呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

呑む気父さんの読書感想文・亥の13「幸福の食卓」

2007-07-21 | 本の話
幸福な食卓
瀬尾 まいこ
講談社

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♪「幸福の食卓」瀬尾まいこ著 講談社文庫

小説も映画も話題になった作品なので、前から読んでみたかった。
今回文庫化されたのですぐに買って読んだ。

《以下、ネタばれ有り》

「父さんは今日で父さんで在ることをやめようと思う」
朝食のテーブルで、父親は息子と娘を前にして、宣言する。
母親は別居中。
中学生の佐和子を取り巻く家族は、一風変わり者の集まりのように見える。
実は父親の自殺未遂から、普通の家族が少し「ズレて」奇妙な平衡感覚の中で支え合って来た。
そんな中、佐和子に「彼」が出来る。
一緒に高校受験を頑張って、二人で第一志望の高校に合格して普通に幸せに高校生活を送る。
しかし高校2年のクリスマスの日、彼はあっけなく交通事故で死んでしまう。
佐和子は魂の抜け殻のようになって冬休みを過ごすが、家族や友人がそれこそ影に日向に佐和子を守ろうとする。
佐和子もそのことに漸く気づき立ち直りの兆しを見せる。
ちょっと「ズレて」いた家族も、このこときっかけに少しずつ「まとも」に戻りつつある・・・。

ラストに近いところの佐和子の科白。
『私は大きなものをなくしてしまったけど、完全に全てを失ったわけじゃない。
私の周りにはまだ大切なものがいくつかあって、ちゃんとつながっていくものがある』
そうなんだよね、大切なものをなくした喪失感っていうのはそう簡単に解決するものじゃないけど
それ以外にも大切なものってたくさんあるんだな。
それを忘れず、ちゃんと見極めて失くさないようにしないと、それこそ大変な事になる。
また、その少し前の兄の彼女の科白。
『家族は作るのは大変だけど、その分めったになくならないからさ。
あんたが努力しなくたって、そう簡単に切れたりしないじゃん』
これもその通り。物理的には簡単に切れてしまうこともあるけれど、精神的には家族はそう簡単に切れない。
そこが家族のいいところ、だと思う。
(面倒なところでもある?でもウチは今のところそれで助かっているよ!)

ほんのりとした家族愛、友人愛を味わえる、なかなかの秀作だ。
ぜひ映画も観てみたい。


ところで、父さんの読書感想文は漸く13冊目。
今年も半年過ぎたのに、あまりにも少ないね。
この本だって、普通だったらいくら遅読の父さんでも2~3日で読める本だ。
それが1ヶ月近く掛かっている。
まあ通勤電車が混んでいて本が読めないとか、最近あまり本に集中できないとか、いろいろあるんだけど、ちょっとこのペースはまずいな。
8月からは通勤時間が30分延びる。
後半は座って行けるはずなので、居眠りせずに読書をしよう!!

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