寒気、高い放射線レベル・・・・こうした劣悪な環境で必死に作業にあたる自衛隊や消防隊の隊員の疲労がピークに達している。
疲労を癒すのは、休息と睡眠だ。しかるに、彼らに許されているのは、束の間の“仮眠”だけだ。
休息と睡眠は、福島第一原発から20キロ離れた「Jヴィレッジ」」でとる。
このレクリエーション施設は、東電など企業の保養、研修、会議などを行う施設であるとともに、Jリーグのナショナルトレーニングセンターでもある。
広大な敷地の中にスポーツ施設やレストランなどを擁し、宿泊施設には90室(全洋室)の客室(収容人数264名)がある。全室、贅沢でスタイリッシュ、シティホテルよりひとまわり大きくて、ベッドはキングサイズだ。二脚のビジネスデスクも完備している。
さらに、広い研修室が4室(約120名を収容できる)、大会議室(160名用)もある。
「Jヴィレッジ」は、東京電力本社の指示により、前線本部として使用し、自衛隊や消防隊の仮眠所とすることを認めた。
しかし、応援部隊の横浜市消防局幹部によれば、客室にはすべてカギをかけ、自衛隊や消防隊などの作戦部隊をすべて閉め出した。東京電力側は、研修室や大会議室にもカギをかけ、自衛隊と消防隊を排除した。
では、自衛隊や消防隊はどこで寝起きするのか?
レストランの床、冷え切ったリノリウムの通路である。そこに100名以上が簡易毛布を敷き、雑魚寝するのだ。レストランには、当然ながら宿泊する環境は整っていない。テーブルをどければ、冷え切った空間でしかない。だから、零下の冷気が床をはう。海からの風がガラス戸をとおして、彼らに襲いかかる。温かい湯の出るシャワーは使えず、歯をみがくのは共同トイレだ。
“冷遇”を受けているのは、自衛隊や消防隊だけではない。何社もの原子炉メーカーの技術者も、同様に雑魚寝を余儀なくされているのだ。
かかる事態がなぜ起きているのか? 東電幹部は言ってのける。
「原発の危機が収束すれば、また使う予定となっています。ですから、たとえ、苛酷な戦いをしてらっしゃる自衛隊の方々と言えども、汚く荒らされるのは何とか避けたく・・・・」
以上、記事「原発 東京電力の『罪と罰』 『自衛隊』『消防隊』に非情すぎる仕打ち」(「週刊文春」2011年4月7日号)に拠る。
↓クリック、プリーズ。↓
疲労を癒すのは、休息と睡眠だ。しかるに、彼らに許されているのは、束の間の“仮眠”だけだ。
休息と睡眠は、福島第一原発から20キロ離れた「Jヴィレッジ」」でとる。
このレクリエーション施設は、東電など企業の保養、研修、会議などを行う施設であるとともに、Jリーグのナショナルトレーニングセンターでもある。
広大な敷地の中にスポーツ施設やレストランなどを擁し、宿泊施設には90室(全洋室)の客室(収容人数264名)がある。全室、贅沢でスタイリッシュ、シティホテルよりひとまわり大きくて、ベッドはキングサイズだ。二脚のビジネスデスクも完備している。
さらに、広い研修室が4室(約120名を収容できる)、大会議室(160名用)もある。
「Jヴィレッジ」は、東京電力本社の指示により、前線本部として使用し、自衛隊や消防隊の仮眠所とすることを認めた。
しかし、応援部隊の横浜市消防局幹部によれば、客室にはすべてカギをかけ、自衛隊や消防隊などの作戦部隊をすべて閉め出した。東京電力側は、研修室や大会議室にもカギをかけ、自衛隊と消防隊を排除した。
では、自衛隊や消防隊はどこで寝起きするのか?
レストランの床、冷え切ったリノリウムの通路である。そこに100名以上が簡易毛布を敷き、雑魚寝するのだ。レストランには、当然ながら宿泊する環境は整っていない。テーブルをどければ、冷え切った空間でしかない。だから、零下の冷気が床をはう。海からの風がガラス戸をとおして、彼らに襲いかかる。温かい湯の出るシャワーは使えず、歯をみがくのは共同トイレだ。
“冷遇”を受けているのは、自衛隊や消防隊だけではない。何社もの原子炉メーカーの技術者も、同様に雑魚寝を余儀なくされているのだ。
かかる事態がなぜ起きているのか? 東電幹部は言ってのける。
「原発の危機が収束すれば、また使う予定となっています。ですから、たとえ、苛酷な戦いをしてらっしゃる自衛隊の方々と言えども、汚く荒らされるのは何とか避けたく・・・・」
以上、記事「原発 東京電力の『罪と罰』 『自衛隊』『消防隊』に非情すぎる仕打ち」(「週刊文春」2011年4月7日号)に拠る。
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