呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・その4「信長の棺」

2005-11-09 | 本の話
「信長の棺」(加藤廣 日本経済新聞社)
 この前の「その日のまえに」が重かったので全くジャンルの違う本と思い、本屋に平積みされている本書を購入した。タイトルも気になったし小泉さんが絶賛というので読み始めたが、なかなか進まない。本を読むスピードがあまり速くないし、読む時間も限られているのでさっぱり進まない。約1ヶ月もかかってしまった・・・。
 というか、要は私にとってつまらなかったのである。面白い本ならどんどん読めるし、それこそ昼飯を食いながらでも、トイレに持ち込んでも、寝ないでも読むのだが、面白くなかったからさっぱり進まなかった。元々本能寺の変や信長そのものに詳しくないので、信長の遺体が見つからないとか、本能寺の変に秀吉が絡んでいたとか、ピンとこない。だから推理小説ばりの謎解きに興味が湧かないんだな。
 でもこの本を読んで、なるほどと得心したことがある。それは歴史上の人物像や出来事で現在常識となっていることが、本当は当てにならないのかもしれないということ。特に戦国時代以前は、時の権力者お抱えの伝記作家のような人物がいて、仕えている人物に相当有利で一方的な内容の記録を残し、他には資料が一切ないということもあるのだ。その数少ない資料を基に現代の作家が自らの想像力を駆使して書き上げた小説を読んで、歴史や人物を分かったような気になっていたのだ。もちろん小説なのだから、それでいいのかもしれないし、歴史に詳しい方は「そんなこと当たり前でしょう!」と仰るかもしれない。しかし私にとっては「目からウロコ」的な発見(?)であった。定説とされていることが、結構覆ったりもしているではないか。そんな風に考えると、学生時代の歴史の授業もなんだったのだろうと思わないでもない。
 源義経は牛若丸のころはタッキーのような紅顔の美少年だった、というのが世間の常識である。しかし現存する肖像画は相当年配になってからの貧相なじいさん顔のものしかないとか・・・。本当にいい男だったのかな?まあそんなことを考えるのも面白いかもしれないけれど。同じ時代小説を読むなら、完全フィクションの鬼平とか清兵衛のほうがいいかなぁ~。「信長の棺」、1,995円は高かった。
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