生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信622 ・「政策論争」を不毛にするマスメディアの民主代表選報道

2010-08-17 06:36:28 | 日記
おはようございます。
生き生き箕面通信622(100817)をお届けします。

・「政策論争」を不毛にするマスメディアの民主代表選報道

 9月14日の民主党代表選まで1か月を切りましたが、マスメディアの関心はもっぱら「誰が多数を占めるか」という数合わせに集中しています。本来なら、「これからどんな政策をとるのか」という骨太の政策論争が前面に出ていなくてはならない時機ですが、マスメディアは政策や日本のあるべき戦略には無関心です。ここにこそ、メディアの劣化があらわれ、日本の不幸のひとつが凝縮しています。

 今朝の朝日は、「首相、『風』読み攻勢」「菅氏再選なら小沢幹事長なし」と、数合わせに加え次期幹事長ポストという人事問題に触れた典型的な日本型政治記事の作り方です。たしかに、とくに日本人はどっちが勝つか、誰がどのポストとるか、といった井戸端談義風の話題が好きです。

 多くの人は、「日本は何をすべきか」「どちらに針路をとるべきか」、といった戦略問題にはあまり関心を示しません。戦略と政策がわたしたちの生活を左右する問題であることは、頭では理解するのですが、なぜか真剣になれません。

 諸外国からは、「日本は何をしようとしているのか、よく分からない」と見られています。同盟国の関係にあるアメリカですら、「日本の民主党政権は、われわれアメリカとどう付き合おうとしているのか、よく分からない」と戸惑っています。「その点、韓国はすっきりしている」というほどです。李明博・大統領の個人的な資質が好感を持たれているようです。

 日本はなにもアメリカから好感を持たれることが大事ということではありません。大切なことは、「平和国家・日本の作り方、その道筋」を世界に発信することではないでしょうか。マスメディアも、ここにこそ最重点を置いて発信力を発揮してもらいたいものです。もう政局がらみの井戸端談義はいい加減にしてもらいたい。

 今朝の朝日では、ロバート・キャンベル東大大学院教授がインタビューで「政権交代にいたるまでの長い過程があり、日本社会が政権交代に踏み切ったことには、日本に暮らしていて胸が躍る思いでした。だが、現状を見ていると、裏切られた、このざまは何だという思いもある」と率直な気持ちを吐露しています。

 続けて、「日本には現実的に一つ一つの問題を、話し合ってコンセンサスをつくって行動する技がある。むしろ、政治家の腕を試すにはいいチャンスです。日本もこの機会に、本当に機能する民主主義をつくっていくべきだと思います」とも。

 キャンベルさんには、新聞のあり方をどう見ているか、も聞いてみたいものです。



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