語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】食が体を作る ~食べ物を変えると体が変わる~

2018年05月29日 | 医療・保健・福祉・介護
 生物学者福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書、799円)には、ネズミに3日間、特殊なアミノ酸を含んだ食物を与える実験が紹介されている。
 このアミノ酸には、目印として重窒素が入っているために他の物質より少し重く、体内に消化吸収された後、どのように移動していくのかを追跡することができる。3日間で、目印をつけたアミノ酸のうち、尿として排泄されたのは約3分の1弱。便になったのはわずか2.2%だった。あとの7割は、腸壁、腎臓、脾臓、肝臓など全身の臓器、血中のタンパク質になっていた。
 タンパク質は、約20種類のアミノ酸から作られる高分子化合物で、目印のアミノ酸はさまざまな種類のアミノ酸に分解、合成されていた。
 この実験で、ネズミの体重に変化が見られず、外見は以前と変わらなかったが、3日間で内臓や血液を構成しているタンパク質は、半分以上が新しいものに入れ替わっていたそうだ。
 食べ物を変えることは、思ったより早く私たちの体を変えるのかもしれない。

□南雲つぐみ(医学ライター)「食が体を作る ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年4月27日)を引用

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【佐藤優】反知性主義の勃興... | トップ | 【南雲つぐみ】小豆湯 ~中... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療・保健・福祉・介護」カテゴリの最新記事