呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気オヤジの、読む!~「プリンセス・トヨトミ」

2011-07-06 | 本の話
プリンセス・トヨトミ (文春文庫)
万城目 学
文藝春秋



♪「プリンセス・トヨトミ」万城目学著 文春文庫

今までも何度かお伝えしていると思うが、僕にとって面白い小説、傑作、感動作にはいくつかのセオリーがある。
それは…
・1ページ目、それも数行読んで、ぐいっと引き込まれること
・読んでいて、楽しくてワクワクして、次が読みたくて仕方がなくなること
・最後の1ページ、数小節、そして最後の読点まで読んで、思わずゾクゾクっとして「やられたぁ~!」と心の中で叫ばずにはいられないこと

この「プリンセス・トヨトミ」はその3つとも備えた、僕にとっては大傑作の小説だ。

国家予算(税金)の無駄遣いを調査する会計検査院の調査官3名は、大阪府とその周辺の社団法人の監査に訪れる。そこで見た前代未聞の歴史的事実…。う~ん、まさに前代未聞、驚天動地、荒唐無稽!(笑)
敢えて、詳しい内容には触れないが、読んでいて新鮮なびっくりの連続でとても楽しかった。これだけのワクワクする小説は久しぶりだ。
あり得ない!と心の中で叫びながら最後まで読み進めると、いくつかの心憎いカラクリもある。な~るほど、そういうことか。親子、特に父と息子の絆や母親と娘たちの慈悲深い懐の深さにホロッとする。
「そうか、だから大阪人って、何でもお笑いに変えてしまうんだ、ボケと突っ込みが出来るんだ。大阪のオカンは強いし明るいんだ!」と、フィクションを読んだにも拘わらず、妙に納得してしまう。
なんだ、大阪人って関東や東北の人間が考えたり想像したりするより、ず~っといい奴ばかりじゃないかと、思わず騙される(笑?)。
著者の非凡さ、関西人魂と気骨を感じるとることができる、まさに傑作。ぜひお読みください!めちゃくちゃ面白いですよ!星、5つ!!

映画もヒットしているようだ。元々僕は映画に興味があって、でも観る前に読もうかなという気持ちで文庫本を手に取った。
映画は登場人物の設定が少し(いや大分)違うようだけど、これはこれで面白そうだ。必ず観ようと思います!


追伸その1)
著者の万城目さんは「マキメ」と読み、本名だそうだ。北海道にはこの字を書いて「マンジョウメ」さんという方がいらした。同じ漢字でも、いろいろ読み方があるもんだね。

追伸その2)
この本は、直木賞候補になったが受賞は逃したのこと。専門家が評価すると、僕たち素人には良く分からない解釈があるようだ。これだけ面白ければ、直木賞間違いないと思うんだけど、この世界は難しくて大変だね。






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