赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

にしがきようこ新作『イカル荘へようこそ』

2021-05-29 10:19:44 | その他

数々の賞を受賞されている、にしがきようこさんの新刊を読みました。

一瞬、イルカ荘と読みたくなるけど、イカルです。

鳥の名前だとか。

にしがきさんとは俳句の会でごいっしょしたことがあり、そこでバードウォッチングが趣味だという話を聞きました。

今回の作品、バードウォッチングの場面がたくさんでてきます。趣味を作品にもりこんであるんですね。

まず、出だしから、ぐいぐい引きこまれました。にしがきさんの文章は、吸引力があって、きれいで力強く、読み始めるとすいこまれていく。

とくに数々でてくる野鳥の描写が美しい。にしがきさん、野鳥への愛が伝わってきました。

 

また、さびしさを抱える主人公、真子の心の動きもていねいに書いていっています。

その真子をささせるイカル荘では、インドネシアからの留学生、デフィンがいいキャラをしていて、作品を明るくしています。

そうそう、最近読んで書評を書いた、中島京子さんの作品『ムーンライト・イン』にもインドネシアからの留学生がいい味をだしていました。このごろ、日本人以外のキャラを一人まぜるのはブームなのかも。価値観が違う人がまざると、作品世界に広がりがでますから。

とまあ、とりとめもなく気に入ったところを書いてしまいましたが、

真子がたまたま知り合ったイカル荘で、家族ではない人たちと暮らしながら、成長していく気持ちのいい作品。

読み終わると、すみきった空を飛んでいく、一羽の鳥のすがたが、のうりにうかびます!!

にしがきようこさん、三年ぶりの新作。

ぜひ、たくさんの人に読んでもらいたいと思いました。

 

 

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