久々に小樽へ行く。目的は市立小樽美術館「一原有徳 版の魔力展」である。かなり雪も少なくなってきたので、高速バスに乗る。札幌小樽間でずっと気になっている看板があったのだが、それがこれだ。何か頭に良いことがあるのかな?
小樽に到着し、早速昼食。
約1年ぶりのカレー「G」へ。
他の方のブログで見かけてとても気になっていたスパゲッティカレーを注文する。カレーがかかる前はこういう姿。
そしてカレーがかかると、こうなる。
具にトマトやマッシュルームの入ったお洒落さんなスパゲッティだが、もちろんゆでおきしたもので、アルデンテとは程遠い状態になっている。しかし、それがこの場合正解なんだな。柔らかい麺を使うことでカレーとの一体感を出しているのだ。想像していた時は自分でもつくれそうという気になっていたが、なかなかどうして、この店ならではの味になっているのだ。
昼食を終えて小樽市美術館へ。まずは1階の中村善策常設展から。今回は20代で描かれた「流れと樹木」、30代の「睡蓮の池」に始まり、おおよそ年代順に作品が並んでいる。初期作品は洋画の影響大な感じだ。
他にも、国会議事堂が見える「東京風景(赤坂見附)」や、ダイナミックな波が描かれた「白い磯浜」、湖畔の道と建物が可愛い「雪もよい」など、これまで見かけたことの無い作品がならんでいた。まだあるなら、出し惜しみしないで下さい。
次に「一原有徳 版の魔力展」。バリエーション豊富な一原作品は何度見ても素晴らしい。珍しく全体に白さが強調されている「TOK(es)」は、何か顕微鏡写真のような不思議さに満ちている。どこまでも続く金属物体の中に黒い穴が見える「ブラックホール」。これを見ていると、頭の中にSF小説のストーリーが湧き上がってくるような思いがする。
整然とかなたまで続く死滅した機械都市を思わせる「SON20」、荒野に生えた異星植物を思わせる「SOP(2)」も素晴らしいが、本人談では「抽象的な風景画」と思われるのは心外らしい。
新収蔵品では古村勝の女性像2点が、妙な生々しさで目に付いた。
3階では小樽桜陽高校美術部の「白蟻会展」。技術的にはまだまだに思えるが、3年生の後藤直子がライオンの姿を描いた大作で目立つ。一部雑になっているのが惜しい。1年生の瀧川純が期待持てそう。ただしデッサンはまずまずとして、油彩で作品が少々大きくなると出来がバラバラ。3年生が卒業すると、部員は4人(新入生除く)ということで、小所帯なんだなあ。
(偉そうですみません)
2階に戻り市立小樽文学館へ。小展示が2つあり、まず「面白カルタ展」。”北のさかなカルタ”にグリシンとかコハク酸という言葉が出てくるのが面白い。それから群馬の人は誰でも知っている”上毛カルタ”も見ることができてよかった。
もう一つの展示は「鉄道と文学展」。DVDで蒸気機関車から見た車窓を再現するコーナーがあるのだが、夜の風景なのでほとんど何も見えない(いいのか?)。昔の時刻表や鉄道地図は面白いなあ。札幌-旭川間が汽車で4時間以上かかるし、札沼線は途中でつながっていないし(現在の新十津川~沼田が途切れているのとは違う)。
古書コーナーで大原美術館所有作品の図録3冊を購入(お代はドネーション制度なので、気持ち分払うのだ)。これは良いものが手に入った。コーヒーを飲みながらストーブにあたって休憩。プーアル茶もなかなか美味しいな。
文学館を出て、腹を減らすために市内散歩。雪が中途半端に残り、歩きにくい時期だ。出抜小路に立ち寄るとニッカバー「R」がやっていなかった。閉店でもないようだが臨時休業かな?