alternativeway

パリ、カフェ、子育て、サードプレイス、
新たな時代を感じるものなどに関して
徒然なるままに自分の想いを綴っています。

カフェ的対話が何かを変える? Cafeから時代は創られる、できました

2012年01月24日 | カフェと社会変革

 1月からすっかり福島モードになっていて
他のことがかなりおろそかになっていたけど
本当は そう、拙著『caféから時代は創られる』の
第3版が完成したのです(しかも年末には家に届いてた)


 カフェ、、ねえ、、、と
頭が福島のことでいっぱいになっている時は
自分のやってきたことまでも疑りたくなってしまうけど
いやいや、そんなはずはない。きっとそんなはずはなくって
カフェ的な対話というのや カフェのような場 というのは
これからの時代 とても大事になると思う。


 例えば福島に こんなカフェがあったなら?
飲み物はみんなミネラルウォーターでつくられていて
柿の葉茶やドクダミ茶とか リンゴとか酵素を使った
メニューのご飯や玄米ご飯とかが色々あって
世界中のメディカルハーブとかエッセンシャルオイルが
集まっていて 気になる症状によって誰かがそれを調合してくれ
カウンターのまわりには沢山の人が なんとなく話をしたくて
集まっている。そこには世界からのジャーナリストも集まっていて
自然と英語の会話もあって もちろんみんな 話しだすと
熱いから 熱い議論が生まれてる。でもただお茶を飲みにきたっていいし
本を読みにきたっていいし 赤ちゃんとのんびりしにきたっていいし
誰かと出会いたくってきたってよくて みんな思い思いに
そこで時を過ごしてて 誰も家で鬱々としていたくないから
その店はいつも人で満ちていて いるだけでなんだか気分がよくなっていく
そこにいったら 福島のことや 新しいエネルギーとか
これからの世界観について 沢山の情報が手に入る、、、


 「福島はね 今パワースポットだと思うんです」と
福島でフリーペーパーを作っている人が私に向かってそう言った。
え、本当??と思いはしたけど なんだかよくわからないけど
魅力がある それは確かなことだと思う。そしてこれから
また沢山の人がそこにやってくるだろう。本当のことを知りたくて
現実の福島を知りたくて。だからこそもし 可能であったら
福島にそんな情報が集まっていて 不安なことや 気になることを
ちょっと誰かと話していたい そんな人たちが集まるカフェ的な場が
あったらきっと いいだろうと思うのだけれど
外部から来る人たちにとってみても、、、


 そんなカフェ は 福島だけじゃなくって
これからいろんなところで必要になってくるんじゃないのかな
彼女は「仮面」についての話もしてた。仮面があるから
本当は 本心では 怖いとか そんなの嫌だと思っていても
県の誰々さんだとか、八百屋の誰々さんという「仮面」を
かぶった自分になると とてもそんなことが言えなくなると。
だから居酒屋に居るとき以外 いっつも仮面をかぶってしまうような
日本でこそ カフェみたいに 仮面をはずして 誰でもなくて
ただのそこで出会った個人みたいな感じで ぽろっと本音の
話ができる そんな場所が大切なんじゃないのかな?


 私たち は あまりに仮面を長いこと かぶっていたから
仮面が顔に張り付きすぎて 脱ぎ方すら忘れてしまったかもしれない
いつから仮面が張り付いていたのかすらも 記憶にはないのかもしれない
それらは他人にむけて作られた顔で 「こうでなければならない」という
顔だった。でも本当は どこか遠くにやられてしまった 自分というのも
いたはずだった。本当は 歌うのが好きで 本当はちょっと恐がりで
本当はそんなことはしたくなくって 本当は、、、


 カフェには建前は必要がない。カフェには仮面は必要ない。
カフェは昔から 社会的身分から解放される場所だった。
あなたがたとえ社長でも 隣に座った私とせいぜい同等の権利しかない
そんな場所がカフェだった。そこで社会的身分を気にせず
ぽろっと口に出した言葉が 本当は的を射ているかもしれない。

 カフェにはいろんな役割がある。住環境が悪かったとき
人々が集ったのもカフェだった。みんながそこで時を過ごせば
家で暖房を使わないでいられるし 誰かがいるから
なんとなく寂しさから逃れられるし でも好きなことはやっていられる
それにカフェでは干渉されることもないから 「一人でいたいと
欲しながらも 誰かがいないと生きられない人たち」にとっては
格好の場所だった。そんな場所 は 不安な時代にこそ
必要とされていると思う。カフェが本当に力をもって不思議な
魅力を放ち始めていた時代 は たいてい戦時下だったから。


 不安なときは 誰かと一緒にいたいと思う
家で一人でテレビを見るより 誰かとそれを見て
誰かと意見を交わしていたい そこにお茶があったなら
それだけでほっとするだろう。私は震災直後にどうしていいか
わからずに 堪え難い想いを吐き出したくて京都中のカフェを
廻った。でもどこにいっても「ここだ」とは思えなかった。
そして最後に 確かもう航空券をとることに決めていた夜
カフェで開催されてた日仏交流会に行き ああここだけは
不安や放射能やいろんなことについて 思ったことを口にできて
みんなでそれを話していられる それがやっぱりフランス風のカフェなんだ
だから私はフランスに行こう と その時は確信してしまったのだけど


 そんな時 に 誰かに想いを打ち明けられる
ちょっとでも聞いてくれる人が居る カウンターにいた隣の人と
少しでも意見を交わして不安な時を共有できる そのうち
ドキドキしてた気持ちがいやされて「じゃあいってきます!」に変わってく
そんな場 が カフェだと思う。そんな場は 結局のところ
なかなか存在しないけど 日本にもっと増えてほしい。

 『cafeから時代は創られる』これはパリの昔のお話ですが
カフェという場のもつ魅力、力づよさ、社会的役割について
考察、力説している本です。現代にも活かすことはもちろんできると思います。
また増刷しましたので興味のある方はご注文ください。
アマゾンでもそのうち注文できるようになると思いますが
お早めにという方はalternativeway@mac.comまでお願いします。
送料込みで2900円でお送りします。
(ちなみに東京 西国分寺のクルミドコーヒーさんでも購入可能です)


言葉にならない物語

2012年01月24日 | 福島見聞録


 なんだか不思議な夢を見た。

 
 それはどこかの アパートかマンションの何階か で
そこの入り口には大きな焙煎機が置いてあり
そこがその空間の入り口になっていた。どうやらその先は
カフェのような NPO活動を支える部屋のようになっていて
でも原型としてはカフェらしい。そこを運営している
彼女が話をしていた「このカフェが昔どこどこにあったころ、、、」
「あーあのやたら行きにくい場所にあったころ、、、!」



 それとはおそらく違うカフェ で 今度はまた別の人たち
「誰々が違うカフェで働いていたころ、、、それは14年前のこと、、、」
なんだかもうよく覚えてないけど なぜだか私はハッと起き
パソコンの前に向かってる。それはどうしてなのだろう。



 福島のことがあまりに頭に強烈に残り
けれどもこのままでは自分の生活が破綻しそうなほど
頭が苦しくなっているのがわかって どうにか
元の生活やカフェなんかというものと それらを
関連づけられないか 考えていたのだろう。
考えることはなるべくやめよう そう思ってはいたものの
ふとした瞬間誰かの言葉がよみがえる。
「福島のことを 忘れないでくださいね、、、」
そう言った あの人たちは 今もあそこで生きている。
あのやたらと切なくキラキラとしたイルミネーションの光るあの街に。
きっとまた 今でも雪が舞ってるであろう 触れない雪が舞うあの街に。



 カフェ と 福島を考えた時
もちろん福島市にカフェ的な場があればすばらしいのにと思うけど
誰もが来れて 誰もが思い思いに自分の気持や意見を話せて
それが喧嘩になったり誰かとの仲がこじれたりするんじゃなくって
ちょっと自分の気持が言えて ただ店主にうんうん そうだよね
と聞いてもらえる そんな場があったらいい そしてなるべく
飲み物はミネラルウォーターを使ってしかも 身体から放射能を
出すような飲み物とかで でもセンスがよくて誰でも来やすい
そんなカフェ的な ほっとできる場 屋内施設があったなら
そりゃあいいだろうとは思う(西日本からの野菜を扱う
野菜カフェはもる というお店がそのうちカフェをするらしいけれど
そんな拠点がいくつかあったら福島の外から来る人たちにも
とてもいいと思う。ジャーナリストたちも含めて)


 でもそれとはまた別のこととして 
私が個人的 に カフェというテーマと今回行ってみて話を聞いた
福島というので もしかして共通なのかもと思うテーマは
大切なのに こぼれおちてしまう 沢山の物語が紡がれていることかもしれない。


 カフェには無数の物語 が 存在している
それはたった1日の 台風の日の出会いかもしれない。
電車が止まって足止めをくらい 仕方がないから時間を潰したカフェで
出会って時間を聞いていた おじさんとの ささやかな交流かもしれない。
なんだかそこが そこだけが 外の激しい風雨から身を守ってくれる
なんだかノアの箱船みたい と思ったのは 私だけではなかったかもしれない
あの木の空間に身を守られているような感覚だとか 話をするわけじゃないけど
なんとなく このカフェで電車待ちという連帯感を抱えてるような
そんな気になったのは ただの錯覚じゃないかもしれない。


 たまたま仕事の終わったあとで なんとなく
もう少しその場にいたいという そんな気持ちで
ご飯を食べてみることにして そうしたらそのカフェの中を
何時間も転々としてる人に出会って 彼女の話を聞いてしまって
ただの偶然の出会いだというのに なんだか苦しみをわかちあい
同じく本を書くために そしてどこかその先へ向かうため に
今抱えている苦しみを 乗り越えられるといいですね と言い合ったこと
そしたら彼女が 1ヶ月くらいしてみたら その苦しくて
乗り越えられなかったという先のエジプトに また行ってみることにしたということ
そうしてなんだか偶然にも 彼女の出国前にまた少し出会えたことだとか


 カフェには無数の 記録されない物語 が 存在してる。


 私はそれを書くために 何かを書いているのだろうか。


 世の中には 本流の歴史があって 報道されるニュースがある。


 だけどそれらの横でたくさん 大きなニュースには決してならない
だけど誰かにとって大事な なかなかつむがれることのない
小さな物語が進行している。それらは時に感動的で 時に
とても胸を打ち ときに人生に深い刻印を残したりするけれど
それらは名もなき出来事だ。


 でもバタフライの羽ばたきが どこかで大きな風になるように
小さな誰かの「名もなき誰か」の一言が 大きなうねりにつながっていく
そんなことってあるんじゃないか。私にはまだ あの居酒屋で
あまりに寒そうで簡素なつくりで 入る事をためらったあの
雪の日の居酒屋で 結局素敵に歓迎されて 最後は
みんなでオーシャンゼリゼを合唱し そうしてそこにいた
ほぼ全員で 語り合った 福島についての会話というのが
私には忘れられそうにない。彼らはとても率直だった たくさんの
想いがぶつかりあっていた。どうしようもない状況の中
誰もが笑顔を忘れなかった。なんだかそれはとても明るく
でもなんだか切ない そして切ない希望を一人のフランス人ジャーナリストの
胸に託した そんななんとも言えない夜だった。


 「日本からはもう日本は変えられません。ねえお姉さん、言ってやってよ
この人に。日本は黒船の国なんだって。海外から圧力を
かけないと日本は変われないんだって」
この1年 さんざんいろんなことをやってきて 沢山のことに
希望を見いだし さんざん裏切られて来た 福島の人は
最後の希望みたいなものを 海外のメディアに託してた。
それがこれからどうなるのかなんて 誰もわからないけれど
そう 誰にもわからないけれど それもまた バタフライの
羽ばたきのように なってくれたらいいのだれけど。



 こんなにも福島 での 出来事が 胸を打つのは何でだろう?
それはおそらく強いエネルギーがかかっているのもあるけれど
彼らが多分 私が今まで会ったことのないような
率直さ で 自分の持っている想いややるせなさや怒りなんかを
目の前でさらけだしてきたからだろう。多分私は 日本において
そんな経験をあまりしたことがなかったのだろう。
そうだって ここは本音と建前の国だったから。
カフェでは横に座った人たちの本音を耳にすることはあっても
きっとここまでではなかったのだろう。
彼らはまるでタガがはずれたかのように 沢山の気持ちを出して来た
そこに含まれる迷いも怒りもやるせなさも辛い気持ちも
私はやたらとなぜか共感してしまったから 私の通訳にも
熱がこもった。そうそして 私たち2人は ずっと議論を続けてた。


 誰かがこうして 見知らぬ誰かに 想いを打ち明けてくれたこと
そのエネルギーはあまりに強くて 私はそれをどうしたらいいのか
さっぱりわからないけれど そこには沢山の苦悩があって
一人一人の物語 が 決断が 含まれていた
沢山の家族の物語 沢山の つむがれていない物語
書き言葉になっていない物語 それを誰かがつむいでいいのか
何も触れない方がいいのか 私にはよくわからない。
だけど一つだけ言えるのは 私たちが耳にしてきた
偶然出会った沢山の人の話はとても深みがあると思うし
私一人ではなくて 誰かの胸を打つと思う。
そしてそれは きっとバタフライの羽ばたきのように
何かを変えるきっかけとなる そんなぐらいの力をもった
政治家でも運動家でもない名もなき誰かの だけど
本当はそれよりもっと力をもった 一市民の 言葉にならない
本当の声 なんじゃないかと思う。

 

フランスに行くなら

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