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■女系天皇容認の動きは固まったらしい。これだと「尊皇教条派・正統派」にとっては、皇統廃絶、ということになる。つまり、「尊皇教条派・正統派」にとっては、正統性のない皇室が出現する可能性が大きくなったということである。
■宮台真司センセが「玉を取り」に出たそうだ。「玉を取る」とは天皇を確保して自分の正統性の根拠として、覇権を確立することである。
宮台の転向。
先例は西郷隆盛。宮台はこういう「玉を取る」を「田吾作の天皇利用」と罵倒し、自分は違う戦略といいたいようではあるが。この宮台の動きの背景は、「文化左翼」への対抗にあわせて、<へたれ右翼>の跋扈への対処である。 最新刊、 『限界の思考』 より。 <へたれ右翼>とはネット右翼で代表されるように、まんが的にいうと、支那人やコリアンを低くみること、あるいは罵倒することを以って自分の存在を確かなものにする人々である。<彼ら>の一部はサピオを読み、西尾幹二に心酔する。小林よしのりの最初の『戦争論』にも狂喜したであろう。<彼ら>の特徴は、①政府の言うことをきかない物=非国民、というセンスであり、②小林よしのりの『戦争論』(一作目)が典型的だが、皇室への言及がない・皇室をよくわかってない・そもそも皇室への親和がない(これは反皇室という意味ではない)。皇室に無頓着という意味である。
■これは、きちんと理論化すると、「天皇抜きのナショナリズム」(福田和也)とも言える。一方、宮台は、この「反中・反韓的ナショナリズム」(<へたれ右翼>)と「尊皇的ナショナリズム」の差異に目をつけ、<へたれ右翼>に、「おまえたちの考えている天皇は、本当の天皇ではないんだぞ。おれは本当の天皇を知っている」という戦略をとるらしい。