alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

パリのしあわせ

2011年06月19日 | フランスへの道

 最近はもうすぐ帰るしいろんな人と
話もしたいしと沢山の人に会いながら
うーん私どうしたいんだろ 何をしたいんだろと
考えたりして そんなにまでしてパリなんだろうか
日本食ないと生きられないくせに と 毎日のように思う。


 それでも今日 この滞在ではじめて美術館に行かせてもらって
なんだか本当に久しぶりに絵をみて立ちつくしてしまい
あーこんな経験ができるパリっていいよなあと思わされる。


 思えばはじめはカフェにも行けず、息子とカフェに
行くことをがんばってみようと決意して それから
何度もカフェに通えるようになったから 今では
息子とカフェのカウンターに行ったり テラスに座って
ショコラを飲んだり それがなんだか普通になって


 そうかつて できなかったことが
 そのうちできるようになっている


 今日ははじめて美術館に行って もう難かしすぎて
わからない!!と10年間思っていた展覧会の
解説を なんとなく読むことができて驚いた。
あー私 毎日翻訳やっていたから だいぶわかるように
なったのかなあ?かくいう私は 留学から帰ったばかりの時に
フランス語を読む授業をとって 何がかいてあるのか
さっぱりわからず フランス人の先生に「あなたパリで
一体何を勉強してきたんですか?」と大いに嫌味を言われて
とてもショックを受けたことがある。つまり 私にとっては
この「読む」という力は「留学したから」じゃなくって
日本でなんとか獲得してったものなんだ


 そう それは カフェの本を読んでいたからで
それらのことを知るたびに 少しずつ芸術に触れ
文学に触れ いろんな名前を覚えていった。
昔住んでたときにはよくポンピドゥに知り合いの人がいて
ただで行かせてもらってたけど 彼に「フォーブって知ってる?」
といわれても「知らない」「ブラックって知ってる?」「知らない」
その繰り返しだった留学時代。今ではだいぶよくわかる。
そして今日オランジェリーの美術館で はじめて未来派の
人の展覧会をみて そこにはなんとポール・フォールという
モンパルナスのカフェで詩のつどいをはじめた偉人に
捧げられた絵がかざってあって なんとその絵には
彼が創刊した雑誌が切り抜いて貼られてた。


 私は本当に嬉しくなった。だってそんな名前だなんて
もう何年も前から知っていたけど そういえばシュールレアリストの
雑誌だったりも 名前は知っているけれど実物を目にしたことはない。
絵だってなかなかみられないのに 今日はその時代の雑誌の表紙を
目にして その絵にはポール・フォールの名刺やら
雑誌に詩を掲載した人たちの名前が書かれた目次も貼ってあり
その名前を逐一目にして行くと わー あの人もこの人も!
あ これはサルモンの先輩詩人だ そうそして今日その先輩が
語ってたブラッスリー・バルザールにはじめて私は行ったのだ!とか
なんだかとっても嬉しくなった。その時代のことになる と
私はなんだか友達みたいで あの人もこの人も と
彼らのことをもっと知れるのがなんだかとてもうれしいみたい。



 オランジェリーははじめて行ってみたのだけど
モネだけじゃなくって 私の大好きなアルフレッド・
シスレーの息をのむような風景画とか 絵の前から
動けなくなってしまうようなセザンヌの絵とか 
たくさんのマティスやピカソ、それにはじめて
目にした大量のスーチンの絵に 本物のユトリロもある。
モンマルトルの絵だなんて かつて京都の児童館の階段に
飾られていた そんな絵を息子とみながら
「あれがねえ パリなんだよー」と遠いなあと思って
見ていたの に 今目の前にはユトリロがあり
息子とは蒸気機関車バスでモンマルトルを探検できた
(カフェも2人で3回くらい行って来た)
なんだかそれってすごいなあ。
ちなみにここにはマリーローランサンの絵と
アンリ・ルソーとモディリアーニの絵もあって
1900年代から20年代に興味がある人には
もってこいの場所だった!!


 というわけで パリってやっぱりすごいなあ
だって本物がこんなに大量に存在してて
だけど入場料は展覧会含めて千円くらいで
かつ18歳以下は無料らしい!!
それからプレスは無料なんだそうな
うちの代表はめちゃかっこいい「プレス」
カードをもっていて それがあると
いろんなところがプレスのパスで入れるらしい
私もいつか欲しいなあ


 私はまた ここに戻ってくるのだろうか
それはしあわせなことなのだろうか
パリのカフェに行けるのならば?
そこに友達がいるのなら?もっとフランス語が読めたなら?
まだ私にははっきりとはわからないけど
帰ったらまた ここにしかなかった何かがわかるのだろう
幸せって何なのか なんだかいまいちわからないけど
今日は本当にうれしくなった 美しいものと美味しいものが
日常にある そんな生活ができたらなあ


 


最新の画像もっと見る