呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気オヤジの、読む!~「さよならドビュッシー」

2012-12-24 | 本の話
さよならドビュッシー (宝島社文庫)
クリエーター情報なし
宝島社


♪「さよならドビュッシー」中山七里著 宝島社文庫

本屋で何を読もうか物色していたら「このミス大賞受賞!」のPOP文字が目に入り、題名の「ドビュッシー」に惹かれてつい買ってしまった。作品のタイトルも作家の名前も全然知らなかったのに、やっぱり宣伝とか本屋さんでの並べ方で、結構売れ行きに影響があるんだろうな。

音大付属高校に推薦入学が決まった遥は、ピアノの才能に恵まれ、将来ピアニストを目指していた。
ある日従兄妹とともに地元の資産家である祖父のもとに遊びに行くが、大火事に巻き込まれ祖父と従兄妹は焼死し、自分も大やけどを負う。だが、優秀な整形外科医の治療とピアニストで大学講師の岬洋介の的確な指導により、驚異的な回復を果たし地元のコンク―ルに出場する。
その遥を巡って、不吉な事件が繰り返される…。

この小説はミステリー(推理小説)だが、描かれる演奏シーンや曲の解説は中途半端ではなく、いかにも音大の先生かクラシック音楽評論家が執筆したかのよう。とても素晴らしくCDのライナーノーツやコンサートのプログラムを読んでいるようだ。
本の中から、まるで音楽が飛び出してくるような臨場感がある。ちょっと調べたら、国文科出身で音楽の専門家ではないようだ。大したもんだ!

後半で犯人が判明する辺りでは、音楽小説としては秀作だがミステリーとしてはイマイチ平凡だなぁー、と思っていたが、その後の最後の最後で、大どんでん返しが用意されていた。
えーーー、そういうことだったのぉーー!なるほどーーー!さすがに「このミス」大賞だ。すっかりやられてしまった。
いやぁー、多少は無理があるが。これは面白い小説だ。ぜひクラシックファン以外の方も読んでいただきたいし、クラシック音楽が好きな人はさらに楽しめると思う。
ぜひぜひ、お勧めします。



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