いか@ 筑豊境 寓 『看猫録』

Across a Death Valley with my own Distilled Resentment

アトピー噴出

2009年04月05日 16時52分55秒 | その他
 - - 主に成人のだが、アトピーというものを観察していると、ふしぎな病いだなあと思う。これは皮膚病が目に見えるので、精神科診察の合間にいやでも目に入るからだろうか。

(略)「アトピーは自己破壊疾病だ」といわれる一面がたしかにありそうに思えた。彼はその後、皮膚科の治療を再開し、多少の改善があったが、家族への無理難題と暴力、社会へのいやがらせは止まなかった。彼はある時いった、「身体のアトピーは治っても心のアトピーは治りません」。名セリフである。彼はまさに自分の過去の心の傷のかさぶたを日々ひんめくりかきむしっているのだ。私も彼の「心のアトピー」は治せなかった。 - -

中井久夫『精神科医がものを書くとき [I]』、”隣の病”


 

■2月末に、20年以上ぶりに突然アトピー性皮膚炎が勃発し、その規模は生まれて最大である。同時多発の箇所は上記の図のごとし。今日現在ピークは過ぎたらしく、このまま引いてくれることを願うばかりである。

子供のころから湿疹が激しく、主に腕のの関節部分。当時「アトピー皮膚炎」という言葉は、おいらは聞いたことはなかった。フルコートを常用していた。

成人すると、アトピー性皮膚炎の特徴らしく、なんとなく治ってしまった。成人してからはいわゆる乾燥型のアトピーが首まわりにたまに出たりしたが、そうひどいものではなかった。

それが突然この早春に勃発。原因はわからない。アトピー性皮膚炎は免疫系の病気で、外部からのアレルゲンに反応して生じるとされている。そのアレルゲンがなんであるかはわからない。

考え込むほどアトピーがひどくなったのは、ネットが発達して以来(1996年以降)初めてなので、今回ネットでいろいろアトピー性皮膚炎について調べた。アトピー経験を書いたサイトが多く、非常に考えさせられた。

 →アトピーを3ヶ月で治す方法

 →アトピーの小径

でも、やはりアトピーの治療は混乱している。おいらは子供の頃悟ったように「この湿疹体質(アトピー)は治らない。うまくつきあうのみ。」というのが、今回も達した結論。

病院へは行きました。処方された薬は、保湿剤(ビーソフテン軟膏)、合成副腎皮質ホルモン剤(マイザー軟膏、キンダベート軟膏)、そして内服薬(エピオナジン)。内服薬があるというのが昔との違いです。その病院はステロイドを使うことを表明している病院です。おいらも塗り薬にはちょっと抵抗があったので、2週間分の薬でしたが、塗り薬は1/4も使わなかったです。やはり、アトピー性皮膚炎は自然治癒力で治ると思います。しかし、アレルゲンがあれば湿疹は再発するのでしょう。今回のおいらもこの1回で引いてほしいです。

■でも、アトピーの原因の複雑さは上記引用にあるように精神科関連疾病との関わり。表題の”隣の病(となりのやまい)”とは中井の専門の精神科の隣の疾病という意味。もちろん印象論であり、相関性はるかもしれないが、因果関係であるかはもちろん不明。

■精神科関連疾病とはいわないが、免疫系の病気には自己免疫疾患というのがある。本来は細菌・ウイルスや腫瘍などの自己と異なる異物を認識し排除するための役割を持つ免疫系が、自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患の総称。アトピー性皮膚炎はこの自己免疫疾患でないとされている。が、おいらは自分の皮膚炎の発症は「自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうこと」が原因と思ってしまう。今回、何か特定の有害物質を摂取した気もしないから。そして、メンタルな点でなにかあったわけでもない。子供の頃の湿疹は、アトピー性皮膚炎という診断名はなかったが、自家中毒という今はなくなった言葉で"診断"されていたように思う。

■これも全くの経験論、印象論なのだが、おいらは風邪をめったにひかない、3-5年に1回くらい、ので免疫力は強いと勝手に思っている。なので、おいらの免疫性のアトピー性皮膚炎はこの免疫力の暴走なのではないかと空想している。

▼免疫というのは隠喩を喚起しやすい。つまりは異に対する反応、そしてその反応が暴走すると正常な全体を破壊するという特徴。全然話が飛ぶが、検察に関する次の記述;

師匠にあたる小林芳郎や、武富済、小原直らは葉隠の思想の体現者のごとく、政治家が今にいなくなり、政府がじきに成り立たなくなるとの批判が出るまで政治汚職追及に厳しかった。  ウイキペディア 塩野季彦

という行で、 自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応し攻撃を加えてしまうことで症状を来す疾患を思い出してしまった。

▼それで、おいらの「こころのアトピー」は、こころあたりもあるし、闇の中でもあり、というところです。「自分の過去の心の傷のかさぶたを日々ひんめくりかきむしる」とはルサンチマンに身を焦がすことの隠喩に他ならない。「家族への無理難題と暴力」はしていませんが、「社会へのいやがらせ」といえばこのブログの『誹謗・中傷・ぐち』でしょうか?