1昨年のゴールデンウィークにはなんとなく歌志内へ、去年は意識して夕張へと旧産炭地を巡る旅に行ってみた。今年は旧産炭地の旅第3弾「赤平・芦別」+久しぶりに出身地「富良野」への旅となった。長文で写真が多くなると思う(回線細い人スマン)。
目覚ましのスイッチを入れ忘れ、6時に起きて慌てて仕度をする。1日散歩切符を購入し、6時39分琴似発、8時39分に滝川についた。電車待ち合わせで約1時間あるため、滝川市内散策。さすがに祝日の8時台ではほとんど歩いている人もいない。9時になり、健康保険センターみたいな所でトイレを拝借。タキカワカイギュウの骨格レプリカと合鴨(滝川名産)の剥製があった。
駅に戻り、芦別へ。札幌から近い順に行くと滝川-赤平-芦別の順番になるのだが、昼食を芦別で取りたいこともあるし、この方が電車の接続が良さそうだ。芦別駅前ではまず五重塔がお出迎え。
市内を散策しながら北の京芦別や観光物産センターがある観光エリアへと向かう。
観光物産センターは開いているものの、レストランは11時半開店らしい。すぐ隣にある「星の降る里百年記念館」ではなにやら写真展もやっているようで、楽しみに近寄ると休館。あのー、確かに月曜日なのであるがゴールデンウィークには開館しておくという発想は無いのだろうか。しょうがないので「北海道大観音」に行ってみることにした。無駄に大きい「星の降る里大橋」を通り、かつてはホテルと大観音を結んでいたモノレール(廃線)を眺めながら観音像の足元へ。
恐ろしいほどの快晴と白い観音像で目がクラクラする。
やたらと「星の降る里」というキーワードが出てくるが、芦別市は多分夜空が綺麗なのを売りにしていたと思う。市内各所のマンホールにも星座の画が描かれているのである。
さて大観音の中へ。人気のほとんど無いロビーでおばちゃんからチケット購入(500円)。結果的には施設の人はこのおばちゃん一人しか見かけず、観光客は10人もいたかなあ。恐ろしいほどの寂しさだった。暖房が入っていないから寒いし。
まずはエレベーターで20階へ。ここが観音様の胸元に相当し、展望台があるのだ(後で判明したが、更に上の階があるらしい)。展望台の手前に真っ暗な通路を行く胎内巡りがあるようだが、あまりの暗さにビビって挫折し、すぐ外へと出る。私はあまり高い所が好きではない上に、変な虫が沢山いるので、写真を撮ってすぐ撤退。あー、怖かった。
それから観音像内部の螺旋階段をおりつつ、胎内巡り。実にチープな感じの仏像が出迎えてくれる。中途半端に東大寺の四天王像やらがベースと分かるので困ってしまう。
通路にはこの施設を作るためだろうか、寄進者の名前やらが貼ってある。「北海道拓殖銀行」の名前も発見し、これぞまさに栄枯盛衰は世の習い、生者必滅、色即是空・空即是色などと思うのであった(うーん、宗教的だ)。
かなり生命力を吸い取られつつ、観覧終了。途中で見かけたほかの観光客が「結構すごいよね」とか言いあって、何とか気分を高めようとする気持ちが痛いほど良く分かる。何とか自分たちで盛り上げないと、どうしても「寂しい」という気持ちになってしまうのだ。盛り上げる相手のいない私は心の中で「いや、良いもの見たよ。この先無くなるかも知れないし」と自分を励ます。
気を取り直して観光物産センターに戻り、2階のレストラン「LF」へ。さて、この旅の第一目標が芦別での昼食「ガタタン」である。最近知名度も上がってきたと思うが、漢字で書くと「含多湯」、旧満州から引き上げてきた人が約60年前に開発した具沢山のスープである(詳しくは検索してみてね)。
そのガタタンを食べに来たのだが、メニュー選択で非常に迷った。もともとガタタンはスープ料理なのだが、それでは値段も付けにくいし、店で出しにくいのだろう。この店ではガタタンラーメンというのがお勧めメニューなのだ(うどんもある)。多分旨いとは思うのだが、私はガタタンそのものを食べてみたい。すると隣席の声が聞こえて「お試しガタタンスープ210円」というのを発見。これを注文しよう。となるとこれに合わせるのは汁物のラーメンではなく、ガタタンチャーハンだ!
まずはガタタンチャーハンが登場。チャーハンに薄焼き卵が乗り、その上からガタタン(というか中華あん)がかかっている。早速一口。なるほど、世の中にはスープチャーハンというメニューがあるが、その感じもしつつ、それよりもややスープのとろみが強い。味は基本的にはあっさり目だが、これは十分名物たる味といえる。
【具を掘り起こすと・・・】
そしてガタタンスープが登場。こちらは純粋なスープで、心待ちにしていたものだ。かき混ぜながら一口。とにかく具沢山でさっぱりした塩味、とろみのあるスープだから熱々だ。これこそ本当に名物と言っても過言ではないだろう。具はホタテ・海老・イカ・豚肉・かまぼこ・ネギ・白菜・人参・山菜・きくらげ・たまごと入っており、これはスープも旨かろう。
店名をイニシャルで隠しつつもどこの店だか分かってしまうのだが、あえて以下苦言を書いておく。貶しているのではなく、ぜひガタタンをさらなる名物に育て上げてほしいからだ。まず、ガタタンチャーハンは表面積が広いせいか冷めるのが速い。スープのとろみは温度を下げずに食べるための工夫だと思うので、チャーハンであっても何とか一考願いたいところだ(石焼にしてはどうだろう)。また、彩りもあるのだろうが、上に載っている冷製の海老は蛇足だと思う。
そしてガタタンスープ。私はこれこそ地元で長く親しまれた本当の味だと感じた。確かにこれをラーメンにしても旨いとは思う。だが、家庭の味はシンプルなガタタンじゃないのだろうか? 本来のガタタンを腹一杯食べたい人のために、ぜひガタタン定食をメニューにおいてほしいと思うのであった(と、レストランのアンケートにも熱く記入してきた)。
食後、1階に降りて販売コーナーを冷やかす。ガタタンラーメンは要冷蔵のため断念(これも常温保存可能なものが開発できないか・・・)。芦別名産ドリンク「タングロン」を発見するも4本パックなので、こちらも断念(バラ売りしてくれよ・・・)。タングロンとはリンゴ果汁と昆布エキスの入った飲み物のこと。かつて私が富良野に転校して行った時に初めて給食で出会い、なれぬ昆布エキスの味に「マズイ」と思ったのだが、段々好きになっていった飲み物である。
ゆりねぜんざいを購入して芦別駅へ戻る。