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語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】ボアズ・ガノール氏との出会い ~対テロ(1)~

2018年04月20日 | ●佐藤優
 <テロリズムは、現代における主要な脅威だ。新聞、テレビでもテロに関するニュースが報じられない日はない。しかし、テロリズムに関して、包括的に知ることができる書籍は少ない。本書は、私が知るなかで、テロリズムに関して書かれた実用書兼実務書として最も優れている。それは、著者のボアズ・ガノール氏が、IDF(イスラエル国防軍)の空軍インテリジェンス部隊に勤務した時代から、テロリズム研究に従事しているこの分野の国際的な権威だからだ。
 私がガノール氏の名前を初めて聞いたのは、2001年3月のことだった。イスラエルのインテリジェンス専門家から、「近未来にアメリカ本国かその同盟国で、国際テロ組織アルカイダが、奇想天外な方法で大規模なテロを起こすことを警告している学者がいる」と言って、ガノール氏の論文のコピーを渡されたことがある。そして、その6ヵ月後の2001年9月11日にアメリカで同時多発テロ事件が起きた。この事件で国際関係のゲームのルールが大きく変わった。
 私は、9・11事件後、外務省の部下をガノール氏が出席する国際会議に派遣して、情報を収集させた。私は、テルアビブにあるガノール氏が創立した国際カウンター・テロリズム政策研究所(ICT:Inernational Institute for Counter-Tterrorism)と外務省国際情報局(現在は局から格下げされ、国際情報統括官組織に再編)との関係を強化しようと試みたが、2002年1月から吹き荒れた鈴木宗男疑惑の嵐に巻き込まれ、同年5月に私が東京地方検察庁特別捜査本部に逮捕され、外交とインテリジェンスの現場から退くことを余儀なくされたため、実現できなかった。
 2009年6月に有罪が確定し、4年間の執行猶予期間が満了するまで、海外渡航が制限されていた。執行猶予期間が満了した翌年、2014年5月に私はイスラエルを訪問し、元イスラエル情報機関幹部の案内でICTを訪れ、ガノール氏と意見交換をした。この年の5月26日のことだ。このときに本書『カウンター・テロリズム・パズル』にサインを入れて寄贈された。>

□ボアズ・ガノール(佐藤優・監訳、河合洋一郎・訳)『カウンター・テロリズム・パズル 政策決定者への提
言』(並木書房 2018)の冒頭、佐藤優「監訳者のことば--テロリズムに関する実用書兼実務書」の「(1)ボアズ・ガノール氏との出会い」を引用

 【参考】
【佐藤優】「監訳者のことば--テロリズムに関する実用書兼実務書」の目次

 

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