散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

小樽にて

2003年08月04日 22時39分48秒 | 飲み歩き・北海道内
久々に小樽に行ってみたかった理由は、ウィングベイ小樽にできた、道内最大級の「喜久屋書店」である。ほぼ開店と同時に店にたどり着いたが、実に素晴らしい。規模的にはJRタワーの旭屋書店を大きく上回るものではないが、何よりも人がいないのだ。最初の内は、客よりも店員の方が多かったと思う。快適に本を5冊購入。このまま潰れないことを祈る。

歩いて小樽の中心部へ。昼食は大衆的な中華料理店「K」で醤油ラーメン。かつて小樽でお気に入りであった店が、恐らく店主高齢のため閉店になってからこの店に通っているのである。麺は少々柔らかかったが、野菜のいため加減が良い。スープはチャーハンのおまけとして付く中華スープを和風にやや引き戻したような素朴な味である。この物足りなさが良いのである。

昼食後、小樽美術館の「白江正夫展」。水彩の風景画が主体だが、時に心象風景とも思える画が登場し、興味引かれる。次に小樽文学館の「韓国文学展」。ハングル文字なのでちょっと厳しい。

意外に面白かったのが小樽市博物館の「外来生物展」である。ブルーギルやアライグマ、西洋タンポポが外来種として問題になっているのは非常に有名である。しかし、ニジマスやシロツメクサまで外来種と言われても今更な感じもするなあ。

夕刻になり、おでんの店「H」へ。本日の小樽は日中こそ暖かかったものの、夕刻以降はややひんやりしている。最初にビール、そのあとは日本酒ぬる燗に移行することになった。つまみはおでん。大根・袋・団子・竹の子・豆腐・じゃが芋と注文。薄味で何だか物足りないが、その分後を引く感じがある。

ところで、この店、かの有名な小樽の寿司屋通りの側にある。皆さんは小樽の寿司屋のおまかせセット(大体10カンで、本日の一番良いネタを使っていると称するもの)がいくらだかご存知だろうか? 店の大きさにもよるのだが、一等地を占める寿司屋ではなんと4800円! なのである。私なら金があっても絶対頼まないな。

続いてバー「H」へ。この店は小樽では最も古い方に入るオーセンティックバーである。最初にシーバス12年ソーダ割。続いて、ブルーマンデイ、マティーニ、バーマンに相談してオリジナルカクテル。私の相手をしてくれたバーマンは非常にカッコいいタイプである。

それはさておき、隣が恐るべしバカ客であった。でかい態度で「ウィスキーはグラスの口当たりで味が変わるんだ」等とぬかし、1ショットの酒を2つのグラスに分けて注がせている。そのグラスを選ぶ態度もたいしたもので、「それは小さい」「それは大きすぎる」とあれこれ出させる始末。

しまいに、アイラモルトを「これは薬臭い」などと寝ぼけたことをぬかしておるわ。「手前が何にも分かってねえだけだろ」と心の中で怒鳴りつける私は、まだまだ修行ができていない。オーナー氏は顔色一つ変えずに、その客を軽ーくあしらっているのだった(内心は分からないけどね)。

またも帯広

2003年08月03日 15時32分24秒 | 飲み歩き・北海道内
8月2日
帯広に着いたのは13時過ぎであった。学生時代に一回だけ食べたことがあるカレーの「I」で、「I」カレー(380円)。甘辛い懐かしい感じの味。札幌はスープカレー店ばっかりになり、また安さではいろいろなチェーン店も出来ているが、そういう流れを超越した店である。

歩いて帯広美術館へ。「ヴェネツィアの光と影」と題された西洋画の展覧会を見る。マリエスキという人の空想の建築画が素晴らしかった。有名どころではティントレットやベリーニも良かった。続いて、帯広百年記念館へ。得意の地方博物館巡りである。岐阜県と同じくらいの大きさだと言う十勝地方の自然は豪快である。しかし冷害との長く辛い戦いの歴史は悲しいものがある。

夕食時まで時間が若干あるので、酒販店に併設された立ち呑みの「H」へ。刈穂と言えば「超辛口」とイメージが湧くが、あまり辛くないのが出てきた。「帯広に立ち呑み屋はここだけ」「辛口が好きだって言う人に中口の酒を勧めると、『これだ!』って言うよ」と意気上がる店主と会話をする。

夕食は中華の「M本店」へ。寒いので紹興酒の燗とおこげの海鮮あんかけ、餃子、ホタテネギ油かけを注文。おこげは結構なボリューム。餃子は食べやすいやさしい味。ホタテはほぼ生の状態の所に白髪ネギを載せ、熱した油をかけた物。香りが良く、微妙な火の通り加減のホタテが美味しい。かなり満腹になる。

次は帯広の名バー「M」へ。最初の一杯は「苦いカクテルを」とのリクエストに答えてもらい、ビタースをいれたギムレット。これで消化がはかどる。次にウィスキーのソーダ割りを頼むと、「癖がありますが」とカリラのカスクストレングスが出てきた。ソーダで割っても全く個性が消えない力強さである。続いて、ギブソン、ジン+ベルモット+カシスのカクテルを飲んだ。

前回来た時「ヤンキー率高し」が私の感想だったが、今日は隣にマニアな注文をするカクテルおじさんが居た。マニアといっても悪質な感じではなく、静かに注文をしてひっそりとカクテルを味わっており、よい感じであった。

8月3日
翌日の昼食は行きたいラーメン店があったのだが、何と雨の中、店内に待ち人が立っている。疲れていたので簡単に挫折して、蕎麦の「MF」へ。お店の感じは良かったが、蕎麦にインパクトが薄かった。

すっかり疲れきり、相原求一朗デッサン館へ。小樽にも美術館のあるこの人の画は、北海道の寒さ厳しさを感じさせる。無料のコーヒーとチョコ(六花亭かな)で体を休めて札幌に帰るのであった。