北大ボートblog

北大ボート部部員によるほぼ定期更新ブログ。

お薬の勉強中

2022-04-16 20:41:34 | 大会
こんにちは、2年目漕手の阿部です。

皆さんはオピオイドをご存知でしょうか。外傷や手術時の痛みなどを軽減するのに使用される鎮痛薬です。鎮痛剤と聞いて多くの人がイメージする作用機序というのは「鎮痛剤によって痛みを受容する場所をブロックする」と言った「人間に備わっていない機能をお薬が補助してくれる」というようなものではないでしょうか。しかし、実はこのオピオイドの作用機序は「元来から人間に備わっている下降性疼痛抑制系を活性化する」というものです。つまり、人間はもともと痛みを感じにくくする経路を持っているけど、普段は抑制されていてるということです。痛みを感じないと危険を察知できないですからね。我々人間にはこのように平常時では実感することはなく眠っている、自分たちが想像する以上の機能を持っているのです。「競技パフォーマンスレベルを上げるためにはリミッターを解除しなければならない」と以前さの部長がおっしゃっておりましたが、これはこのオピオイドと同じだと思っています。普段は生存のためにリミッターon状態で感じる限界というのは、人間の体にとっては限界ではないのです。「ああもう無理」と思ってから頑張ることが大切なのかもしれません。

さて最近は、5月に東京海の森で行われる全日本選手権に向けてM4-に乗って練習を積んでいます。昨年のインカレM8+ではバウサイでしたが、今回はストサイで漕いでいます。なんとなく左腕の方が硬いのと、うまく足と協働できずフォワードがしにくいこともあってか、キャッチでうまくレンジが取れていないことが今の所の課題ですが、なんとか整調の佐々木さん(4)の動きに合わせて、邪魔しないように努めています。また、今までは「入れて押す」という感覚でしたが、UTを積む中で「整調と同じ水を掴む」感覚を掴みかけています。かっちり一緒につかめるとクリアな点の重さなのですが、少しずれるとなんか長くもやっとした重さになります。そしてそのクリアな点の間を艇が通って行くと、ロスが少なく力を伝えられたなあなんて一本一本フィードバックしながら漕いでいます。

また、最近はもっと早くなるために柔軟性と筋力アップに取り組んでいます。

柔軟性というのは股関節周り、足首、首回りです。今年から授業が一限から四限まで毎日埋まってしまい、練習後にストレッチをする時間がないので、学校にマットを持って行って講義棟の廊下でストレッチしたりしています。今までずっとサボっていたのですが、最近柔軟を行うようになってからは疲れが取れやすくなったり、キャッチの姿勢が楽になったり、筋肉の張り具合に敏感になることでその日の筋肉の調子を繊細に感じ取れるようになったりといいことばかりです。

一方で筋力アップについては、いまは試行錯誤の段階にあります。トレーニングによる筋力の増加は、トレーニングに用いた負荷や課題に特異的であると言われています。すなわち、「スクワットをしたなら、トレーニングを実施したのと同じスクワットの動作で最も大きな筋力増加が起こる」ということです。そうなると、ボートを早くするためにウェイトをすることは効果的なのか少し懐疑的になります。また高負荷低回数でレジスタンストレーニングをする方が、低負荷高回数でレジスタンストレー二ングをするより、「高負荷」における筋持久力の増加が顕著であるとされています。ボートは高負荷高回数の競技なので、とりあえず今のところ、乗艇も自転車もエルゴもウェイトも高負荷で強くをメインで取り組んでいます。

以上読んでいただきありがとうございました。
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