昨夕はほぼ定時に職場を出て、一旦帰宅。乾き切らなかった洗濯物を浴室乾燥機に移動し、あれこれ片付けてから夫と待ち合わせ。おかげさまでともにボーナスも頂けたので、とたらふく外食。そのまま病院最寄り駅前の宿を目指す。明日は少し暖かくなるという予報だ。
車内で先日お友達から頂いた大野更紗さんの「困ってるひと」(ポプラ文庫)を読み始める。2011年にハードカバーが出ているが、当時かなり話題になり、新聞記事やインタビュー等を多々目にしたベストセラーだ。読みたいと思いつつ、続編「シャバはつらいよ」も文庫化されて3年以上経ってしまっていた。
読み出したら止まらない。傑作エンタメ闘病記の名にたがわず、圧倒的な全力疾走ヴァイタリティと、全編命がけのユーモア炸裂。入院時のあれこれ、痛みの様子には頷ける部分も多く唸りっぱなし。そのまま2冊とも読んでしまったら、明日の読み物がなくなるし・・・、とぐっと我慢。
チェックインした後はお茶を飲んでからゆっくり入浴し、早めに休んだ。今回は無事加湿器もセット出来てほっとする。ここで喉をやられてはたまらない。
夜中に1度お手洗いで目が覚めたが、なんとかまた眠りにつけた。モーニングコールとともに起き出して、相変わらず痺れと痛みの取れない足をマッサージしながら足湯。身支度をして階下のレストランへ。
いつものように副作用止めの漢方2種を飲んでから和食の朝食。食後も胃薬、痛み止め、痺れ止めと整腸剤の計4錠を飲み、部屋に戻る。新聞を読み終え、朝の連続テレビ小説を視てからチェックアウト。
外はいいお天気。なるほど暖かい。ダウンコートを着ているせいか殆ど寒さは感じない。
今月初めての通院にして、今年最後の通院だ。数えたら24回目になる。IDカードを通して、まずは採血の受付へ。7分待ちと出ていたが、ほどなくして私の番号が電子掲示板に出、そのまま採血室へ入った。コートやストールをエコバッグに入れて態勢を整えていると、前回初めましてだったMさんから呼ばれた。今日もフル検査なので5本。今日は針刺しがちょっと痛み、抜く時も同様にちょっと痛んだ。
止血をしたまま向かいの腫瘍内科の受付へ。待合い椅子はそれほど埋まっていないが、タッチの差で定位置が確保できなかった。一列後ろに陣取り、保険証の確認も含めて受付を済ませる。売店で小さなペットボトルを買い、クラークの方に「いつも申し訳ありません」とお願いして蓋を開けて頂く。
昨夜の本の続きを読む。それにしても20代で突然原因不明の難病を発症した大学院生が、治療法など全く先の見えない9か月間にわたる入院生活。入院生活は間違いなく体力が落ちる。単純に10日入院すれば元の生活に戻るまでに10日以上かかる。想像を絶する痛み、過酷な治療。希少な病と共存することのとてつもない大変さに息を呑みっぱなし。どんな病気が良いとかいう話ではないけれど、私の病気は沢山の人たちが罹るおかげで研究が進み、沢山の治療の選択肢がある。どれほど恵まれているのだろうと改めて唸る。私なんぞ全く困って“いない”ひとである。更紗さんの凄まじいヴァイタリティーに圧倒されっぱなしで1冊目を読み終えた。
ということで、今日も本から目が離せず待ち時間はあっという間に過ぎる。何の苦にもならなかったが、忘れないうちに、と1時間ほどして血圧測定に向かう。120-69、脈拍は70。それから20分もしないで中待合いへ移動。その後30分ほど待って、先生から名前を呼ばれた。
ご挨拶をして席に座る。「はい、3週間どうでしたか?」と問われ、「おかげさまで相変わらず、でした。下痢は治療週末から翌週にかけて頻繁でした。痛みも寒さや気圧変動で痛みは増します。ロキソニンは3度3度飲み、コデインも2度ほど飲みました。胸骨の痛みです。手足の痺れや痛み、爪も不調も悪化はしていないものの軽減しません。」とご報告。診察室での検温は6度7分。
「そうですか。採血では今日も血糖値が低いですね。マーカーは今回また上がっています。前回下がったので頭打ちかと思ったのですが、まあ(と仰りつつ、PCのグラフ目盛りを操作して、なだらかなカーブにしてくださる)今日も治療を続けましょう。」と。「来月は2回あるので、初回は採血なしで、月末にしましょう。途中でCTもあるし。」とのこと。
手足の痺れと痛み対策でタリージェのことに触れると、「眠気は出るようですが、痺れが酷く怖くて走れなかった患者さんが、横断歩道で走れるようになったそうです。」とのことで、「ここぞ、という時に使いましょう。」と仰る。期待できそうだ。
次回は4週間後なので飲み薬全種類4週間分フルに出して頂いた。「コデインとヒルドイドローションは次回で大丈夫です。」と。「息子さんはどうですか、ちゃんと頑張っていますか?」と問われ、「おかげさまで・・・」と所属している課のことやらボーナスを頂いたらしいこと等近況報告。年末のご挨拶をして診察室を後にし、化学療法室へ入った。
待合い椅子は今日もどなたも座っていなかった。お手洗いを済ませ、少し待っていると、看護助手のMさんから窓側の一番奥から2番目の椅子に案内される。陽射しが溢れて温室のようにポカポカだ。かつらを外してケア帽子に替え、夫やお友達に報告LINE。リクライニングシートに足を伸ばして2冊目に入る。
10分ほどしてKdさんが刺針に見えた。今日は朝の採血と同様、針が入っていく時にジリジリと焼けるように痛んだ。ガーゼで固定して頂いている間もなかなか針が安定せず、チリチリし続けた。シリンジが揺れるたびに痛み、刺し直しになったら嫌だな~と思いつつ、様子を見る。
その後20分ほどして薬が届く。2剤併用の治療14クール目。Kwさんがいらした。前回からの3週間の間にまた、我が家近くのケーキ屋さんに2回もいらしたという。化学療法室クリスマス会用のケーキに採用だそうだ。今日も点滴棒には2本の薬液パックと生理食塩水の小さなパック、シリンジ。点滴の順番も変わらずパージェタ、ハーセプチン、最後に生理食塩水である。最初にお手洗いを済ませたので、なんとか最後まで立たないつもりだったのに、点滴を流されるとどうしても身体が冷えてお手洗いが近くなる。
前回はご挨拶しそびれたOkさんが顔を出してくださって、ちょっとお喋り。
最後の生理食塩水になったところで、3週間前と同様Cさんが血圧測定にみえる。終了時の血圧は122-66、脈拍は64。抜針はKdさん。衝撃はなかったのに、抜いている間ずっとギリギリと痛んだ。化学療法室に滞在した時間は3時間半ほど。それほど混んでいなかったけれど、どうしてもインターバルの待ち時間があり、そうそう早くは終わらない。かつらを装着し、ご挨拶して部屋を後にしたところで、年末のご挨拶をしなかったことをちょっと後悔。こんなに早い治療納めなので、まだピンとこないといったところ。
会計へ移動するとやはり混んでいる。番号札を頂くのに並ぶ。待合い椅子の場所を確保して、処方箋を薬局に送るテーブルまで移動。本も読み終わってしまったので待合い椅子ではぼーっとして人物ウオッチング。今日はわりと早く30分弱で会計番号が出た。お支払いはカードで11万弱。
病院を出る。曇ってきているが、とても暖かい。コートの前を開けていても全然寒くない。薬局に到着し、「病院内から処方箋を送りました。」と申告し、番号札を頂く。今日は会計で30分しか待たなかったが、薬局ではそれなりに待つことに。年末だから覚悟してはいたけれど、やはり疲れる。4週間分だったのでギリギリ3,000円を超えてカードが使えた。
「飲んでいる薬で何か心配なことはありますか。」と問われ「ロキソニンを長く飲み続けているので胃や腎臓が心配ですが、今のところどちらも大丈夫そうなので、痛むより良いと思って・・・、それでもだめな時はコデインを足しています。」とお話しする。「そうですね、様子を見つつ、痛みは我慢しない方が良いので、飲んで大丈夫だと思います。」とのこと。本日の病院と薬局の滞在時間は合計でたっぷり6時間半。
大荷物で駅に向かう。雲が厚くなっている。かなり空腹だ。ここのところずっと1階の麺で軽く済ませていたが、今年最後だし、1年治療を頑張ったご褒美でちょっと美味しいものを、と駅ビルの最上階まで上り、久しぶりにイタリアンレストランへ。ゆっくりランチコースを頂く。紅茶とデザートまで時間をかけてほぼ完食した。お腹が心配だったけれど、なんとか大丈夫。
JRに乗り、乗換駅まで辿り着き乗換駅ナカスーパーで夜のお弁当等を調達。3週間前はここで冷蔵庫の冷たい風で瞬く間に腹痛となり、大変な思いをしたが、今日は無事だった。
大荷物を担いで帰りの私鉄に乗り、最寄り駅に到着。贔屓のタクシー会社の車が見えたので、迷わず乗車し、何とか暗くなる前に帰宅出来た。
玄関前には生協のお届け物。大荷物を置いて、運び入れて冷蔵庫へ収納を済ませたら、ぐったり。あれやこれや最低限の片づけものをして、リビングに横になったらほどなくして夫が帰宅した。
昼食が遅かったので全く空腹でもなく、それよりとても疲れていて30分だけのつもりが2時間近くお夕寝してしまった。
のろのろ起き出して買ってきたお弁当にお味噌汁とサラダをつけて遅い夕食を済ませた。
明日はまた東京横断の出張である。あと2日なんとか乗り切らなくては。