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先週の土日に弟家族が帰省した。
姪たちの春休みの最終土日。上の子が中3だから、これから家族が揃っての帰省も難しくなってくる。そんなことで思い切って帰ってきたそうだ。
まぁ、弟と鯨飲したことは、いつもの通り(一晩目は散々ビールを呑んだ後、焼酎4合瓶を1本、二日目はウイスキーを1本空けた)。だから、あまりここで語っても仕方がない。
弟と嫁さんが、津波の被災地を見ておきたいと言うので、閖上(ゆりあげ)に連れて行った。
姪たちは行きたくないと言っていたそうだ。多感な年頃だからね。でもやっぱり見ておいた方がいいよ。
閖上は我が家からも30~40分程度、仙台駅からだって1時間は掛からない。名取川の河口の町で、正確には名取市閖上だ。
漁港や海水浴場があり、以前は結構の街並みだった。それが…、今は何もない。見事なくらいに何もない。
港からほど近いところに「閖上湊神社」がある小高い山がある。山といったって、せいぜい20mもあるかないかで、麓の周囲もせいぜい十数メーターの小山だ。
でもその小山が海に呑まれたという。閖上湊神社の小山に登ってみた。かつての港町は、見渡す限り野っ原が広がる。前に来たときはまだ瓦礫の山がたくさんあったが、今はそれらもほとんど見当たらない。
完全に野っ原だ。よく目を凝らしてみると建物の土台がずらっと並んでいる。それがかつての街の唯一の名残だ。前にTVでもやっていたけど、それなりに家屋や商店が密集していた街だった。今はなんにもない。まさになんにもなし。
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海岸から数百メーター内陸に閖上中学校がある。ここにも津波が押し寄せ、14名の生徒が犠牲になった。すっかり廃墟化した校舎には誰でも入れる。姪たちを連れて校舎に入ってみた。
泥が白く固まった教室、ささくれ立った校庭には漁船が2艘打ち上げられたままだ。正面玄関の時計は2時46分で止まっている。何とも言えない光景だ。
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でも、以前来た時にはなかったものを見つけた。
教室の黒板は卒業生の寄せ書きでいっぱいだった。「3月10日3学年55名無事卒業」の文字。津波の痕跡が残る黒板に卒業生それぞれの思いがたくさん記されていた。みんな、どんな気持ちでこの黒板に書き記したんだろう。
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閖上中学校はこの場所に復活するのだろうか。土台だけ残った野っ原に人は戻るのだろうか、街は再びできるのだろうか。
相変わらずのお役所仕事、他人事の政治に腹が立つのを通り越して、脱力感しか感じない。
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