと、自分の絵に入り込み、てのひら島、あしのうら島で海賊あいてに大奮闘

わたしの気にいっている、ファンタジー作品です。

単行本になったときは、佐竹美保さんの絵になってしまい、佐々木さんは連載だけになってしまいましたが、いろいろお話をしながらお仕事するのが楽しくて、とても思い出にのこっています。

 

その佐々木美佳さんと再び、お仕事できることになったのです。

ほんと、こんな巡り合わせがあるなんて!

夏のクリエーターEXSPOで、編集者のSさんとお会いしたとか。

こんなすてきなことがあるんですね。

これは今年もさい先がいいです。

今日は、お正月から入院していた娘の夫も、退院しました。ほんとよかったです。


佐藤まどかさん、新刊『インサイド』

2024-01-05 09:57:34 | その他

たいへんなニュースばかりのお正月でした。

そんな中、一気読みしたのがこれです。

 『インサイド この壁の向こうへ』

スカイエマさんのキリっとした表紙の作品で、佐藤まどかさんの新刊です。

徹底的な階級社会の近未来が舞台。そこに目的を告げられず集められた少年少女六人。別階級のものばかり。

下層階級の孤児、キィは、うまれた階級から這い上がることなどできないと思って、反抗的だったのだが……。

六人のキャラがみごとに書きわけられていて、説明が最小限でも、状況がわかるところがみごと。

こみ入った話なのだが、すいすい読み進められるのは、佐藤まどかさんの実力ですね。

最後、この先も知りたいって気持ちのところで終わりました。あとは想像力にたくすってことでしょうか。

六人の未来が明るくと願ってしまいます。フィクションの世界の住人なのにね。

この徹底した階級社会の年は、作者のフィクションですが、近い未来の日本かもしれませんよね。

港区あたりに富裕層があつまって壁とかつくって、通行手形をチェックして、とか。

そういえば、映画『跳んで埼玉』も、住む場所で人を階級にわける物語でした。

あからさまな差別はなくても、ひそかな階級化は始まっているのかもしれません。こわい、こわい

 

この三が日は、地震のニュース、羽田のニュースで、胸をいためています。どうか、ひとりでも助かり、速く普通の生活にもどれますように。

そんな中、声をおおきくはいえませんが、青学、箱根駅伝、優勝、おめでとう。駒沢一強といわれた中、原監督はやってのけました。