生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・1284 ・野田増税が一見、成功するかのように見えるけれど、果たしてそうか

2012-06-15 06:37:31 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1284(120615)をお届けします。



・野田増税が一見、成功するかのように見えるけれど、果たしてそうか



 本日6月15日は、「増税一直線派」がとりあえず勝どきを上げる日に

なりそうです。一番喜ぶのは財務官僚でしょう。これに対し、あくまでも

民意にもとづく民主的な日本であろうと努力してきた勢力は、残念なが

ら一敗地にまみれるという構図でしょうか。



 しかし、本当の闘いはこれからです。本当の闘いの場は、衆院総選挙

です。まさに天下分け目の戦いになります。私たち有権者の選択力が問

われます。総選挙の後に、日本をじゃぶじゃぶ洗濯できる政権を創るこ

とができるか、逆に旧来のアンシャンレジーム体制を継続させ、日本が

沈没させるか。



 ただその前に、本日も民主党内はもめる場面を見せるのでしょう。しか

し、それをも”ガス抜き”に利用して、やっとまとめた形を演出する。そうし

たシナリオを描き、それぞれの登場人物に振りつけしてきたのが、仙谷

由人氏といえます。諸悪の根源は、自ら悪役を買って出た仙谷わると。



 そのために、官邸が自由に使える官房機密費をふんだんに活用して

きました。要するに、野党の勘どころに実弾をぶち込む一方、党内の反

対派には「造反すれば刺客を立てるぞ」と脅してきました。そうしてある

程度切り崩しておけば、仮に本会議の採決で造反が出ても、自民・公

明との多数で衆参ともに成立させられるという読みです。



 問題は、小沢氏を中心とするグループがどう動くか。あくまでも「増税

の前にやることがある。シロアリ官僚の退治。増税なき財政再建のため

の予算の総組み替え。経済の安定運営」を掲げて、有権者の判断を仰

ぐ。これを有権者がどう受け止めるか。はっきりしていることは、本当に

「百年安心」の社会保障体制を築くことができるか、です。いまの体制の

延長線上では行き詰っていることが見えています。しかし、野田首相が

妥協するのは、今の延長線上の社会保障です。これではいくら消費税を

上げ続けても、しょせん行き詰ります。



 いよいよとなれば、結局、新しい旗を高々と掲げるほかない。この段階

で、政界再編が本格的に進み、政治状況がより見えやすくなる。そん

な展開が現実味を帯びてきました。


・1283 ・総選挙後の大連立を想定しつつ民主・自民の「談合」が続く

2012-06-14 06:49:26 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1283(120614)をお届けいます。



・総選挙後の大連立を想定しつつ民主・自民の「談合」が続く



 いよいよ明日6月15日までです。談合成立の期限です。野田首相は、

「増税さえできれば、あとのことはどうでもいい」とハラをくくったようです。

増税一直線。



 自民との修正協議というインチキくさい「談合」で、妥協につぐ妥協を

行い、ほとんど「自民案丸のみ」で、ともかく増税を果たす。本来なら、

国会のそのための委員会があるのだから、その公的な場で国民の目

の届く範囲で堂々と議論を進めるのが民主主義の常道のはずです。

ところが、野党の主要政党とだけ取り引きして、他の政党はもちろん、

報道陣も排除して密室での取り引きです。



 のダメさんの頭の中には「増税」しかないようです。ともかく増税を果

たして、歴史に名を残す。「男に生まれたからには、歴史に名を残さず

に何の人生ぞ」の気概です。一種の躁(そう)のゾーンに入ったようだ

から、やっかいです。



 しかも、次の総選挙後の生き残りもちゃっかりとねらっています。総

選挙後は、「大連立」です。そのための野田・谷垣秘密会談が先日行

われたことは「公知の事実」です。この秘密会談も政権を私物化する

ための「談合」です。この談合でまとまったのが、総選挙後、勝った方

が総理を取る。負けた方は副総理。いずれにしても、政権を「維持」で

きるというなれあい談合。



 総選挙で仮に野田路線が勝ったとしても、参院のねじれは残ったま

まで、法案はなかなか通りません。これを解消するための「政界再編」

が欠かせない。結局、大連立の形にならざるを得ない、という結論の

野田・谷垣会談。自民党も、支持率が上がらないなか、政権にだけは

なんとか復帰したい。そうでなければ、「維新の会」などに油揚げをさ

らわれかねない。焦りもあります。



 そこで、今日、明日、小沢路線を支持するグループがどんな動きを

見せるか。今日、明日の動きが、カギです。私たち有権者は、しっかり

とウオッチしておきましょう。決して忘れない。誰が増税促進議員で、

だれが真に有権者の立場を代弁したか。



 付け加えておきますと、小沢路線はやみくもに増税反対を唱えている

のではありません。「増税の前にやることがある」と言っているのです。

シロアリに食いつぶされない体制をつくらなければ、つまり官僚政治を

脱却する体制を整えなければ、増税してもその血税はシロアリという財

務官僚をトップとする官僚軍団にもっていかれてしまします。それに、そ

もそもの社会保障体制はどうなったのですか。また、もっと経済状況を

固めてからでなければ、中小企業を始め国民の大多数が泣くだけです。

税を出すのは、納得できる国づくりの方向があってのことです。



 増税のA級戦犯は、野田、前原、岡田、藤井裕久、安住財務相など

をはじめ、財務省の勝栄二郎・事務次官をトップとする財務官僚。日

本は彼らに壊されつつあります。壊すヤツいれば、談合するヤツもおり、

シロアリさんもいっぱい。これじゃあ、やはりだめだね。




・1282 ・「やらせ」と「談合」だらけの野田政権

2012-06-13 06:23:44 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1282(120613)をお届けします。



・「やらせ」と「談合」だらけの野田政権



 野田首相のやり方は、あまりにも民主主義の王道からははずれ、暴走

が目立ちます。政治手法としては、「やらせ」と「談合」を多用しすぎです。



 例えば、原発再稼働問題。国民の過半が「脱原発」を望んでいることは、

各種の世論調査から明らかのはずです。「脱原発」は民意として明確に

示されているはずです。ところが、野田首相はその民意を無視し、原発を

再稼働させることに異常なほど力をいれています。そこで使うのが「やら

せ」と「談合」。



 「安全」を装うために、原子力安全・保安院などから「暫定基準」なるも

のを急きょでっち上げさせて、「これをクリアしているから安全」という。

「やらせ」もいいところです。立地自治体の福井県知事とは、「再稼働」

へ向けてのいわば”談合”のうえで、それぞれが振りつけの踊りを踊っ

て見せる。再稼働へむけての一連の動きは、「やらせ」と「闇談合」の

オンパレードです。社民党の福島瑞穂党首も昨日6月12日の記者会

見で「やらせと談合の極みだ」と、野田首相を批判していました。



 例えば、沖縄の普天間飛行場移設問題。沖縄の県知事選の前に、

沖縄振興予算を満額回答し、沖縄県民の”買収”を試みました。ところ

が、ふたをあけてみると、仲井真知事の与党議員は選挙前と同じ数

にとどまり、政権与党の民主党議員は定数48のところ、わずか1にと

どまりました。改選前の2だけでも異常に少なかった数が、さらに減っ

た現実。これを政府与党はどうみるのでしょうか。これまでの政治の

方向性に反省や修正は考えないのでしょうか。



 不思議なのは、こうした民主主義をないがしろにする政治に対し、

大手メディアが批判をほとんど加えないことです。いまや野田首相の

「やらせ」と「談合」が当たり前のような政治手法としてまかり通るよう

になってきました。日本の民主主義は、瀕死の重傷といっても言い過

ぎではないところまで弱っています。時代は、危険水域に入ったとい

えるのではないでしょうか。



 

・1281 ・国民をあざむく三文芝居――「原発再稼働」を上演の野田劇場

2012-06-12 06:44:12 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1281(120612)をお届けします。



・国民をあざむく三文芝居――「原発再稼働」を上演の野田劇場



 「有権者の皆様、あなたがたをあざむくお芝居をお見せします。まずは

わたくし野田の開幕宣言からご覧ください」と、のたまう野田首相。最初

にかかげたのは、「国民生活を守るため」という口実でした。「どうです。

立派な”へ理屈”でしょう。本当は、『電力会社の経営を守る』ためですよ。

だけど、わたしが真剣な顔つきでお話しすると、結構だまされてくださる

有権者の方々がいらっしゃるのです」



 次の登場人物は、原発立地の地元と言われる福井県の西川一誠知事

やおおい町の時岡忍町長。その脇役として、県議会と町議会の面々。味

付けに、 県原子力安全専門委員会(中川英之・委員長)もチョイ役で顔

を見せます。まず知事が「野田首相の発言を重く受け止める」と、重々し

く評価してみせました。町長もすかざず同調。続いて県議会、町議会が

「再稼働を容認する」決議をする段取りです。知事はおまけの演技として、

本日午後、中川委員長とともに大飯原発を視察してみせます。「安全を

確認するため」だそうです。原発の技術に素人の知事がちょろっと視察し

て、「安全を確認した」と言ってのける筋書きです。そんなことで安全が確

認できるのだったら、苦労はありませんよね。県の安全専門委員会にした

ところでが、県民の真剣な不安を反映して紛糾したのですが、そんな不安

をそっちのけに「安全」と報告書をまとめました。



 野田さんは、明後日の6月14日に関係4閣僚会議を開いて、「原発再稼

働、ゴー」を決める方針と伝えられています。すべてのシナリオはあらかじ

め決まっていました。「再稼働ありき」を、有権者にどうお見せするか。あと

は細かい日程を調整するだけでした。この14日に合わせるために、県議

会も町議会も今日、明日中に「再稼働容認」の決議をしなければなりませ

ん。急げや急げ、ホイサッサと、お猿のかご屋も顔負けのスピードです。

ほかのことはスローモーが得意の政府ですが、原発再稼働となると目の

色変えての拙速ぶり。ともかく野田さん、G20にも出席したい。スケジュー

ルは立て込んでいます。



 この間、目立つのは「真の安全」に思いをいたさず、それをあえて見せ

ないようにして強引に進める「再稼働猿芝居」。それをいい年をした大人

が、真顔で演じるバカバカしさ。「原子力とどう向き合うか」は本当は、私

たちがこの21世紀以降の地球をどんな暮らし方で生き延びるか、実にス

リルに富んだわくわくするテーマのはずです。それをわざわざ面白くして

なくしてしまう、「のダメどじょう」のセンスのなさ。原発利権は、それほど

魅力的なのです。かくして原発ムラは見事に息を吹き返します。2012年

は、日本丸が誤った方向へ舵をきった歴史の残る年になりそうです。


・1280 ・「没後をおそれることはない」

2012-06-11 06:36:32 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1280(120611)をお届けします。



・「没後をおそれることはない」



 野田首相は、大飯原発を再稼働させる決断をした理由として、「原発

を止めたままでは、日本は立ちゆかない」ことをあげました。本当に立ち

ゆかないでしょうか。そもそも「立ちゆく」とは、どういう状態を言っている

のでしょうか。また、立ちゆかなかったら、どうなるというのでしょうか。



 「これが私たちの望んだ日本なのか」というアンケート特集を、月刊誌

の「文藝春秋」が昨年4月号で組んでいました。超大型と同誌が銘打った

力のこもった企画です。その中に、国際日本文化研究センター教授の井

上章一さんが「没後をおそれることはない」という回答を寄せていました。

少し長くなりますが、本日の「箕面通信」は、それをそのまま引用します。

以下引用です。



 「私は京都のちかくで生まれ、そだちました。もう、半世紀以上にわたり、

この街をながめつづけたことになります。そして、日本がおとろえてゆく

今、あえて言うことにいたしましょう。



 京都にも、昔はかがやいた時代がありました。全国の富があつまり、

さまざまな文化をはぐくんできたのです。しかし、千年をこえる歴史のな

かで、いろいろつらい目にもあってきました。今は、首都の座を東京へ

ゆずりわたし、一地方都市になっています。



 ですが、京都にすんでいる人々が、さほど不幸だとも思いません。

街としては、はなやぎがなくなりました。さまざまな指標も、低迷して

いるでしょう。でも、人々はほこりをもって、もちすぎているくらいです

が、くらしています。



 没落の先輩として、言いきりましょう。没落をおそれることはありませ

ん。たいせつなのは、どうやって没落していくかというところに、ありま

す。都市であれ、国であれ、いちどさかえたところは、かならずおちて

ゆくのです。そのことを、必要以上におびえることはありません。ねが

わくは、ゆとりをもってどうどうとおちぶれたいものです。



 まあ、日本はおちてゆくことに、まだなじんでいないのでしょうね。ヨー

ロッパへでもでむいて、先輩を見ならってはどうでしょう。てぢかに、京

都を手本にするという手もありますよ。いかがですか。



 じつは、京都もそれほどいばれはしないのです。明治の東京奠都(てん

と)にさいしては、危機がさけばれました。このままほうっておいたら、京都

は奈良になってしまう、と。今の日本と同じで、おびえていたんですね。



 でも、今、奈良でくらしている人が、とくべつふしあわせなわけではあり

ません。奈良になって、何が悪いのでしょうか。京都も、今は奈良への途

をあゆみつつあります。日本も、こちらへいらっしゃい」



 歴史を振り返ると、四大文明といわれたインダス、チグリス・ユーフラテ

ス、ナイル、黄河文明はピークを過ぎると長期低迷の時期に入りました。

ギリシャ文明、大ローマ帝国の文明、産業革命を主導し大英帝国を築い

たイギリスのパクス・ブリタニカ文明も例外ではありませんでした。



 一方で、現代文明が行き詰まり現象にあえぐなか、ブータンの暮らし方

が注目されています。70億人を超えたとされる人類が現世紀からのミレ

ニアム(千年)を生き延びることができるのか、が根本的に問われていま

す。野田首相の「原発を止めたままでは、日本は立ちゆかない」は、目先

だけを見る、あまりにも思慮に欠ける発言ではないでしょうか。