出エジプト記 10:1-6
そこで、主はモーセに言われた、「パロのもとに行きなさい。わたしは彼の心とその家来たちの心をかたくなにした。これは、わたしがこれらのしるしを、彼らの中に行うためである。 また、わたしがエジプトびとをあしらったこと、また彼らの中にわたしが行ったしるしを、あなたがたが、子や孫の耳に語り伝えるためである。そしてあなたがたは、わたしが主であることを知るであろう」。 モーセとアロンはパロのもとに行って彼に言った、「ヘブルびとの神、主はこう仰せられる、『いつまで、あなたは、わたしに屈伏することを拒むのですか。民を去らせて、わたしに仕えさせなさい。 もし、わたしの民を去らせることを拒むならば、見よ、あす、わたしはいなごを、あなたの領土にはいらせるであろう。 それは地のおもてをおおい、人が地を見ることもできないほどになるであろう。そして雹を免れて、残されているものを食い尽し、野にはえているあなたがたの木をみな食い尽すであろう。 またそれはあなたの家とあなたのすべての家来の家、および、すべてのエジプトびとの家に満ちるであろう。このようなことは、あなたの父たちも、また、祖父たちも、彼らが地上にあった日から今日に至るまで、かつて見たことのないものである』と」。そして彼は身をめぐらして、パロのもとを出て行った。
神がエジプト王の心を頑なにされたのは、人には到底成し得ない奇跡を現実のこととして行うためであり、ことの次第を代々子孫に語り継いで、主こそまことの神であることを知らしめるためでありました。神はいたずらに人の心を頑なにされるお方ではありません。もし私たちが神に対して心を頑なにするならば、私たちもまたエジプト王のように厳しい裁き、永遠の滅亡に陥るまでです。神は第8の災いとして、歴史上かつてないほどのいなごの大群を送り込むことによって、先に雹の被害を免れた農作物を徹底的に食い尽くさせると予告されました。かつてはヨセフの功績によってエジプトを飢饉から免れさせ国を豊かにしてくださったのに、いなごによる飢饉によって国が滅びるまでに至るとは、何と皮肉なことでしょうか。神の恵みを忘れることは、かつての祝福を奪い取られることです。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.1-6.ja1955
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出エジプト記 10:7-11
パロの家来たちは王に言った、「いつまで、この人はわれわれのわなとなるのでしょう。この人々を去らせ、彼らの神なる主に仕えさせては、どうでしょう。エジプトが滅びてしまうことに、まだ気づかれないのですか」。 そこで、モーセとアロンは、また、パロのもとに召し出された。パロは彼らに言った、「行って、あなたがたの神、主に仕えなさい。しかし、行くものはだれだれか」。 モーセは言った、「わたしたちは幼い者も、老いた者も行きます。むすこも娘も携え、羊も牛も連れて行きます。わたしたちは主の祭を執り行わなければならないのですから」。 パロは彼らに言った、「万一、わたしが、あなたがたに子供を連れてまで去らせるようなことがあれば、主があなたがたと共にいますがよい。あなたがたは悪いたくらみをしている。 それはいけない。あなたがたは男だけ行って主に仕えるがよい。それが、あなたがたの要求であった」。彼らは、ついにパロの前から追い出された。
中近東一帯ではいなごによる飢饉はたびたび起きており、国を滅ぼすこともありましたから、事態の重大さに気付いた王の家臣たちは、エジプトが滅亡しないためにもイスラエル人を解放するようにと王に進言しました。エジプト王に再び呼び出されたモーセとアロンに、王はイスラエル人が神に犠牲を捧げるためにエジプトから出国する許可を与えましたが、成人男性だけでなく女性も子どもたちも全員連れて行くと知ると、心を翻してモーセの要求を拒み、彼らを王の前から追い出しました。王は女性と子どもたちを人質としてエジプト国内に置くことによって、イスラエルがエジプトに反旗を翻さないようにと画策したのです。しかしモーセは悪魔でも神に礼拝を捧げるのは全イスラエルであることにこだわりました。私たちもまた、家族の一部の人だけが礼拝を捧げればよいのではなく、一族揃って神を礼拝することの大切さを忘れてはなりません。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.7-11.ja1955
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出エジプト記 10:12-20
主はモーセに言われた、「あなたの手をエジプトの地の上にさし伸べて、エジプトの地にいなごをのぼらせ、地のすべての青物、すなわち、雹が打ち残したものを、ことごとく食べさせなさい」。 そこでモーセはエジプトの地の上に、つえをさし伸べたので、主は終日、終夜、東風を地に吹かせられた。朝となって、東風は、いなごを運んできた。 いなごはエジプト全国にのぞみ、エジプトの全領土にとどまり、その数がはなはだ多く、このようないなごは前にもなく、また後にもないであろう。 いなごは地の全面をおおったので、地は暗くなった。そして地のすべての青物と、雹の打ち残した木の実を、ことごとく食べたので、エジプト全国にわたって、木にも畑の青物にも、緑の物とては何も残らなかった。 そこで、パロは、急いでモーセとアロンを召して言った、「わたしは、あなたがたの神、主に対し、また、あなたがたに対して罪を犯しました。 それで、どうか、もう一度だけ、わたしの罪をゆるしてください。そしてあなたがたの神、主に祈願して、ただ、この死をわたしから離れさせてください」。 そこで彼はパロのところから出て、主に祈願したので、 主は、はなはだ強い西風に変らせ、いなごを吹き上げて、これを紅海に追いやられたので、エジプト全土には一つのいなごも残らなかった。 しかし、主がパロの心をかたくなにされたので、彼はイスラエルの人々を去らせなかった。
エジプト王との交渉が決裂したモーセに、主はエジプトの国土に向けて手を差し伸べて、いなごを招くようにと命じられました。神のご命令通りモーセが杖を差し伸べると、神は終夜、東から強風を吹かせて、いなごをエジプトに運んできました。その数は半端なものではなく、地上が暗くなるほどの大群でした。そしてエジプト中の残った葉を食い尽くしたため、エジプトは完全に荒野となってしまいました。被害ごここに及んでようやくエジプト王は自らの非を認め、その罪を許して、いなごを去らせるように神に祈ってくれとモーセに頼みました。モーセが王の言葉に従って神に祈ると、東風を西風に変えていなごをエジプト国外に退去させられました。喉元過ぎると熱さ忘れる、いなごが立ち去るとエジプト王はまたもや心を翻して、モーセとの約束を反故にしました。しかしこの心変わりもまた神が王の心を頑なにして、更なる災いに遭わせるためでした。神は人の心をも意のままに変えることのできるお方です。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.12-20.ja1955
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出エジプト記 10:21-29
主はまたモーセに言われた、「天にむかってあなたの手をさし伸べ、エジプトの国に、くらやみをこさせなさい。そのくらやみは、さわれるほどである」。 モーセが天にむかって手をさし伸べたので、濃いくらやみは、エジプト全国に臨み三日に及んだ。 三日の間、人々は互に見ることもできず、まただれもその所から立つ者もなかった。しかし、イスラエルの人々には、みな、その住む所に光があった。 そこでパロはモーセを召して言った、「あなたがたは行って主に仕えなさい。あなたがたの子供も連れて行ってもよろしい。ただ、あなたがたの羊と牛は残して置きなさい」。 しかし、モーセは言った、「あなたは、また、わたしたちの神、主にささげる犠牲と燔祭の物をも、わたしたちにくださらなければなりません。 わたしたちは家畜も連れて行きます。ひずめ一つも残しません。わたしたちは、そのうちから取って、わたしたちの神、主に仕えねばなりません。またわたしたちは、その場所に行くまでは、何をもって、主に仕えるべきかを知らないからです」。 けれども、主がパロの心をかたくなにされたので、パロは彼らを去らせようとしなかった。 それでパロはモーセに言った、「わたしの所から去りなさい。心して、わたしの顔は二度と見てはならない。わたしの顔を見る日には、あなたの命はないであろう」。 モーセは言った、「よくぞ仰せられました。わたしは、二度と、あなたの顔を見ないでしょう」。
いなごの被害により農作物に壊滅的な打撃を受けてもなお、エジプト王は神の言葉に聞き従わなかったため、神はモーセに命じて、天に手を差し伸べて暗闇を来たらせるようにと命じられました。モーセが神の言葉通りに従うと、エジプト全国が3日間も暗闇に覆われ、人々は立つことさえできなくなりました。しかしイスラエル人の住むゴセンの地だけは光がありました。この暗闇の奇跡は、エジプト最高位の神である太陽神ラーに対する神の裁き、エジプトの神よりもイスラエルの神の方が権威あるお方であることの証明です。困り果てたエジプト王は、女性も子供も連れていってよいからとイスラエルが神を礼拝を捧げるために出国することを許可しましたが、神に捧げる犠牲となる羊などの家畜はエジプト国内に置いて行くようにと告げました。これは本末転倒だと拒んだモーセに対し、エジプト王は二度と自分の顔を見るなと捨て台詞を吐きました。このようにして心の頑なな者は、罪を悔い改めるチャンスを自ら捨て、自滅へと追い込んで行くのです。エジプト王のように心を頑なにすることなく、悔い改めのチャンスがあるうちにまことの神に立ち返り、永遠の滅びを免れる私たちでありますように。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.21-29.ja1955
そこで、主はモーセに言われた、「パロのもとに行きなさい。わたしは彼の心とその家来たちの心をかたくなにした。これは、わたしがこれらのしるしを、彼らの中に行うためである。 また、わたしがエジプトびとをあしらったこと、また彼らの中にわたしが行ったしるしを、あなたがたが、子や孫の耳に語り伝えるためである。そしてあなたがたは、わたしが主であることを知るであろう」。 モーセとアロンはパロのもとに行って彼に言った、「ヘブルびとの神、主はこう仰せられる、『いつまで、あなたは、わたしに屈伏することを拒むのですか。民を去らせて、わたしに仕えさせなさい。 もし、わたしの民を去らせることを拒むならば、見よ、あす、わたしはいなごを、あなたの領土にはいらせるであろう。 それは地のおもてをおおい、人が地を見ることもできないほどになるであろう。そして雹を免れて、残されているものを食い尽し、野にはえているあなたがたの木をみな食い尽すであろう。 またそれはあなたの家とあなたのすべての家来の家、および、すべてのエジプトびとの家に満ちるであろう。このようなことは、あなたの父たちも、また、祖父たちも、彼らが地上にあった日から今日に至るまで、かつて見たことのないものである』と」。そして彼は身をめぐらして、パロのもとを出て行った。
神がエジプト王の心を頑なにされたのは、人には到底成し得ない奇跡を現実のこととして行うためであり、ことの次第を代々子孫に語り継いで、主こそまことの神であることを知らしめるためでありました。神はいたずらに人の心を頑なにされるお方ではありません。もし私たちが神に対して心を頑なにするならば、私たちもまたエジプト王のように厳しい裁き、永遠の滅亡に陥るまでです。神は第8の災いとして、歴史上かつてないほどのいなごの大群を送り込むことによって、先に雹の被害を免れた農作物を徹底的に食い尽くさせると予告されました。かつてはヨセフの功績によってエジプトを飢饉から免れさせ国を豊かにしてくださったのに、いなごによる飢饉によって国が滅びるまでに至るとは、何と皮肉なことでしょうか。神の恵みを忘れることは、かつての祝福を奪い取られることです。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.1-6.ja1955
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出エジプト記 10:7-11
パロの家来たちは王に言った、「いつまで、この人はわれわれのわなとなるのでしょう。この人々を去らせ、彼らの神なる主に仕えさせては、どうでしょう。エジプトが滅びてしまうことに、まだ気づかれないのですか」。 そこで、モーセとアロンは、また、パロのもとに召し出された。パロは彼らに言った、「行って、あなたがたの神、主に仕えなさい。しかし、行くものはだれだれか」。 モーセは言った、「わたしたちは幼い者も、老いた者も行きます。むすこも娘も携え、羊も牛も連れて行きます。わたしたちは主の祭を執り行わなければならないのですから」。 パロは彼らに言った、「万一、わたしが、あなたがたに子供を連れてまで去らせるようなことがあれば、主があなたがたと共にいますがよい。あなたがたは悪いたくらみをしている。 それはいけない。あなたがたは男だけ行って主に仕えるがよい。それが、あなたがたの要求であった」。彼らは、ついにパロの前から追い出された。
中近東一帯ではいなごによる飢饉はたびたび起きており、国を滅ぼすこともありましたから、事態の重大さに気付いた王の家臣たちは、エジプトが滅亡しないためにもイスラエル人を解放するようにと王に進言しました。エジプト王に再び呼び出されたモーセとアロンに、王はイスラエル人が神に犠牲を捧げるためにエジプトから出国する許可を与えましたが、成人男性だけでなく女性も子どもたちも全員連れて行くと知ると、心を翻してモーセの要求を拒み、彼らを王の前から追い出しました。王は女性と子どもたちを人質としてエジプト国内に置くことによって、イスラエルがエジプトに反旗を翻さないようにと画策したのです。しかしモーセは悪魔でも神に礼拝を捧げるのは全イスラエルであることにこだわりました。私たちもまた、家族の一部の人だけが礼拝を捧げればよいのではなく、一族揃って神を礼拝することの大切さを忘れてはなりません。
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出エジプト記 10:12-20
主はモーセに言われた、「あなたの手をエジプトの地の上にさし伸べて、エジプトの地にいなごをのぼらせ、地のすべての青物、すなわち、雹が打ち残したものを、ことごとく食べさせなさい」。 そこでモーセはエジプトの地の上に、つえをさし伸べたので、主は終日、終夜、東風を地に吹かせられた。朝となって、東風は、いなごを運んできた。 いなごはエジプト全国にのぞみ、エジプトの全領土にとどまり、その数がはなはだ多く、このようないなごは前にもなく、また後にもないであろう。 いなごは地の全面をおおったので、地は暗くなった。そして地のすべての青物と、雹の打ち残した木の実を、ことごとく食べたので、エジプト全国にわたって、木にも畑の青物にも、緑の物とては何も残らなかった。 そこで、パロは、急いでモーセとアロンを召して言った、「わたしは、あなたがたの神、主に対し、また、あなたがたに対して罪を犯しました。 それで、どうか、もう一度だけ、わたしの罪をゆるしてください。そしてあなたがたの神、主に祈願して、ただ、この死をわたしから離れさせてください」。 そこで彼はパロのところから出て、主に祈願したので、 主は、はなはだ強い西風に変らせ、いなごを吹き上げて、これを紅海に追いやられたので、エジプト全土には一つのいなごも残らなかった。 しかし、主がパロの心をかたくなにされたので、彼はイスラエルの人々を去らせなかった。
エジプト王との交渉が決裂したモーセに、主はエジプトの国土に向けて手を差し伸べて、いなごを招くようにと命じられました。神のご命令通りモーセが杖を差し伸べると、神は終夜、東から強風を吹かせて、いなごをエジプトに運んできました。その数は半端なものではなく、地上が暗くなるほどの大群でした。そしてエジプト中の残った葉を食い尽くしたため、エジプトは完全に荒野となってしまいました。被害ごここに及んでようやくエジプト王は自らの非を認め、その罪を許して、いなごを去らせるように神に祈ってくれとモーセに頼みました。モーセが王の言葉に従って神に祈ると、東風を西風に変えていなごをエジプト国外に退去させられました。喉元過ぎると熱さ忘れる、いなごが立ち去るとエジプト王はまたもや心を翻して、モーセとの約束を反故にしました。しかしこの心変わりもまた神が王の心を頑なにして、更なる災いに遭わせるためでした。神は人の心をも意のままに変えることのできるお方です。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.12-20.ja1955
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出エジプト記 10:21-29
主はまたモーセに言われた、「天にむかってあなたの手をさし伸べ、エジプトの国に、くらやみをこさせなさい。そのくらやみは、さわれるほどである」。 モーセが天にむかって手をさし伸べたので、濃いくらやみは、エジプト全国に臨み三日に及んだ。 三日の間、人々は互に見ることもできず、まただれもその所から立つ者もなかった。しかし、イスラエルの人々には、みな、その住む所に光があった。 そこでパロはモーセを召して言った、「あなたがたは行って主に仕えなさい。あなたがたの子供も連れて行ってもよろしい。ただ、あなたがたの羊と牛は残して置きなさい」。 しかし、モーセは言った、「あなたは、また、わたしたちの神、主にささげる犠牲と燔祭の物をも、わたしたちにくださらなければなりません。 わたしたちは家畜も連れて行きます。ひずめ一つも残しません。わたしたちは、そのうちから取って、わたしたちの神、主に仕えねばなりません。またわたしたちは、その場所に行くまでは、何をもって、主に仕えるべきかを知らないからです」。 けれども、主がパロの心をかたくなにされたので、パロは彼らを去らせようとしなかった。 それでパロはモーセに言った、「わたしの所から去りなさい。心して、わたしの顔は二度と見てはならない。わたしの顔を見る日には、あなたの命はないであろう」。 モーセは言った、「よくぞ仰せられました。わたしは、二度と、あなたの顔を見ないでしょう」。
いなごの被害により農作物に壊滅的な打撃を受けてもなお、エジプト王は神の言葉に聞き従わなかったため、神はモーセに命じて、天に手を差し伸べて暗闇を来たらせるようにと命じられました。モーセが神の言葉通りに従うと、エジプト全国が3日間も暗闇に覆われ、人々は立つことさえできなくなりました。しかしイスラエル人の住むゴセンの地だけは光がありました。この暗闇の奇跡は、エジプト最高位の神である太陽神ラーに対する神の裁き、エジプトの神よりもイスラエルの神の方が権威あるお方であることの証明です。困り果てたエジプト王は、女性も子供も連れていってよいからとイスラエルが神を礼拝を捧げるために出国することを許可しましたが、神に捧げる犠牲となる羊などの家畜はエジプト国内に置いて行くようにと告げました。これは本末転倒だと拒んだモーセに対し、エジプト王は二度と自分の顔を見るなと捨て台詞を吐きました。このようにして心の頑なな者は、罪を悔い改めるチャンスを自ら捨て、自滅へと追い込んで行くのです。エジプト王のように心を頑なにすることなく、悔い改めのチャンスがあるうちにまことの神に立ち返り、永遠の滅びを免れる私たちでありますように。
https://www.bible.com/bible/81/exo.10.21-29.ja1955