4年目主将の久我です
男子の春遠征が終わりました。
今回は僕なりに春遠征で感じたこと、感想を書こうと思います
①まずは、連携の大切さ、楽しさ
ボート部は漕手、COXだけではなく、スタッフの努力があって、組織がうまく回る部活。
スタッフやマネージャーが選手のことを考えて練習後の食事を作り、食材の買い出しに行き、食事のタイミングや栄養は漕手の行動に合わせる
そんなことをやるのってプロ選手のサポーターレベルなんじゃないかと思います
漕手はスタッフのお陰で活動することができるし、スタッフは応援する漕手がいることで成り立つ。
どちらも必要な存在ですが、どちらも大変な思いをする
漕手はしんどいメニューをこなして大変な思いをするが、それを応援するスタッフはもっとしんどい。
わかっていても忘れそうになることですよね。
前置き長くなりましたが、遠征始めて2日目に漕手とスタッフの連携の悪さを1年目のスタッフから指摘されました。
本当に優秀です、いつも驚かされます
1年生ながら、先輩にしっかり意見を伝えて、自分から部を変えようとする姿勢
今年の新2.3年目は部の悪いところを諦めるのではなく、自分たちで変えていこうとする人が多いです。
話がそれましたが、それから遠征の夜は必ず毎日30分、スタッフとCOX、クルーキャップを集めて次の日の練習時間、動きの流れ、並べなどのイベントが有ればそれの確認、などなどを行いました。
ただ、明日の予定を確認して、みんなの動きを確かめるだけのミーティングでしたが、僕はこの時間がとても好きでした。
冬練中はオンラインでのコミュニケーションが多かったからかもしれません。
自分の思っていることや、考えていること、確認したいことが一気に確認できる30分のスタッフミーティングがとても有効に働いていたし、シンプルに雑談もして楽しかったです。
茨戸艇庫でもこんな風に話す時間を毎日は厳しくとも週に2〜3回作りたいな。
すごすぎたエッセン時のデザート集。これはもはやエッセンのレベルではない。
焦げてないと書かれてる理由は、、
柳(1)は女子遠征で絶賛奮闘中です。
②他大学を知ること、交流することの楽しさ
今回の遠征では筑波大学、東北大学とsr24指定で並べをさせてもらいました。
両校ともお花見レガッタという大会の前であるにも関わらず、快く引き受けてくださり、本当に感謝しています。
惜しくも中止となってしまいましたが、成蹊大学、東工大の方々にも並べを引き受けてくれて、本当にありがとうございました。
並べが終わった後、両校に挨拶に出向き、写真を撮り、少し談笑しました。
どちらの学校とも話が弾み、とても楽しかったのですが、筑波大学の主将と話したことがとても印象に残っています。
向かって右側が筑波大学、左側が北大
筑波大学は3年前、部員が4人しかいないため、廃部の危機にあったようです。
現在の主将の方は、同期の漕手は彼1人のみで、これまでの3年間ずっと1人で活動してきたとのこと。
僕たちもそうでしたが、3年前はコロナ禍真っ最中で、新人期間は7月末から、シーズンのほとんどをボートを漕げずに過ごしました。
彼もほとんど同じ状況。
また、彼も僕ら同期と同じくボートは大学スタートです。
しかし、現在の筑波大学は2年生、1年生の新歓は成功のようで、部員はたくさんいました。
院生の方もいて、まさに国公立大学!という感じでした。
そして昨年の5月の全日本に彼はペアで出場し、8位に入賞しました。
しかも、彼の相方はボートを始めて6ヶ月、元々陸上部だった方を、勝たせてやる!と言って引き連れたようです
自分はその結果を見た時、筑波って強いなーくらいしか思ってませんでしたが、そんな背景があったとは感動しました。
先輩の方に助けてもらったということも話していましたが、なによりもその方の人を巻き込む力、1から立ち上げる力に驚きました。
尊敬です。
新4年目プラス阿部(新3)と、筑波大学主将、磯野君との一枚
磯野君との談笑の様子
そんなこんなで他大学の方とたくさん交流させて頂きました。
大学生ではありませんが、ありがたいことに立教大学の水谷コーチから、指導を頂いたり、立教大学の漕ぎの考えをお聞きできる機会があり、とても楽しかったです。
新・タンクロー?に挑戦する阿部(新3)
戸田ならではかもしれませんが、一気に様々な大学の事情や、体制、強みを知れて面白かったです。
③縦の繋がりの大切さ
これも今回の遠征では全員強く感じたと思います。
今回の遠征ではコーチと一緒に行くことはできず、オンラインでの技術指導、フィードバックを毎日行うということになっていました。
そこでは練習の方向性、動画を見て、漕ぎがどうかわってるかを指摘。最後の方は漕手がただ自分たちの漕ぎをミーティングするような場になってました
多分勝手に話しすぎました笑
現地でコーチングを行ってくれる方がいない中で、今回は後神さんに非常にお世話になりました
お世話になりすぎました。
後神さんは40歳以上の社会人選手権、シングルスカルで6連覇中の方です。
そのようなすごい方にリグ出艇からエイトに乗って頂き、時にはストサイ、時にはバウサイ、そして最後は補漕として連れて行った金谷(1)とダブルに乗っていただき、マンツーマンで教えてもらいました
また、持久力についての講習会もしていただきました。
この内容については、遠征中のブログに書かれていたはず。非常に分かりやすい説明でした。
それぞれの練習をどのような目的で行うか、再認識することができました。
冬練突入前に聞いていれば、、と思うところですが、引退前に聞けて本当に良かった。
後神さんの講演の様子
こんな感じで、お金が発生してもおかしくないレベルでお世話になりました。
また、山本光俊さん(S62入学)にCOXとして乗って頂き、荒川で出艇しました。
荒川で注意することを聞き、加えてエイトに足りないことも指導して頂きました。
その時は後神さんも乗っていてたので、OBの方が2人エイトに乗っていることは不思議な感覚でしたが、非常に良い経験になりました。
山本さんCOXで荒川乗艇後の写真
川勝さん(S51)も来てくれました!
その後部員のみで荒川出艇しましたが、部員同士で危ない場面を指摘し合い、無事故で練習をすることができました。
山本さんにアドバイスをもらう納谷
そして、合宿中私と吉川(2)はネットワークカメラという機器の見学のため、大室さん(S56入学)と会うことができました。
ネットワークカメラの説明は長くなってしまいそうなので割愛ですが、エルゴのフォームをクルーで統一するために非常に有効なもので、他のスポーツでは既に導入されているようです。
北大の強みの武器に今後なるかも知れないと思うものでした。
その後、大室さん、佐々木さん(S60入学)とご飯を食べることができました。
今の茨水会を仕切ってくれている方々が現役、新トレの時のお話、当時の各大学の印象、今年の着きフォアの感想、などなど話しても話しても話題が尽きず、とても面白かったです。
ネットワークカメラ視察時の様子
4画面に分かれて、エルゴのフォームを様々な角度から見ることができます。
横だけではなく、真上から見て、ズレを防ぐ、ようなことができるかも知れません。
④クルーとしての可能性
僕はこの遠征中、エイトの2番にずっと乗っていました。
最初はみんなの動きはバラバラ、僕自身の漕ぎも全然うまくいかない、明らかに雑、、
練習を繰り返しても中々艇速が上がらず、このままでは並べにならんな、、と思っていました
ただ、クルーとして良かったと思う点は、クルーの問題を個人に固執しなかったことです。
ミーティングでのそれぞれのフィードバックも、動画を見ながら各々の漕ぎを指摘するときも、
「誰が悪いからこうなってる」と言うのではなく、
「こうなっているからクルーとしてここを目指すべき、そのために誰はこうするべき、全体はこうするべき」と常に全員で問題意識を持っていました
阿部(2)は個人の問題と全体の問題を分けて考え、伝えることが本当にうまい。
お恥ずかしい話、今回の2番の漕ぎは動画で見て明らかにオールが抜き上がるのが早かった。
フィニッシュで押せていない、フラットが取れない、
これらの問題はもしかしたら僕1人のせいで起こっていたかも知れません。
久我が直せば、船は良くなる、で話が完結してしまっていたら、クルーとしても、自分としてもあるはずの伸びしろをなくしてしまっていたと思います。
しかし、今回のクルーは全員で狙うポイント、そのために全員がやるべきことを常に意識して、個々人の課題よりも全体の課題を最優先に取り組めていました。
もっと長い期間が有れば個人の問題へのアプローチが必要でしたが、短期間で優先すべきは間違いなくそこではなかった。
そこを1年生が2人乗っているクルーで理解できていたことが、レベル高いかもな、、と思いました
並べの2.3日前の時、後神さんに
「大きく漕げていない、押せている時間が短い。キャッチで水を掴んで、全員で船を運べないと勝負にならない。細かいことはそれから」
と言われた時に、僕たちの覚悟が決まった気がします。
そこからはとにかくキャッチ。ハンズのコンパクトさを狙ってリズムをポーズアットフィニッシュに変え、ハンズとキャッチを全力で狙う。
僕は大室さんから食事をしている時に言われた「杭を打つように押す、固定する」をイメージして押してました。
今までも全員で考える癖をつけていたからこそ、意識が固まった時に、全員でそこに焦点を当てることができました。
迎えた筑波大学との並べは、低レート、中レートともにいつもの練習よりも艇速が信じられないほど上がりました。
並べの力なのか、並べになった瞬間、僕らのクルーは集中力MAXで、別のクルーに乗っているようでした。
負けたくない、見せつけたい、という意地があったかも知れません。
特に僕の前に座っているみずいわ(1)のオール軌道が覚醒してたことが感動でした。
エイトの良い所ですよね。シングルだったらこんなことは起こらないかもなと思いながら漕いでました。
並べ後の東北大との交流
向かって右側が北大、左側が東北大
惜しくも東北大には負けてしまいましたが、僕は今回のエイトの並べに心が躍りました。
今回のクルーはまだまだフルメンバーではない。
本来ストサイのやつがバウサイに乗っていたり、北大ボート部で一番熱い男である安永(2)、スカルのエースである福田(2)も今回は乗っていません。
それは東北大も同じようでした。エイトの難しさですよね。
しかし、そこを言い訳にせず、短期間でここまで成長を見せつけた北大のエイト、北大ボート部という組織は
どこまでも行ける!!!
と思います。
これは僕が好きな元NTT東日本のCOX、佐々野大輝さんのコールです。
後神さんが言ってくれたように、ここからが面白い!
今回の心躍るを更に進化させて、次目指すは「漕快」
漕ぎて、快しとす。
見えてきましたね
夏に向けてグングン成長していくぞ!
桜を撮る僕
座るか迷ってるみずいわ