おはようございます。
生き生き箕面通信2079(140902)をお届けします。
・人々の「愛」をビジネスにする日テレ系の「24時間テレビ」
夏の恒例行事化した日本テレビ系の「24時間テレビ」が終わり、ヤレヤレです。
大げさに「愛は地球を救う」と銘打ち、寄付をなかば”強要”する番組だからです。「寄付をするのが当然。寄付をしないヤツは、間」と言い出しかねないうさんくささが感じられる。
出演者に多額のギャラを支払うらしいのも、「なんや、『愛』をかたる単なる商売やないか」と思わされます。
大きな災害などが起きた後に有名アーティストが寄付を募るショーなどを開催することがありますが、これはボランティアです。自分のふところが潤うわけではない。
ところが「24時間」は、日テレはもちろん出演者も、ウハウハ。おいしいビジネスです。
昨日、「24時間」が終わった後、「五体不満足」の乙武さんがこんな発信をしていました。転載します。
「24時間テレビ」への思いを綴る乙武さんの一連のツイート
4.僕が子どもの頃は、番組もいまより「貧困」に焦点を当てていたように思う。当時は僕も貯金箱の中身を持って、コンビニまで募金しに行った。だが、いつからかずいぶん番組のテイストが変わってきた。そこに登場する障害者は、あきらかに憐憫の情で見られている気がした。僕は、番組を見なくなった。
5.だが、パラリンピックを放送すれば障害者理解が進むとも思えない。彼らは、日々の研鑽を積み、大舞台で活躍する権利を得たアスリート。一般的な障害者像を体現しているわけでは、けっしてない。だから、「障害者ってこんなにすごいんだ!」という感想は、全体像を見誤らせる危険性をはらんでいる。
6.「健常者とはこういう人」とひとくくりにできないように、障害者だって様々な人がいる。いまだ苦しみのなかにいる人もいれば、障害を受け入れ、克服し、まわりに勇気を与えるような生き方をしている人もいる。どちらが「いい」「悪い」という話ではない。どちらも「いる」という“現実”が大事。
7.僕に対して、「あなたのように恵まれている障害者ばかりではない」「おまえは特別だ」との批判もある。そのとおり。僕だって、あくまで“ほんの一例”だ。だから、僕の生き方、考え方が障害者を代表しているとは思ってほしくないし、ましてや「乙武さんは…」と他の障害者に押し付けてほしくない。
8.これまで「乙武さんは24時間テレビが嫌い」という言説が流布しているけが、「嫌い」という感情とも違う。ただ、障害者に対する扱いがあまりに一面的だとは思う。だから、何とか異なる手法でプレゼンできないかと、ずっと考えてきた。それが、『五体不満足』出版にもつながった。いわば、原動力。
9.みなさんがこれまで抱いてきたであろう障害者に対する固定概念を、何とか打ち破ってやろう、違うスパイスを加えてやろう、そんな思いで出版した『五体不満足』。あまりに多くの人が読んでくださったおかげで、今度は「乙武のような障害者ばかりじゃない!」と批判される“逆転現象”に困惑もした。
10.とかく、人はレッテルを張りたがる。日本人はこういう人、女性とはこういう性格、障害者とはこういう存在――それが無意味なことは、わかっているくせに。障害者だって、同情されたくない人もいれば、同情されたい人もいる。泣きたい人もいれば、泣きたくない人もいる。本当に、いろいろいる。
11.24時間テレビを見た方には、ぜひパラリンピックも観てほしい。NHKの『バリバラ』という番組も観てほしい。そうして、いろいろと知ってほしい。感じてほしい。考えてほしい。もちろん、そこでの感じ方、受け取り方は、各自の自由。ずいぶん長くなってしまったので、このへんで。長文失礼。完
ボクにしてみれば、「イヤなら見なければいい」と言われれば、その通りというほかありません。
それでも、人の善意を大っぴらに「ビジネス」にする、言いかえれば「食いもの」にするのはいただけないという感じが残ります。もっとスマートなやり方を編み出してほしいものです。