生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

・1271 ・「原発ムラ」の完勝――大飯は”晴れて”再稼働

2012-06-01 06:57:07 | 日記
おはようございます。

生き生き箕面通信1271(120601)をお届けします。



・「原発ムラ」の完勝――大飯は”晴れて”再稼働



 橋下徹・大阪市長は一転して、大飯原発の再稼働を容認する考えを

示しました。脱原発への裏切りです。結局、「(再稼働に)反対したまま

夏を迎え、停電が起きたら、自分が批判される」と先読みしたのでしょう。

「自分が批判され、大衆の人気が離れたらまずい」という思惑が働いた

ことは、容易に想像できます。大衆迎合主義、つまりポピュリズムの面

目躍如です。自分の信念などあったものじゃない。大衆の人気が離れ

ないように気を配りつつ、世論操作する手法だけがカッポしています。



 夏場のピーク時だけ限定的に動かすという妥協案も、政府によって

あっさり否定されました。そして、全面的な再稼働が動き出します。

「原発ムラ」の大勝利。完勝といえるでしょう。



 わずかに民主党内の「作業チーム」が、野田首相に「再稼働は慎重に

判断するように」と申し入れましたが、そんなものは一顧だにするつもり

もないのが同党の主流派です。



 関電は、橋下市長らがあくまでも再稼働に反対するつもりなら、「計画

停電」という人為的な「大停電」を起こすつもりだったようです。ひそかに

「停電プロジェクト案」も作成していたのではないでしょうか。原発抜きで

乗り切る努力は、徹底的にサボり通しました。



 事実、「夏場に15%不足」の詳細な中身はついぞ明らかにしません

でした。橋下市長らが拠点とした「関西広域連合」が詳細なデータを出

すよう迫っても、ガンとして拒否。他の電力会社からの融通してもらう努

力もサボりました。大手の工場が、自家発電装置を新設し自衛に乗り

出した効果も測定はしませんでした。そうした努力をすれば、原発なし

で乗り切れることが明確になるからです。



 橋下市長の特別顧問として、飯田哲也さんがついていましたが、関電

に要求した詳細なデータを出させることはできませんでした。関電として

は、ただ一点、「大飯再稼働」だけに向けて、攻勢をかけてきたのでした。



 これに対して橋本市長は、本来なら「原発は再稼働させず頑張りましょ

う。場合によっては、停電も覚悟しましょう」と市民に呼びかけ、市民の応

える力で関電の謀略を突破すべきでした。橋下氏の政策にはほとんど反

対で、唯一、脱原発だけは、黒猫論で支持しました。



 いまとなって悔やまれるのは、橋下氏が「原発に対する住民投票」を

今年初め、葬り去ったことです。大阪市民が署名して法定数に達し、本

来なら「原発是か、非か」の住民投票を実施しなければならなかったは

ずです。それこそが民主主義というものでした。それを「独裁者きどり」

の橋下氏が拒否したのでした。もし、もしもですね、住民投票が実施さ

れ、その結果、「原発ノー」の住民判断が出ていたら、こうもあっさり豹

変はできなかったはずです。



 もうひとつ酷いのが、読売新聞の本日6月1日の社説です。「大飯3,4

号機の再稼働に、ようやくメドがついた」と、あんどの書き出しで、締めく

くりは「大飯原発が動いても全国的な電力不足は続く。安全確認できた

原発を順次、再稼働させることが不可欠である」としました。原発推進至

上新聞です。なんという情けない新聞になったことか。



 そして、日本という国は、もう1、2回、過酷な原発事故が起き、日本自

体がつぶれるまで、原発路線を突っ走るのでしょうか。