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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信813 ・他国の支配を拒否する愛国者の映画「安重根」

2011-02-27 07:52:00 | 日記
おはようございます。「朝まで生テレビ」が、国防、安全保障、領土問題をテーマに議論していました。中国・北朝鮮の脅威に対してますますアメリカへ依存しようとする長島昭久議員らのグループと、外交力などのソフト・パワーを有効に機能させるべきという孫崎享氏らのグループとに分かれ、すれ違いに終わりました。国の安全に対して何んとか合意を築いていこうとする建設的な議論の仕方そのものが未熟のようです。
生き生き箕面通信813(110227)をお届けします。

・他国の支配を拒否する愛国者の映画「安重根」

 リビアで、カダフィという”指導者”が傭兵に命じて、自国の国民に向けて発砲させ、多数の死傷者を出し続けています。中東で起こっている一連の指導者に対する国民の”反乱”は、「自分たちが求める国づくり」への欲求の表れといえます。いわば、愛国の気持ちの表れです。カダフィ氏の行動は、そうした国民の欲求を踏みにじるものです。

 「安重根 伊藤博文を撃つ」という映画を、昨日観ました。大阪・十三の第七藝術劇場で上映が始まった北朝鮮制作のものです。昨年が日本による「朝鮮併合100年」の節目で、それに合わせた北朝鮮側からみた安重根ですから、熱烈な愛国者の英雄として描かれています。 日本ではもちろん、明治の元勲・伊藤博文を暗殺した重大なテロ犯です。

 映画は2時間の長編。前半は日本が朝鮮国に対し「保護条約」を軍の力をもって無理やり玉璽を押させ、朝鮮の人々が日本に支配されるようになったことにいかに反発していたか。日本が巨額の資金を高利で押し付け財政権も奪ったことに対して、その日本への借金を返すために貧しい人々までもが拠金する国民的な盛り上がりなど愛国の姿が描かれます。

 後半は、愛国の気持ちから安重根が、一般の人々による抵抗組織「義軍」に身を投じ、いわばパルチザン(非正規の戦闘組織)の一員として激しい戦闘にも加わるのですが、圧倒的な武器を持つ日本軍の前に敗北。ついに朝鮮支配のトップ、伊藤博文への暗殺を決意し、実行。ハルビン駅頭で射殺したあと、連行されながら「朝鮮独立万歳!」を叫びます。しかし、結末のナレーションは、「このあと5か月後に朝鮮国は日本に併合され、国名すらも消滅した。安重根は愛国者であり、英雄であるが、テロで問題は片付かない。全民族的な独立闘争が必要なのだ」というを教訓を流しました。

 現代の日本は政治、経済体制とも、アメリカの圧倒的な影響を受けています。政権党の中にすら「実態はアメリカの属国」と認める人間がいます。新聞など、ジャーナリズムの世界でも、外交面などでの「アメリカ隷従」を揶揄しつつ認めているのです。なにしろ、「アメリカの核の傘の下」で安住し、「アメリカ様に守っていただいている」ことで安心を得ている「平和ボケ」状態が長く続いています。戦後の「平和ボケ」の間に、「国の独立とは」とか、「国の安全保障はどうするか」について、真剣に考えることをすっかり忘れてしまいました。

 ぼくは、軍備をさらに増強すべきだと申し上げているのではありません。外交や経済、文化など幅広い結びつきを通じて、つまりソフト・パワーを全開して周辺の国々との協同の安全保障体制を築くべきだと考えています。それにしても、その基礎には「国の安全」を一人ひとりが考える普段の習慣が欠かせないと思うのです。日本はロシア、中国、韓国の周辺諸国と北方四島、尖閣、竹島と領土問題を抱え、またイラク・アフガン戦争など、アメリカが起こした戦争に支援する立場を続けています。

 こうした現状は、本当に「国を愛する」ことになっているのでしょうか。あるいは、「そんなうざい問いは出すなよ。どうせ、何んともならないし、何んとかなる時は何んとかなるでしょう」ということでしょうか。

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