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パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

日本の「空気」

2012年01月21日 | 福島見聞録


 東京に戻って来てからだいぶもう時間もたって
いい加減元にもどりたい と思うけど
いろんな努力をしてみても 気づけば頭はつい
福島に行って考えたことをまたぐるぐると考えていて
本当にどうしたらいいのかわからない。


 今朝だったか 新聞をぱらりとめくっていたら
福島県の復興のための特別な法案が通ったそうで
福島の観光のために、普段は外国人向けには
通訳案内士の資格がないとガイドができないのに
資格なしでもガイドができるようにするだとか。


 そりゃ観光客が少なくて困っているのはわかるけど、、、


 「県も国も産業、経済のことしか考えてない。
人の命をなんだと思ってるんだ!」と女の人たちは怒ってた。
「県も国も 事を小さくみせよう 小さくみせようと
することにばかりやっきになって 人のことは考えてない」
そうしてもう「除染もしたから大丈夫」って 


 この国には国際感覚が本当に欠けているんじゃないだろうか?
誰がそんなことを信じるだろう?私のまわりの日本が大好きな
フランス人たちの中、事故の後に日本に来たのは一人しかまだいない。
フランス人ジャーナリストが福島に来たのも相当な反対を
押し切って、それでもどうしてもやらせてほしい!との想いで
やってきた。そうでない人は 例え日本が好きであっても
なかなか東京にさえ来てくれないし それより北に 足をのばそうと
かつての様な気にはならない。なのに福島県だけが
「何事もなかった」かのように装ってみても
これからいろんな事実が暴かれて行く。
おそらく市民の手によって 英語が使える人たちや
語学が使える人たちは 今度は私たちがなんとかして
言葉を使って 世界にこの状況を伝える番だと思ってる。
そしてもし日本という国がこの一年間一体何をしていたか
世界にしっかり伝わったのなら その時世界の世論も怒るだろう。
そうなったら私は日本はもう経済どころじゃないと思う。


 国 というのは何なのだろう?
国会議員や官僚というのになる人たちは どんな想いで
それを目指しているのだろう?多少なりともこの国を
よくしたいという想いがあって運営してくれていないのだろうか?
私にはそういった知りあいもほとんどいないから
全然わからないけれど あの日最後にソフィーと見ていた
蛍光灯の光が怪しく光る 霞ヶ関のビルの中 にいる人たちや
国会にいる人たちは 何を考えているのだろう?
(ちなみに経済産業省前では福島関係の人たちが
10月10日の座り込みと題してテントを張って座り込みを
しています。中にはコタツもあってなんだか京大っぽかったです)

 私には今だによくわからない
どうして爆発の直後日本には たいそうな情報はなかったのに
やたら外国には情報があふれていたのか どうして
アメリカ政府は80キロ圏内に避難指示を出し
フランス政府は東京以北のフランス人たちに
帰国勧告を出したのか。どうして4月になっても
やたらとフランスには福島の情報があふれていたのか
それは誰か どうやって 伝えていたのか
どうして可能だったのか 私にはそんな仕組みはしるよしもない。


 でも今回ジャーナリストの通訳をさせてもらって
少なくともわかったことは この日本という日本語の国において
堪能に日本語を操れて 記者会見や何やらで 話をしている
日本語を 同時通訳で訳せるような外国人記者というのは
まれだということ。つまりそこには通訳であり それが何を意味するかを
わかってきちんと伝える誰かも必要になるということ
どんなに母国で腕のいい記者であっても 日本には日本語という
壁があるから 誰かがおそらく 日本語であった情報を
訳して伝えて行ったのだろう。ならば今後も 東電や政府が
嘘をつきとおしていくのなら 本当のことを日本人が知らなかったら
フランスのメディアが突然「本当のこと」を教えてくれることもないのだろう
フランスにいても「予測」はもちろん可能だろうけれど。


 世の中には 人の知らない情報をきちんと握っている人がいる。
お医者さんだってそうじゃないか。なんのために
私たちは 書きたくもない個人的な情報を
毎回嫌な気分になって 全て彼らに書いて渡しているのだろう?
だったらちょっとはそれを活かして統計くらいとって教えてくれても
いいではないか?日本ではどんなことが起こっているのか
そしてそれは何と関連づけれられるのか。それは難しくて
一般の人には到底理解できないような専門用語だらけの学会だけでなく
もっと市民に開かれてたっていいではないか。放射能のことだって
原発のあった福島県の人たちも 原発のある国に住んでいた
日本に住む人たちのほとんども 何も知らないで生きていた。
私たちだってリスクを犯したり 言いたくもないことを言ったり
税金をおさめたりしてるのだから もう少しちゃんと
本当のことを教えてほしい。役に立たない、いい成績のためだけの
面白くもない勉強じゃなく 本当に生きて行くのに大事な情報、
大事な研究 それがあると どういうことが起こりうるのか
それにはどういうリスクがあるのか 日本では めちゃくちゃ
勉強させるくせに ものすごい時間を受験勉強に費やすくせに
生きるために必要なことに関しては ほとんど教えてもらえない。


 福島 で 耳にしたいろんな話は奥深い。
沢山の問題が絡みすぎていると思う。原発や放射能だけでなく
教育や日本的な生き方だとか、女性の働きにくさであるとか
あまりにいろんな問題がぎっちり絡み合っていて 何からだったら
ほどくことができそうなのか 私にはさっぱりわからないけど
もしフランスに行ったなら 私は日本とは全然違っていそうに見える
フランスの教育を学びたい。(でもやっぱり根本にあるのは
他人の目を気にする生き方、「空気」に合わせる生き方、
ちょっと違うことを思っていてもそれを決して口に出せないという
「日本の空気」が一番の根本にあるのではないかと思います)

フランスに行くなら

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