赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

濱野京子さん、新刊『girls』

2024-07-10 08:53:29 | その他

またまた、濱野京子さん、新刊をだされました。

中高一貫校の15歳、宙、紗奈、美森の三人の物語。それぞれの視点で三人の心象風景が語られていきます。

読みやすくて、すいすい読めるのですが、三人の書き分けがうまい。女性だけ三人の個性のちがいをだしていくって、けっこうむずかしいですよ。

この三人、それぞれ家庭の事情をかかえています。

お互いのことを知り合ったことで、彼女たち自身の中にさざなみがひろがり、変化していきます。

男性がにがてなこと、

自分は平凡で何の才能もないと思ってしまうこと、

母親を独占したい気持ち……

三人の気持ちは語りあうことでまざりあい、前向きな変化をうんでいきます。

女性の生きづらさについて語られる場面も多くでてきます。

幼いころ痴漢にあったこと、配偶者控除などで女子が働くにくく設定されていることなど、こういうこと、真っ正面から書いた児童文学って今までなかったなと思いました。

最後に、宙の家庭の事情がわかってきて、これにはびっくり! 

いろんな家族があるべきだし、だからこそ、多様な見方が育つのかもしれません。

この三人が出会えて、ほんとうによかったなと思いました。

あと、表紙が、おしゃれですよね。こわきにかかえて持ち歩きたくなる装幀です。

とくにわたしは、iだけが赤い色なのが、すてきだと思いました。

 

さて、月曜日は11月におこなう岡山セミナーについてのオンライン会議をしました。もう、岡山セミナーまで150日をきったそうです。

岡山の人たち、さまざまな準備をしてくれています。みんな岡山、行こうね! よろしく。

 

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