ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2011.10.6 昨日通院日に読んだ2冊

2011-10-06 07:04:03 | 読書
 昨日は2冊読んだ。

 1冊目は林真理子さんの「もっと塩味を!」(中公文庫)。
 帯には「ミシュランに賭けた女の人生 美佐子は裕福な主婦としての暮らしを捨て、天声の味覚だけを頼りに、めくるめくフランス料理の世界に身を投じるが-」という帯。
 相変わらず冒頭から惹き込まれるような巧みな文章。ページを繰る手が止まらなくなった。
 半日かけて遠くのレストランまで出向く。バブルの時代の象徴であるシャンパンを抜き、ワインのボトルを開ける。フルコースのメニューを読んでいるだけでお腹が空いてきてしまうお話。東京でもパリでも美味しいレストランが目白押しに登場する。取材費がかかっているだろうな・・・と、つい余計なことを考えてしまう。
 主人公の美佐子は乳がんを患っている。奇跡的に毎回抗がん剤が効き、10数年も治療を続けながら頑張っている。けれど、ラストには、ラッシュの時期が来て・・・。
 これは2008年に出版された小説だが、乳がんは既に珍しい病気ではなくなっている。これはその闘病をメインテーマに据えた小説でもない。ミシュランの星獲得という夢に生き、料理人である夫に献身的に尽くし、恋に生きた一人の女性を描く中で、彼女がたまたま乳がんだったという設定に新しさを感じた。

 2冊目は角田光代さんの「三月の招待状」(集英社文庫)。
 「出会って15年。私たちはあの頃からずっと変わらないと思っていた、30代、揺れる大人の恋愛小説。」という帯。「出会って15年、10代から30代へと年齢を重ねた仲間たち。友情、憧れ、叶わなかった想い―再会をきっかけによみがえるあの頃の記憶と、現在のはざまで揺れる姿を描く、大人の青春小説」という裏表紙のとおり何となく懐かしさ、こそばゆさを感じながら読み進めた。「三月の招待状」から始まって、翌年の「五月の式典」まで各月の出来事が章立てになり、5人の主人公によってそれぞれ語られる形式。
 解説の香山リカさんが書いておられるが、「角田さんの小説を読み終わると、いつも「で、私はさ・・・」と物語の続きのように自分のことを話したくなる。」というくらい描写が自然で巧みなのだろう。翻って私は、この主人公たちの今である30代半ばは子育て真っ最中、職場と保育園と自宅の3点しか活動範囲がなかったので、世間の色々なことに全く疎く、もちろん同窓会にもあまり顔を出す余裕が出来なかったなあ、と当時を思い出した。

 昨日のアロキシの効果はいかに、昨夜はくたびれて早くベッドに入った。夕食は少し少な目にしておいた。お腹のモタモタ感はあったが、吐き気止めはしっかり効いているようだ。

 そして今朝。気持ち悪さは悪化していない。午後以降もこのくらいの調子でいられれば本当に嬉しい。
 昨日は冷たい雨で、11月下旬の陽気だったそうだが、今日は、日中は半袖で過ごせるくらいの25度近くになるという。体調管理をしっかりして、風邪をひかないようにしないと。 
コメント
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