生物学者福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」(講談社現代新書、799円)には、ネズミに3日間、特殊なアミノ酸を含んだ食物を与える実験が紹介されている。
このアミノ酸には、目印として重窒素が入っているために他の物質より少し重く、体内に消化吸収された後、どのように移動していくのかを追跡することができる。3日間で、目印をつけたアミノ酸のうち、尿として排泄されたのは約3分の1弱。便になったのはわずか2.2%だった。あとの7割は、腸壁、腎臓、脾臓、肝臓など全身の臓器、血中のタンパク質になっていた。
タンパク質は、約20種類のアミノ酸から作られる高分子化合物で、目印のアミノ酸はさまざまな種類のアミノ酸に分解、合成されていた。
この実験で、ネズミの体重に変化が見られず、外見は以前と変わらなかったが、3日間で内臓や血液を構成しているタンパク質は、半分以上が新しいものに入れ替わっていたそうだ。
食べ物を変えることは、思ったより早く私たちの体を変えるのかもしれない。
□南雲つぐみ(医学ライター)「食が体を作る ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年4月27日)を引用
このアミノ酸には、目印として重窒素が入っているために他の物質より少し重く、体内に消化吸収された後、どのように移動していくのかを追跡することができる。3日間で、目印をつけたアミノ酸のうち、尿として排泄されたのは約3分の1弱。便になったのはわずか2.2%だった。あとの7割は、腸壁、腎臓、脾臓、肝臓など全身の臓器、血中のタンパク質になっていた。
タンパク質は、約20種類のアミノ酸から作られる高分子化合物で、目印のアミノ酸はさまざまな種類のアミノ酸に分解、合成されていた。
この実験で、ネズミの体重に変化が見られず、外見は以前と変わらなかったが、3日間で内臓や血液を構成しているタンパク質は、半分以上が新しいものに入れ替わっていたそうだ。
食べ物を変えることは、思ったより早く私たちの体を変えるのかもしれない。
□南雲つぐみ(医学ライター)「食が体を作る ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年4月27日)を引用