語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>原子力会社役員、政治家および「識者」の責任 ~民事責任+刑事責任~

2011年04月25日 | 震災・原発事故
 自民党政府、電力会社は、原発は安全だ、と偽り、がむしゃらに原発建設を進めてきた。
 原発の実用化に際して、「原子力損害の賠償に関する法律」(原賠法)と、「原子力損害賠償補償契約に関する法律」が制定された(1961年)。
 原賠法は、原子力事業者の無過失責任を定める(第3条)。併せて、免責事項も定める(同条但書)。

 見のがしてならないのは、(a)原発会社役員、(b)原子力行政を推進した政治家、(c)安全性神話をふりかざした「識者」の責任だ。
 原賠法では、賠償責任が原子力事業者や国の影に隠れて、加害者個人の顔が見えない。現に不法行為を行っているのは個人だ。
 その個人に対して求償(民事責任)し、なおも業務上過失致死傷罪・詐欺罪で起訴するべきだ(刑事責任)。

 むろん、原子力事業者の責任は重大だ。東京電力は、純資産、引当金、金融機関の債務免除、不当利得者の求償によって4兆円以上の損害賠償背金を負うべきだ【注】。
 国は、被害者に損害賠償を払った後に原子力事業者、(a)、(b)、(c)に対して行う(はずの)求償措置について、国民に情報公開するべきだ。なぜなら、日本国民が負担する巨額の税金のゆくえに関わる問題だからだ。 

 【注】東京電力の賃借対照表(2010年3月31日現在)によれば、(1)資産は、固定資産11兆8,554億円、流動資産7,876億円で、合計12兆6,430億円だ。
  他方、(2)負債及び純資産は、固定負債8兆5,498億円、流動負債1兆9,275億円、引当金50億円で、負債合計4兆4,823億円だ。そして、株式資本2兆1,769億円、評価・換算差額等△162億円で、純資産合計2兆1,607億円だ。つまり、合計12兆6,430億円である。

 以上、浦野広明(立正大学客員教授・税理士)「原発事故による東京電力の補償問題。巨額な税金のゆくえにルーズになるな」(「週刊金曜日」2011年4月22日号)に拠る。
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン    

  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【震災】原発>福島原発暴発阻止行動プロジェクト ~高齢技術者は立ち上がる~

2011年04月25日 | 震災・原発事故
 「福島原発暴発阻止行動プロジェクト」・・・・呼びかけているのは、山田恭暉(やすてる)氏、72歳だ。
 氏は、住友金属工業で技術者として30年勤続した。技術者仲間と議論の結果、次のような決意を披露した。
 (1)原発の暴発を防ぐには、10年間作動する冷却設備を設置しなければならない。
 (2)高度に放射能汚染された環境下で作業することとなる。
 (3)作業できなければ、広範な汚染が発生する可能性がある。
 (4)阻止するには、現場作業や技術を蓄積した退役者たちが次世代のために働くしかない。

 当然、被曝する。氏は語る。
 「被曝の制限で10分、15分で帰ってこなければならない中ではまともな設備は作れない。3、4時間続けて作業をしなければ、というのが私たち技術者の実感。ロボットを使うにしても、手で触りながらやらないとできない仕事が残る。誰がそれをやるか。自衛隊がやればいいと言う人がいるが、若い奴にたらせるわけにはいかない」

 東電に行っても受け付けないだろう。政治の力を使わないかぎり、このプロジェクトは実現しない。
 ということで、政治家と話し、「長期にわたる国の体制として退役した元技能者・技術者のボランティアによる行動隊を作ることを提案」したい、と呼びかけ文に記した。
 原発専門の技術者によれば、数ヶ月なら応急措置でも回せる。その間、作業の訓練を1、2ヵ月行う。技術者とはいっても、原発作業の専門家ではないのだから。
 「反対や批判は承知の上。だけど最悪のシナリオを書いて、やらなければいけないことからやる。これは技術者が心をこめてやらなければ。報酬があってやっちゃダメです」
 500通のメール、2,000通の封書で呼びかけ始め、すでに25人から参加表明があった【注】。

 【注】記事はプロジェクト連絡先(山田恭暉氏)の電話番号も付記するが、ここでは割愛する。

 以上、奥田みのり(フリーライター)「高齢技術者『若い奴にはやらせない』原発暴発阻止プロジェクト」(「週刊金曜日」2011年4月22日号)に拠る。

 【後注】記事「福島原発で危険作業志願 高齢エンジニアたち『決死の覚悟』」 (2011年4月25日20時00分 J-CAST)によれば、参加表明者は30人超に増え、「行動隊」の必要性を政府や国会に働きかける「応援団」(賛同者)も130人超となった。
     ↓クリック、プリーズ。↓
にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ  人気ブログランキングへ  blogram投票ボタン    
   <
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする