語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【読書余滴】田宮模型の仕事

2010年06月18日 | ノンフィクション
 今や世界にその名をとどろかせている田宮模型株式会社の、創業期から今日にいたるまでが回想される。
 主な製品が紹介されているから、かつて人生の一時期に手にした模型に再会して懐かしく思う人が少なくないだろう。いや、今日の大人にも無縁ではない。たとえばジオラマは、ひとり(元)模型少年/少女のみに独占させておくのはもったいない。
 余談ながら、日本最大のジオラマは、鳥取県立氷ノ山自然ふれあい館響の森にある。面積415平米、容積41.5立方米。

 人々の愛された製品が生みだされたのは、田宮らの寝食を忘れた努力があったからだ。製作における努力に加えて、消費者のニーズを敏感に汲み上げ、新製品へ反映させたからだ。この実例が本書に豊富に紹介されている。

 作るだけでは売れない。売る戦略も必要である。このあたりの事情は、田宮模型の英国総代理店RIKO社の前社長が寄せた思い出、33年間の付き合いの回想で構成される終章に詳しい。

【参考】田宮俊作『田宮模型の仕事』(文春文庫、2000)
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