ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2018.7.18 採血後腫瘍内科診察、ハーセプチン198回目(3倍量再開9回目)、明日からのゼローダ10クール目(パイオニア的飲み方)再開、皮膚科クリニックも梯子

2018-07-18 23:15:08 | 治療日記
 昨日は定時に職場を出、買い物の後一旦帰宅して、夕飯の支度。夫の帰宅を待って一緒に夕飯を済ませてから、病院最寄り駅近辺の宿にチェックインした。
 夜になっても暑い。もわ~んとした空気が身体にまとわりつく。怠くて疲れている。熱中症の一歩手前ではないか。職場ではお昼から夕方まで断続的に空調が切られた。本当に誰か倒れるまで我慢比べでもするつもりだろうか。この数年間、皆ひたすら我慢を強いられてきた(我慢出来ない方は辞めた方も)ので、事務室内はちょっとブツブツ言ったところで、どうせ・・・とすっかり諦めムードである。

 前回泊まった時、ホテルのレストランがリニューアル中で、朝食がお弁当だったことがあり、ちょっとがっかりしたのだが、フルリニューアルが済んでおり、大浴場もオープンしたとのこと。これはラッキー。ユニットバスでちんまり入浴するのとは段違いだ。
 お部屋もすっかり綺麗になっていて気分爽快。チェックイン早々お風呂に行ってみた。まだどこもかしこもピカピカで気持ち良い。先客は2人しかいなかった。広々と足を伸ばしてリフレッシュ。日中からのベタベタした汗をすっかり流して部屋に戻り、ベッドの上でヨーガニドラーを始めたらあっという間にそのまま寝落ちしてしまった。夫がLINEしたのになしのつぶてだと、後でブツブツ言っていた。

 除湿をして快適に眠ったが、水分を摂り過ぎたのか、夜中に二回もお手洗いに起きた。しっかり二度寝、三度寝して朝の目覚ましが鳴る前にパッチリ目が覚め、まだ早いので朝湯に出かけた。先客は1人だけ。また伸び伸びとサッパリ出来た。夫にこれからお風呂、とモーニングLINE。

 レストランもシックにリニューアルしていた。ちょっと動線が変わっていて一瞬戸惑ったが、焼きたてのデニッシュや有機野菜のサラダ等、ヘルシーな朝食を済ませ、朝の連続テレビ小説タイム。 
 チェックアウトして外に出ると、朝から猛烈に暑い。既に30度を超えている。場所によっては40度近くなるという予報を思い出しクラクラする。日傘を差しても下からの照り返しにげんなりする。命に係わる暑さだとのこと、職場の空調が気になる。

 病院に到着し、IDカードを通し、採血の受付へ。電光掲示板には15分待ちとあり、10人以上が待っていた。態勢を立て直して、室内に入るまで待機。
 今日は初めての臨床検査技師のKさん。まだ若い男性で何やらとても緊張している感じ。何度も何度も血管を確認して、さすってもいいですかと訊いたり、血管の上を手袋で抑えたり離したり。なんだかだんだん不安になってくる。その不安は的中して、なんと痛かったことよ。

 私の右腕の正中血管はかなり太くて飛び出しており、刺しやすい筈なのだけれど、なぜこんなに痛むのだ。不安のまま躊躇いながら刺すので、針先が定まらずに血管のあちこちにぶつかっている感じ。採血は5本だったが、なんとも長く感じたこと。刺す時が痛いと、抜く時も痛い。思わず「痛いです」と言ってしまう。
 すみません、すみませんと言わせてしまったけれど、うーん、後の方たちは無事に刺してもらえただろうか。前回に続いて採血はアンラッキーだった。

 止血しながら向かいの腫瘍内科へ移動。病院に入ってから30分弱経過している。待合椅子の定位置は先着がおり、後方に荷物を置いて場所の確保をしてから腫瘍内科の受付をして、読書開始。

 今日のお伴は1冊目がよしもとばななさんの「小さな幸せ46こ」(中公文庫)。
 帯には「どこからでも好きなところを好きなときに読んで、ちょっと和んでほしい本です。」とあったが、「生きにくい時代の心を癒してくれる大好評エッセイ集、待望の文庫化」とあるとおり、かわいいイラストも満載でいい気分で読み進めた。裏表紙にあった「最悪の想い出も、いつか最高になるー。両親の死、家族へのまなざし、大切な友だちや犬猫との絆、食や旅の愉しみ、さまざまな出会いと別れ。何気ない日常の中にある『小さな幸せ』を見つけて慈しむエピソードの数々。あなたの人生に寄り添ってくれる幸福論的エッセイ集」そのもので、読み終わる時には知らず知らず笑顔でほっこりと穏やかな気持ちになっていた。ばななさんのように小さな幸せを慈しみ、見落とさない人でありたい、と思う。
 
 腫瘍内科の予約時間まで45分ほど。読書の切りのいいところで血圧測定に。88-55、脈拍は74。朝風呂に入った所為か、ちょっと低めな感じ。中待合に入るまで1時間半弱、朝の受付から先生にお目にかかるまで2時間半近く。そうだった。月曜日が祝日だったので、今日は混んでいるのだと今更のように気づく。やっぱり暑さボケか。
 
 「お暑うございます」と診察室に入る。「そちらは暑いでしょうね。さて、お休みされてどうでしたか?」と先生に問われ、「職場が暑くて湿度も高くて結構まいっていますが、おかげさまでしっかり休ませて頂いたので、お腹も壊さず、手足も大分落ち着いてきました。ただ、気圧の変動時には胸痛が結構出てロキソニンを飲みました。(手袋を外して)手はこんな感じ、(靴下を脱いでサックも外して)足はこんな感じです。フロモックスを飲み続け、落ち着いてきていますが、(ゼローダを)再開すると炎症がぶり返しそうなので、今日の帰りに皮膚科クリニックに寄ろうと思っています。あとは暑さの所為かミネラル不足か結構足が攣ります。芍薬甘草湯はあまり効かなかったですが・・・」とお応えする。診察室での検温は6度6分。

 採血の結果は、腫瘍マーカーCA15-3がまた1割弱上がっていた。「でもまあ、あまりよくわからない上がったり下がったりの仕方ですね。白血球3,400、好中球1,600で復活したので、また(ゼローダ)再開しましょう。」次の「それ以外の数値は大丈夫でしたか」と訊くと「問題ありません。d-ダイマーの数値が前回高かったのですが、今回は下がってきていますから大丈夫でしょう」とのこと。これからは欲張らずプレミアムな飲み方(5日飲んで2日休みを2回繰り返して終わり)で続けることになる。

 そんなわけで、処方して頂く薬はゼローダ1日8錠を10日分、整腸剤のミヤBM錠と鎮痛剤ロキソニン、塗り薬のアンテベート軟膏とヒルドイドローションの5種類。
 「そういえば、(足の攣りで)芍薬甘草湯が効いたという人に会ったことがありません」とは先生の弁。効く人には効くようだけれど、先生が(効いたという人に)お会いになったことがないということは、果たしてどうなのだろう。ご挨拶して診察室を後にした。

 化学療法室へ入る。待ち合い椅子にはどなたも座っていないが、どこもカーテンが締まっており、リクライニング椅子やベッドも満席な感じ。15分ほど待って、看護助手さんが内側の通路側リクライニング椅子に案内してくださった。態勢を整えて夫やお友達に報告LINE。針刺しと薬が届くのを待つ。

 本日2冊目は、今更ではあるが、国立がん研究センター研究所編「『がん』はなぜできるのか そのメカニズムからゲノム医療まで」(講談社ブルーバックス)。
 帯には「最新ゲノム科学で分かった『がん』の正体 ■なぜ発症するのか?なぜ治療が難しいのか? ■チェックポイント機構を操り、免疫機能を無力化 ■5つの健康習慣で発がんリスクがほぼ半減!? ■がんと老化の不思議で複雑な関係 がん撲滅は夢ではない!革新的な治療法や検査法が次々に開発 ■血液1滴でがんを早期発見できる『エクソソーム解析』 ■最適な治療法が見つかる網羅的遺伝子検査 ■分子標的薬でオーダーメイド治療 ■公的医療保険が適用されるがんゲノム医療がスタート」とあった。トップ研究者たちが語ったがんのメカニズムとゲノム医療の最前線ということで興味深く読んだ。発症した頃から10年以上、本当に医療の進歩は日進月歩である。その恩恵をこれまで十分に受けてこられたこと、今こうして治療を続けられていることに改めて感謝しなければならない、と思った。
 
 刺針は、Okさんが見える。ラッキーだ。「今日は採血がとても痛くて・・・」と言ったか言わないかのうちに早業でもう済んでいる。お見事。「あっ」も言わさず刺してしまうのだから。今日はこれで針の痛みプラマイゼロである。前回お目にかからなかったので、ざっと状況をお話する。息子のことも心配してくださっていたので、おかげさまで就職も決まり、とご報告。喜んでくださった。
 
 ほどなくしてKrさんが薬をセットしにきてくださる。体調についての問診等。息切れや痛みについて聞いてくださる。やはり階段や急な坂道はしんどいので、遠回りでも平坦なところを歩いています、とお話する。痛みも気圧の関係で1日3回ロキソニンを飲むことも何日かありましたとご報告。手足をお見せすると綺麗にケア出来ていますね、と褒めてくださった。「でも、女性は本当に色々やることがあるから、そうした中で(ケアを)続けるのは必死ですよね」と言われ、ちょっとうるっとする。そう、生活の一部として何気なくやっているつもりでも、実はその都度その都度ずっと必死にやってきたというのが正直なところだ。それを分かって頂けてとても有難い。

 ハーセプチンと生理食塩水で1時間半。終了間近に血圧を測って頂くと、98-63、脈拍は61。抜針もOkさんだったので嬉しかった。これまた「おっ」と言っているうちに衝撃も感じさせず無事終了。

 前回から会計処理方法が変わったのかと思ったら、前回限りだったようで、今日は一旦、腫瘍内科受付に書類を出して5分ほどしたら自動支払機へどうぞ、という方法に戻っていた。ほっとした。実際、LINEの返事をしただけで計算が完了していた。前回は待合椅子で本を読みながら40分近く待つことになったので、どうしたものかと思っていたのだけれど。

 病院滞在時間は5時間半弱。採血、点滴の3割負担の3万円強をカードで支払う。
 外は本当に暑そう。アスファルトがフニャフニャして見える。決死の覚悟で外に出ると、熱風に襲われる感じ。いつもは川べりに保育園の子供たちや近所の方たちが散歩をしていたりするのだけれど、病院を出入りする人以外人っ子一人いない。不要不急の外出は避けましょう、という暑さなのだ。

 薬局の混み方はそこそこ。今日は薬が結構あるので、また順番どおりには呼ばれないだろうなと、ぼーっとテレビの画面を見ていたら、やはりどんどん抜かれて小一時間待った。さすがにゼローダが入ると1万円を優に超えてカード払い。

 病院と薬局の合計滞在時間は6時間半弱。暑くて辛い。駅までの道が遠く感じる。
 駅ビルで冷たい麵を軽く頂く。帰りに皮膚科に寄りたかったので、快速電車に乗れる時間に間に合うようにホームに降りたつもりだったが、目の前で行かれてしまい、熱風が舞い上がってくるホームで10分ほど各駅停車を待つ間立ちん坊。荷物は重いし、肩に食い込んできて顎が出る。

 途中駅で快速待ち合わせがあったが、せっかく座れたのでやり過ごしたのが運の尽き。隣の駅でいきなり電車が止まってしまった。後続電車で車両故障があり、運転見合わせとのこと。なんとか皮膚科クリニックに間に合うつもりが、運転再開見込み立たずとのこと。また金曜日に休みを頂くのは・・・とジリジリして待つ。ようやく15分ほどして運転再開。はあ、これなら滑り込みセーフで間に合うというギリギリな時間だった。

 急いで私鉄に乗り換え、最寄り駅に着いたのが受付終了5分前。なんとか滑り込んだが、とても混んでいて、うーん、どれだけ待つことかとがっくり。
 結局1時間近く待って、薬局でも30分待ち、その後、スーパーでお弁当を調達し、迷わずタクシーに乗ったが、帰宅時間はいつもと変わらないどころか遅くなってしまった。

 帰宅すれば玄関の前には生協のお届け品とお花が。郵便物も沢山で両手がふさがり、鍵も開けられず、汗が流れる。
 なんとかもろもろを冷蔵庫に収め、お花を花瓶に投げ入れ。今日は濃淡の黄色い向日葵が5本、レザーファンの葉が1本、紫の美しいリンドウが2本と黄色い小さな花が可愛らしいソリダコが2本。花言葉はそれぞれ「あこがれ」「正義感」「寂しさ」だそうだ。すっかり夏のお嬢さんといった感じの組み合わせだが、いかんせん暑いので水を毎日替えてあげてもあまり長持ちはしないだろう。

 我が家のWi-Fiが不調で夫が新しいルーターを買い込んできて、その工事に結構時間がかかった。私はその間草臥れ果ててリビングソファでウトウト。ようやく繋がったところでインスタントの味噌汁と簡単サラダを足して、遅い夕飯を頂いた。
 明日から2日間頑張ればまた土日がやってくる。明日から10クール、無事に飲めますように。
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