呑む気オヤジ/蔵王山麓蓬莱庵便り

蔵王山麓暮らしのオヤジの日記。合唱も映画もドライブも温泉も、たまには俳句も・・・😄

読書感想文20171020「蜜蜂と遠雷」恩田陸

2017-10-20 | 本の話
恩田陸さんの直木賞&本屋大賞受賞作。
国際ピアノコンクールに集うコンテスタントたちの波乱に満ちた人生、瑞々しい感性、彼らの音楽を描いた大作。
文字だけでピアノ曲そのものや、奏者の演奏時の心情などを表現するのは相当難しいと思うけど、曲のイメージが頭の中に浮かび、まるでCDを聴いているのような感覚になる。これは凄いことだ。
ページの大半を占めるコンクールシーンは臨場感たっぷりで迫力があり、読んでる方も興奮してくる。
ピアノコンクールの場面だけで、これだけの大作を書けるとは、さすが恩田陸。
でもAmazonのカスタマーレビューでは、結構酷評が多かった。
なるほど〜、確かに主人公格の風間塵の人物像が不明確かなぁ、現実味がないかなぁ。
そして誰もが感じるのは、漫画「ピアノの森」と似てるよね、ということ。そうなんです、ある意味酷似している。この小説は、恩田陸の「ピアノの森」へのリスペクト?オマージュ?と思わされてしまう。風間塵の人物設定や彼の演奏が醸し出す「世界観」は、一ノ瀬海に通ずるんです。
「ピアノの森」を読んだ人なら、みんな同じ感想を持つと思います。そこは、残念!

コメント (5)
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