-南の島の居酒屋で-
沖縄料理の「スクガラス」は、近縁のシモフリアイゴやアミアイゴ S. spinus を主としたアイゴ類の稚魚(スク、シュク)を塩辛にしたもので、豆腐に乗せるなどして食べる。
Wiki: アイゴ
■オバマ大統領「米中が21世紀を形成」 *1
21世紀は150年にわたる日本近代うたかた(バブル)の総収縮の時代になる。米中が経済規模で世界の1位、2位になるので、その影響力から日本は逃れられないのは当然としても (拙記事: 米中に挟撃され没落する日本中産階級) 、「米中が21世紀を形成」、すなわち、21世紀の世界はオレたちが仕切るぜ!ということだ。インドやヨーロッパは米中が世界の1位、2位の影響力を及ぼすことはともかく、21世紀の世界を形成するということには同意しないだろう。
一方、米中の谷間の日本は、虎狼に入口、出口をふさがれ、あとは食われるのみ。
■米中って似た者同士だと思う。厚かましい。国内に事実上の「奴隷」がいる超格差社会。米国のワーキングプア、中国の下層民。中国の金持ちは世界一の金持ちだ。一方、国家の最高指導者が、最高の"頭脳"と最高の実力を持っている点も共通。言語能力も高く、頭の回転も早い。これが日本と最もことなる点。だから、米中の首脳って、日本の指導者と会っても話はかみ合わないし、言ってることもはっきりしないし、実権がないのでものごとが決まらないし、いやなんだと思う。(1970年のニクソン-佐藤日米首脳会談とその後の対応で、ニクソンは"だまされた"と思ったらしい。参考ブログ記事 これを解決したのが「スジ論だけではだめだ」の「政治家」角栄。参考サイト)
■50年後に南の島々の帰属がどうなっているかなんてわからない。沖縄諸島が東京政府の完全実効支配になったのは高々150年あまり前。江戸時代琉球王朝は朝貢していた。"エリート"はマンダリンを話せたはず。江戸時代のシナ・日本二重支配が、大日本帝国時代の日本単独支配を経て、米国・日本の二重支配に戦後変わった。今も事実上そうである。
【取引する米中】将来ありうるのが、米国の中国への沖縄移譲。米国の国力は今後衰退し、中国は興隆するだろう。中国の戦略は米国債券を買い、かつ戦略核を備え、踏み倒されない対米金貸しとして太平洋に伸長すること。ちなみに、踏み倒されないような軍事担保がないのに米国債券を買いこんでいる、買わされているのが日本にほかならない。
現在、米中最前線は沖縄列島にある。これを中国は突破したい。
中国、露骨な野心 「太平洋分割管理」提案*2
米国ももちろん突破はされたくないが、自国の経済事情、国力事情で、戦争を覚悟してまで、沖縄を守れない。逆に言うと米国は米中全面戦争を避けるという合理的理由で沖縄を放棄。これは米中のバランスを取るという国際政治上合理的な選択としてなされるところがポイント。 なお、同紙は情報機関を含む米政府内の親中派内でこの提案に前向きな姿勢を示す向きもあったとしている。とのこと(*2の記事より)
そのころは日本本土もばんばん中国資本に買われてしまっているだろうし、政権党も親中派の可能性。なにせ勝ち馬に乗ること/長いものに巻かれろ (バンドワゴニング) だけが得意の日本人だから。
■サミュエル・ハンチントンは1998年に書いた(『文明の衝突と21世紀の日本』Amazon);
中国の台頭は日本にとっては大きな難題で、日本はバランシングとバンドワゴニングのいずれかの戦略をとるべきか、意見が大きく割れている。なんらかの交換条件、たとえば中国の政治的・軍事的優位を認めるかわりに、経済問題での日本の優位を認めさせるなどして、中国に順応しようとするべきだろうか?
あるいは日米同盟に新しい意味と活力を与えて、中国とのあいだに均衡を保ち、中国を封じ込めるための提携の核となるべきか?中国からなんらかの侵略があった場合に備えて、自国の軍備拡張を試みるべきか?おそらく日本は、この問題にたいするはっきりした結論をできるだけ先送りするだろう。
中国との勢力バランスを保ち、封じ込めるための意味ある試みの核になるのは、日米軍事同盟しかないだろう。時間はかかっても、日本がこの目標にそって同盟関係を見直すことは考えられる。日本がそうするためには、次の点で自信をもてるかによる。
①アメリカが世界で唯一の超大国でありつづけ、世界の問題に積極的に指導力を発揮しつづけられるか。
②アジアにおける軍事的プレゼンスおよび影響力を広げようとする中国と戦うことをアメリカは確約するか。
③膨大な資源という擬制を払うことなく、戦争という大きな危険なしに、アメリカと日本に中国を封じ込める力があるか。
アメリカがはっきりした決意も公約もしめしていないし、その可能性も低いので、日本は中国に順応することになるだろう。(以下略)
今となっては、はっきりした。①、②、③すべての条件が崩れた。①は金融危機、②、③の路線はオバマ米国大統領が正式に放棄。それどころか、米中が21世紀を形成、である。
まな板の上の鯛、ならぬ豆腐の上のちいさきスクガラスに、日本の命運を見た。
*1
オバマ大統領「米中が21世紀を形成」
【ワシントン=黒瀬悦成、岡田章裕】オバマ米大統領は、27日にワシントンで始まった「米中戦略・経済対話」で演説し、「米中関係が21世紀を形作る」と述べ、中国を世界的課題への対処で共に主導的役割を担う「パートナー」と位置づけた。
大統領は、中国の思想家、孟子の「人が通らない山道は、たちまち雑草に覆われる」との言葉を引用し、対話による相互不信の一掃と米中関係の深化の重要性を強調した。米中が共通利益を追求することで、「米中両国民が恩恵を受けるのに加え、世界はより良くなる」との認識も示し、中国重視の姿勢を鮮明にした。
この日の協議では、世界的な景気後退からの脱却を図るため、両国が経済構造改革を進めることで一致した。中国は輸出に依存した成長モデルを改め、内需拡大に取り組むことを確認。米国は財政の健全化を進めることを約束した。中国は8000億ドルを超える米国債を保有しており、「巨額の米財政赤字は、インフレによるドル下落につながりかねない」として、ドル価値の維持を強く要請した。
安全保障分野では、核不拡散問題を中心に協議し、北朝鮮の不可逆的かつ検証可能な核放棄に向け、6か国協議を再開する方策などについて話し合った。
対話は28日も行われ、経済構造改革の実現に向けた今後数年間の工程表を盛り込んだ共同宣言を発表する。
(2009年7月28日11時59分 読売新聞)
*2
中国、露骨な野心 「太平洋分割管理」提案
2008.3.12 23:05
このニュースのトピックス:米国
【ワシントン=山本秀也】米太平洋軍(司令部ホノルル)のキーティング司令官(海軍大将)は11日、昨年5月に中国を訪問した際、会談した中国海軍幹部から、ハワイを基点として米中が太平洋の東西を「分割管理」する構想を提案されたことを明らかにした。上院軍事委員会の公聴会で証言した。同司令官はこの「戦略構想」について、「中国は影響が及ぶ範囲の拡大を欲している」として警戒感を示した。
キーティング司令官によると、この海軍幹部は、「われわれ(中国)が航空母艦を保有した場合」として、ハワイ以東を米国が、ハワイ以西を中国が管理することで、「合意を図れないか」と打診したという。
同司令官は「冗談だとしても、人民解放軍の戦略構想を示すものだ」との解釈を示し、中国の軍事、対外政策について「きわめて注意深く監視している」と語った。また、これまでの米中軍事交流が米側の期待を裏切るものだったことを報告。不透明な国防費の実態に対する不満も述べ、「とてもクラブで一杯飲もうという関係ではない」と語った。
中国軍幹部による太平洋の東西分割提案は、昨年8月に米紙ワシントン・タイムズが米軍関係者の話として報じていた。米側は提案を拒絶したとしているが、同紙は情報機関を含む米政府内の親中派内でこの提案に前向きな姿勢を示す向きもあったとしている。
中国海軍は、原潜を含む潜水艦の活動をここ数年、日本や台湾、米領グアムの近海など西太平洋海域で活発化させていた。「ハワイ以西」との線引きは、中国が従来の国防圏としていた沖縄以西を大きく踏み出す野心的な構想といえる。
キーティング司令官は提案者を明らかにしていないが、司令官就任後初の訪中だった昨年5月には、中国海軍では呉勝利司令官と会談している。