以前から石川宏千花の作品には注目していました。
エンターテイメントなのに、文学的な視点やこだわりを感じ、そこが好みだったのです。
今回、エンターテイメントではなく、真っ向勝負という感じの力強い、読み応えのある新刊がでました。
中学時代、クラスに認めてもらえない自分、そのくるしい時代をいきぬいた同志たちの回想・・・
頭でっかちで青くさい自分がかつてのわたしのようで、読んでいて胸がくるしくなりました。
苦しいときの生き延び方、みたいな読み方もできます。自分のことしか見えない時もあるけど、ちょっとまわりをみわたせば、同じような人がたくさんいるんだと。
すきな言葉はたくさんあるのですが、とくに後半、
ーーー
わたしは思った。これが生きることだ、と。
いま、わたしの目の前にあるこの〈さま〉こそが、生きていることの、形ある状態だ。
なんて惨めで、なんて底のなく、なんて救いがなく、そして美しいものなのだろう。
ーーー
このあたりは、心にしみました。どうしてこの言葉がでたか、ぜひ、読んでください。
ただ、実際の中学生向きかといえるかというと、そこはあやしくて、大人になりきれない大人たちにこそ読んで欲しい本かもしれません。
あすなろ書房は、大手ではないのですが、ドキッとするような、よみごたえのある作品をたくさんだしてますね。
佐藤まどか『アドリブ』もあすなろ書房でしたね。
昨日は、東京都多摩図書館に行きました。予約制。2時間で45人だったかな?
メールで申し込めます。
外のみどりが見える席を独り占めできて、資料もあたれて、とてもよかった。
少しずつ日常ばもどってはきていますが、増えて行く感染者の人数が心配です。
帰り、公園を歩きました。
カルガモが大人気。
ノウゼンカズラの回廊も八分咲きでした。