散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

初冬の東京(12) 初めてはきついよ

2013年11月10日 23時28分35秒 | 飲み歩き・東京
さあ、もうこれ以上食べられないが、まだ飲める。湯島方面に少し歩き、非常に有名なバー「E」へ入って見た。実にこじんまりとした店内である。

まずはオーソドックスにジンフィズを注文。店内にはマスターと若手2名がいるが、すべてのカクテルをマスターが作るらしい。まずはジンフィズを飲んでいると、徐々に店内が常連で込みだしてきた。

2杯目は「強すぎず、弱すぎずで…」と抽象的な注文をしてきたところ、登場したのがカルヴァドスとデュボネで作った、ベントレーというカクテルである。



これが実に私好みで素晴らしく旨いのだ。たまたまかもしれないが、世の中には初めての客にここまでピタリとくるカクテルを出すバーテンダーがいるものなのである。

しかし、さらに常連が詰めかけ、マスターとは全く話ができず。残念な限りであった。



この後ホテルに戻り、恒例のアイスを食べ、風呂に入る。



テレビでは「水曜どうでしょう」の新作第一話が始まった。氷結和梨というわけのわからない物を飲んで、就寝。

 

初冬の東京(11) 貴族気分

2013年11月10日 18時50分31秒 | 飲み歩き・東京
さて、どこに行こうかと上野界隈をさまよっていると、北海道にはないチェーン店「TK」が目に付いた。そういえば、知り合いが毎週のようにこの店に行っているという話をしていたなあ。いい機会だし、一回行ってみるか。

と突入してみると、店内にほとんど客はいない。あれれと思ったら、時間がまだ18時過ぎだった。私は結構酔っぱらいだしているのだが、まだ夜は始まったばかりだ。

すべてが280円(税込294円)のメニューから山崎ハイボールとキャベツ盛り、貴族焼ももタレ味を注文する。ハイボールは当然量が少し少ないものの、これに文句を言うやつはいないだろう。キャベツをつまんでいるうちに(頼まなかったのだが、食べ放題らしい)、貴族焼が到着した。この店の看板メニューである。





おお、写真じゃわかりにくいけど、ボリュームがたっぷりだ。そしてすべて国産だという鶏肉もなかなか美味い。これは値段比で満足と言わざるを得ないだろう。

続いて山崎ロックとつくね塩を注文。こちらも素朴なつくねで悪くない。



しかし、3軒目とあってもう満腹なのだなあ~。この店は夕食兼ちょっと飲みたい人に、まさにぴったりだと言えるだろう。一度は280円の釜めしなども試してみたいものだ。店の人もマニュアル頼りでもなく、ふざけたバイトでもなく、なかなか人間味を感じるメンバーなのであった。そこも悪くないところだ。


初冬の東京(10) 向こうが見えない…

2013年11月10日 17時51分12秒 | 飲み歩き・東京
続いて2件目は同じく上野で「D」へ。ここも昼間からやっていることで有名な店だが、どうやら支店の方だね。

店の奥が見えないほどのロングカウンター(50人座れる?)の入口付近に座り、レモンサワーと煮込みを注文する。



この煮込みは馬ホルモンということもあって、駄目な人には駄目らしいが、私は特に問題なく大ぶりのモツを食べる。このくらいワイルドな煮込みもいいんじゃないだろうか。

2杯目は燗酒をもらい、シロタレを追加。ふう、疲れた時にはやっぱりタレ味だ。これはなかなかいけるねえ。



まだもう少し行ってみたい気もして、2杯・つまみ2種でフィニッシュとしておこう。


初冬の東京(9) 寡黙な…

2013年11月10日 17時06分17秒 | 飲み歩き・東京
すっかり疲れた私は上野・御徒町に繰り出す。最初に見つけた立ち飲み「TO」に入って見よう。素早い店員さんの来襲に、ハイボール、ガツ刺しと煮込みを注文した。



値段を見たところ、つまみの平均的な値段は200円。こりゃ有難い。それでいてなかなかさっぱりと臭みの全くない煮込みは、行けるのである。

2杯目は燗酒をもらい、カシラタレを注文。



疲れた時にはタレ味が身にしみる。この店、テレビこそ流れているものの、それぞれ寡黙に飲み食いしている感じの男の立ち飲み屋であった。まず1軒目はこのくらい軽めで切り上げよう。


初冬の東京(8) 4Kかあ

2013年11月10日 16時31分12秒 | ART
国立西洋美術館の前あたりに戻ってくると、「興福寺仏頭展」の営業活動をやっていると思われる「せんとくん」を見かけた。



しかし私が次に行くのは、東京国立博物館平成館「京都 洛中洛外図と障壁画の美」である。

「洛中洛外図屏風 歴博甲本」:現存最古の洛中洛外図らしい。街も人も素朴である。他のが盛り過ぎなのか?
「洛中洛外図屏風 舟木本」:木の葉が立体的であったり、人物描写がダイナミックですごい。
「洛中洛外図屏風 福岡市博本」:ある通りをクローズアップしており、いわば商店街マップである。白人、黒人も登場。

「洛中洛外図屏風 池田本」:細かく人物も小さいのだが、気合が入っている。金の雲がきらびやかである。東寺の五重塔が今のとはちょっと違うような気がする。もしかすると先代かな?
狩野孝信「賢聖障子絵」:勢いのある作品だ。
狩野永徳「群仙図襖」:線の細い、風流なタッチ。

「列子図襖」:4コマ漫画にも見えるような画面展開。メトロポリタン美術館蔵。
狩野尚信「楼閣山水図」:画の大小のメリハリがあって、「桜花雉子図」より良いような気がする。
狩野探幽「松鷹図」:ぶっとい松と大きな鷹。これを見て大名連は幕府にひれ伏したのか、それとも「趣味悪いなあ」と思ったのか。

私は二条城には行ったことがあるし、国宝「洛中洛外図屏風 上杉本」は展示が終了しているし、「舟木本」の見どころと「龍安寺 石庭の四季」というのを4K超高細密映像で流しているし、全体的に微妙な感じの展覧会だった。

ところで「洛中洛外図」は英語では「Scenes in and around Kyoto」となるらしく、場合によってはこっちの方が分かりやすかったりするね。



久しぶりに平成館に来たので、「日本の考古」展示を見ていく。



続いて本館の常設展示。次の写真は道成寺の「毘沙門天立像」の邪鬼である。



それから東洋館に移動して、常設展示および、「上海博物館 中国絵画の至宝」を見る。

「人物故事図巻」:落ち着いた色、人間はみっちりと細やかに描かれている。
「虞美人図頁」:花弁の薄さと色合いは実にすばらしい。
王淵「竹石集禽図軸」:様々な線を盛り込んだ、テクニシャンの作品。

李在「琴高乗鯉図軸」:鯉に乗って仙人が登場。日本にもこういう作品があるね。
仇英「剣閣図軸」:背景は水墨画なのだが、人は白やカラフルな色彩で描かれている。
呉杉「山陰道上図巻」:この変な山は一体どこにあるのだろう。さすがに中国にもないだろう、子供の宝探しマップのようだ。



ついでなので、今回、東京国立博物館で見た国宝をリストアップしておこう(過去とダブっているかもしれないが)。

京都慮山寺 良源「遺告」
東京西新井大師「線刻蔵王権現像」
滋賀神照寺「金銀鍍宝相華唐草透華籠」
香川県「銅鐸」
熊本県「横矧板革綴短甲」
熊本県「銀象嵌銘太刀」
熊本県「素環鏡板付轡」
熊本県「輪鐙」
群馬県「埴輪 挂甲の武人」
熊本県「江田船山古墳出土品」
熊本県「三環鈴」
熊本県「f字型鏡板付轡」
奈良県「文祢麻呂墓出土品」
鳥取県「伯耆一宮経塚出土品」

うう、疲れた。もう夕方だ。


初冬の東京(7) 初めての麺

2013年11月10日 13時21分15秒 | 食べ歩き
昼食をどこで食べようかとさまよっているうちに、上野駅の東側に来てしまった。どうも上野公園付近はなかなか飲食店が見つからないね。少し歩いていると見つけた中華料理店「T」に入って見ることにする。

メニューは非常に豊富なのだが、ここは店名にもなっている醤油刀削麺を頼んでみよう。



付け合わせにキムチと杏仁豆腐もついてきた。



さて味はというと、刀削麺は不均一な形ですすり込むことができず、1~2本ずつ口に入れて噛むしかない。なかなか小麦麺の特性を生かした面白い触感だと思う。スープは懐かしの醤油ラーメン風。これはこれでさっぱりしているのだが、太い麺との相性はいま一つのような気がする。これは多分、辛いか濃厚なスープと合わせるべきだっただろうな、という感想だ。



さて、早めに上野公園に戻ろう。

初冬の東京(6) ありがとう十二神将

2013年11月10日 11時42分24秒 | ART
今日は1日中自由行動の日である。6時すぎに目を覚まし、6時半ころ昼食。



このホテルの昼食サービスは、パン4種類(毎日日替りあり)、スープ3種類、ジュース2種類、ゆで玉子、コーヒー・紅茶という、朝食としては十分なものなのだが、4日連続して食べるとさすがに飽きた。紹介は今日だけにしておく。

東日本橋をぶらり散歩。寒くないがかなり涼しい。ホテルで時間をつぶしてから出発。

 

さて、今回、かなり興味を持っていた展覧会の一つが東京藝術大学美術館「国宝 興福寺仏頭展」である。一日時間もあるし、そんなにあわてまいと思っていたのだが、到着した時間がちょうど開館のタイミングになってしまった。結構な行列ができているのだ。



今回、時間つぶしのために美術館の裏手のほうを始めてみてみたが、さすがに藝大だけあって作りかけの彫刻や沢山の丸太が保存されているのであった。



さて、何とか館内に無事入り、早速見ていくことにしよう。

「木造弥勒菩薩半跏像」「厨子」:厨子から取り出した形で弥勒菩薩が展示されていた。作られた時期も微妙に違うらしい。厨子の天井部に6体の飛天が取り付けられているのが、なかなか良い。
「閻魔大王(護法善神扉絵)」:12面の扉絵が勢ぞろいしている。
「玄奘三蔵像(護法善神扉絵)」:他は帝釈天、増長天、閻魔大王と言ったメンツの中に、一人だけ人間が参加している。

「国宝 板彫十二神将像」:今回は4面の御堂を模した展示スペースに3枚づつ板彫十二神将が展示されている。興福寺では何気なく足元に置いてあって目立たないのだが、今回は日の目を浴びたと言えるだろう。見ている客の感想は「3センチに見えないね」というものが多かった。3センチもの厚彫りが特徴なのだが、確かにもう少し薄く見えるのだ。

さて、私が一番気に入ったのは、当然のことながら木造十二神将立像である。「お手を触れないでください」と注意書きがあるような近距離で、しかも180度の方向から見ることができるのだ。

「毘羯羅大将立像」:帯の流れが素晴らしい。ついていきたいリーダータイプの顔である。
「招杜羅大将立像」:胴に厚みのある作りだ。トンガリ髪もなかなかいい。
「真達羅大将立像」:祈るポーズが静的な立像。
「摩虎羅大将立像」:口をあけ、とがった歯がよく見える。手斧がかっこいい。
「波夷羅大将立像」:色彩がかなり残っている。この辺は像によって違うみたい。
「因達羅大将立像」:蛇の顔部分が切り落とされ、手指も一部折れている。
「珊底羅大将立像」:何だか顔が大きい像だ。鉄拳制裁ポーズに、頭部の馬も炎のような髪の毛から飛び出している。
「頞儞羅大将立像」:何となくボス顔だ。
「安底羅大将立像」:赤い顔が頭に乗っている猿をイメージさせる。スリムスタイル。
「迷企羅大将立像」:ニワトリが頭に乗っている。
「伐折羅大将立像」:刀を逆手にしたアクションポーズが決まっている。
「宮毘羅大将立像」:兜が特徴的。

つい興奮して、すべての像を180度回って見てしまった。

昨今の仏像ブームのせいか、女子の観覧者も多いのだが、彼女らの感想を聞くと、やはり女子目線というのは違うものだと思わされた。私が聞いた中では「木靴が可愛いね」「サスペンダーみたいのいいよ」「お尻可愛い」など、ファッション的観点に着目したものが多かった。私からすると、言われるまで十二神将が何を履いているかなど全く気がつかなかったのだが、確かに言われてみると、一人づつ履物が違うのであった。

「銅像仏頭(興福寺東金堂旧本尊)」:興福寺で見るよりも何だかカッコイイ。火事に会った際に、左耳が折れてその付近が上に食い込んでいるのが分かる。髪の生え際にひびが入り、うっすら中が透けて見えるのだ。それでも奇跡的に表情にゆがみが感じられないんだよな。
「銅像釈迦如来倚像」:東京深大寺の参考出品。興福寺仏頭と同時代であるはずなのだが、どこかオリエンタルで時代がかった感じがする。もちろんこれもいい仏像なのだろうが、興福寺仏頭の超時代性が一層わかるような気がする。



これは素晴らしい展覧会だった。昼食をとるために上野周辺をさまよう。