アメリカである教会の日曜学校に出席したことがある。神父さんのお話だ。神父さんは、ポケットから二枚のハンカチを出した。一枚は、真新しいハンカチ、もう一枚は汚れて、何回も洗濯を重ねたハンカチである。「罪を犯すと、どんなに洗っても、もとのきれいなハンカチには戻らない。だから罪を犯してはいけない」、そんな話だったと思う。人間は、たくさんの罪を犯す動物だ。大切なことは、そのたびに深く反省して成長していくことだ。僕は、真っ白なハンカチよりも、何回もの汚れを乗り越えて、その度に洗濯されたハンカチが好きだ。たくさんの苦しみを乗り越えてきたハンカチは美しい。僕も、罪深い人間だから。