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♪「宿命」東野圭吾著 講談社文庫
東野圭吾ネタが続いて恐縮だね。でも父さんがそれだけ気に入っているということですよ。
さて「宿命」は1990年の作品で、文庫の解説によれば「東野圭吾の転機となった作品」だそうだ。それで読む気になったんだけどね。前から言っているように、東野圭吾は昔デビュー作を読んで好きになれず、その後ず~っと読んでいなかった。でもミーハー父さんが直木賞とTVドラマの「白夜行」で読んでみようかな、と思ったんだよね。
この話は、確かに東野の転機だと思う。以前は「本格推理」分野で活躍していたけれど、「宿命」には複雑なトリックや謎解きはほとんどない。多少推理小説的ではあるけれど、小学生のころから一緒だったライバルの同級生が刑事と被疑者に分かれて繰り広げる物語は、ミステリーとしてなかなか読み甲斐がある。
前にも言ったけれど、父さんは小説の良し悪し(好き嫌い)の判断として、最後の一文、一語に拘るんだな。「かぁ~、こう終わるかよ~!」という言葉が思わず出てしまうような小説、作家が好きだな。その点、この話も気が利いている。ぜひ読んでみて欲しい本だよ。