唐招提寺の秘宝が札幌に来るとなると、これは絶対に行かざるをえまい。早速、展覧会初日のオープニングに紛れ込むことになった。色々な人が来ているようだが、私の見かけたのはギャラリーたぴおのオーナーと、すし善の大将くらいかな。
主催者やら主賓の挨拶に「長ぇーよ」と心の中で思いつつ、じっと我慢。やっと全ての挨拶が終了し「特別観覧をどうぞ」の声とともに展示室に入った。
挨拶に来てました高橋知事(ボケてゴメン)
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最初から考えて入口に近いポジションに立っていたため、一番最初に展示室に突入。各界の名士(なのか?)は年寄りばかりのせいか、歩みが遅い。私の後を高橋知事と唐招提寺の長老が付いてくる格好になってしまい、少々恥ずかしかった。館の人も「あいつ誰?」と疑問を持ったに違いない。
それはさておき、私の主目標は仏像である。まず入口すぐで「四天王立像 広目天」「同 多聞天」がお出迎えだ。少々体が硬い感じだが、なかなかのものである。それを見てから、ずんずん中へ。
今回のメイン(と言う言い方は失礼か)「鑑真和上坐像」の前では朝の勤行が行われており、ちょっと見づらいために後回し。彫刻メインの部屋に入った。頭部のみの像を含めて10体、中では「衆宝王菩薩立像」「獅子吼菩薩立像」の2体が際立った美しさに見える。今回の四天王は好みからするとちょっと地味だなあ。
これでまず落ち着いたので、入口に戻り再度見物。今日は初日のせいか、最初だけはかなりの混雑だったが、段々人が減ってきて、落ち着いて見られるようになっている。以下、適当な感想。
「勅額」:唐招提寺の文字が刻まれた板だが、よーく見ると筆で書いたように文字が彫りこんであって、良く作ったなという気がする。
「五大尊像」:絵巻物はかなり色落ちしており、照明も暗いために見づらいのだが、この五大明王を描いたものは好きだ。
「押出仏」:こうやってまで仏の姿を刻み、手にしようとしたのだなあと感慨。
「舎利容器」:黄金の塔に平安時代のレース編み。貴重だ。
「鑑真和上坐像」:皆さんつい手を合わせていたようだ。非常に存在感を感じるのだが、彫刻としてはなあ…
「鋳銅三具足」:華麗な龍の姿がついた燭台。さすが中国。
最後に普段展示室になっていない所で、唐招提寺の平成の大修理の様子が展示されていた。私も2年前に奈良に行ったのだが、唐招提寺金堂が跡形もなくなっており、驚いたものである(全部解体中だった)。その時も見ることができなかった「千手観音立像」が一番見たいのであるが、さすがにあれは移動できないか。
図録もタダでもらった。また来ることにしよう。
この後は近美のこれくしょんぎゃらりい→コンチネンタル→市民ギャラリー→さいとう→セントラル→NHK→時計台→たぴお→富士フォトサロン→道立文学館→紀伊国屋。
これくしょんぎゃらりいは「水辺の風景」。結構見たことのない画が多く展示されている。私が水辺で思い浮かべるのはやはり宮川美樹の「刻」。この細密描写に見る人は必ずと言って良いほど驚いていた。
コンチネンタルギャラリーでは札教の「KINKOU-TEN2006」。佐々木けいしさんの作品はこの前、近美で展示されていたのでは。私、通りすがりの人なのに、お茶ご馳走様でした。
市民ギャラリーの「全道展」。気になった作家の名前だけ。浅川茂、石本久美子、石本本子、大槻力也、小笠原実好、加賀見恵美、加藤達哉、斉藤保、佐藤艶子、道源綾香、中丸茂平、西村徳一、野本醇、羽山雅愉、本城義雄、宮地明人、安井隆、山下達司、山田一夫、矢元政行、渡辺貞之、渡邉眞利、大高操、大野重夫、香川みのり、和田裕子、伊藤隆弘、川上勉、水口司、尾崎志郎(一部、本字でなくて申し訳ありません)。
北海道立文学館の「デルス・ウザーラ絵物語展」。探検記につけられた挿絵原画。ちょっとマンガ調のものもあるが、カラフルで臨場感がある。
内容はロシアの探検家が極東探検の時に、現地の漁師デルスが道案内をするという物語。探検の終盤、年老いたデルスの目が悪くなり、漁師(猟師)としての生活が難しくなる。探検隊長が「デルス、ウチに住め」と自分の家に住まわせるのだが、やはりデルスは町の生活になじめない。で、山に帰っていくのだが、何とその1週間後に強盗に殺され、駆けつけた隊長が慟哭するという悲惨な話である。青少年向けらしいのだが、何とかならんのか。
紀伊国屋の「絵で見る日本の物語展」。酒典童子絵巻では極彩色で酒典の首が吹っ飛んでいるのは見もの。