お早うございます。
生き生き箕面通信2102(140925)をお届けします。
・アメリカがシリアへ戦線拡大――地球規模の戦争へ
オバマ大統領が昨日9月24日、国連総会で演説し、中東の過激派組織とされる「イスラム国」の打倒に向けた国際的な有志連合に加わるよう各国に求めました。
すでにフランスが支持を表明しており、サウジアラビア、ヨルダンなど中東5カ国も支持や協力を表明、これまでシリア空爆に反対していたロシアや中国も容認に態度を変えています。有志連合に参加する国は40カ国を超えたと伝えられています。
指示や協力を表明すれば、その国は敵対国としてテロの標的にされかねません。テロが世界中に拡散し、あらたな形の世界戦争の様相を呈することになります。
それにしてもアメリカは、シリア政府からの要請もなし(暗黙の容認があった?)に、いわば勝手に空爆、しかも国連安保理の決議もない中での攻撃です。無茶苦茶です。
アメリカが始めた今回の闘いは、勝ち目が見えません。アメリカをはじめとする西側のメディアは、「イスラム国」は過激なテロ集団、世界に危害を及ぼす”悪魔の集団”と宣伝し、アメリカの尻馬に乗って、宣伝戦に協力しています。
アメリカ軍グループは、「正義の十字軍」気取りです。しかし、やっかいな相手にケンカをふっかけたものです。またぞろ泥沼の戦争へ突入したといえそうです。
もとはといえば、「9・11」のあと、父ブッシュ大統領が、「アルカイダが犯人だ」「イラクのフセインは大量破壊兵器を保有し、危険だ」と、証拠もなしに決めつけて始めた戦争です。
「イスラム国」についていえば、植民地化を進めた欧米列強が勝手に「国境」なる線引きをしたことに端を発しています。「イスラム国」はその線引きに異議を唱え、いわば「民族自決」の新しい国境の引き直しを求めているようにみえます。そこには一理あります。
ブッシュが始めた戦争の後、アメリカは国力が疲弊し、いまやへとへとです。
安倍政権は、空爆に対し支持ではなく「理解」を示しました。集団的自衛権の行使に反対する空気が強い国内世論に配慮して、当面は一段階ゆるい「理解」から入ったのでしょう。
しかし、安倍政権がアメリカ「支持」であることはだれもが承知していることです。問題はへとへとのアメリカがいつ、「グラウンド・ザ・ブーツ」(自衛隊の派遣を)、「ショウ・ザ・フラッグ」(戦場に日の丸を立てよ)と要請してくるかです。
そのときはわけの分からない理由をこじつけて、ほいほいとアメリカさまに協力するのが、安倍流の「地球儀を俯瞰する外交」の正体といえるのかもしれません。
「イスラム国」を名乗る”テロ集団”は、敵対する国に潜り込み、テロを仕掛けることなどお茶の子さいさい。世界のあちこちで、テロが頻発する事態となりそうです。
日本も狙われる国にリストアップされる。そして、戦闘が続けば、6年後の東京オリンピックも狙われるでしょう。
日本は、ノーベル平和賞の候補に認知された憲法9条を持っています。日本はアメリカの尻馬にのって戦争の一翼を担うのではなく、戦闘を終結させる努力に最大の外交力をつぎ込むべきではないでしょうか。もっとも、安倍という男には通じませんが……。