夏休み最後のギャラリー巡り。札教大サテライト→テンポラリー→大同→北一条さっぽろ歴史写真館→法邑→文学館→創→資料館→コンチネンタル→CAI02→富士フイルム→スカイホール→道新の13か所。
■テンポラリースペース「覚醒庵~ドローイング伽藍~」。藤谷康晴さんの展覧会。
「神の経路」:4メートルくらいはありそうな掛軸スタイル。縦に流れる帯状の線と、奇怪なイメージが見える。
「CELL」:藍色の羽のような鳥のようなものと、黒い輪が描かれている、12連作の作品。連続して見ると、超空間に出入りする物体をコマ落としで見ているかのようだ。
「ARRIVAL X-1」:黒の縁取りで、彼には珍しいさまざまの色彩が用いられている。どうやら前回の京都個展から、この傾向の作品になっているようだ。
「都市の有機体」:何か見てはいけないものをとらえてしまったような作品。こちらも色彩は豊富。遠目に見ると、一原有徳風に見えるところもある。
■北一条さっぽろ歴史写真館「HISTORY OF SAPPORO」。今回は札幌の駅前通りを展示テーマにしている。
現在の看板とはデザインが違う。
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まあ、全く人の歩いていなかった北一条地下駐車場通路が少しでも目に留まる機会となるのだろうか。
■茶廊法邑「茶廊法邑7周年 平面展」。立体展に行けなかったのが残念。
杉吉篤:粘土人形のような形で描かれているのは、マリアとイエス(聖母子)のモチーフか。中空の白い三角は天使かもしれない。
久野志乃:沼地を思わせる場所にオレンジの小屋根を捧げ持つ、水色の服の女。相変わらず色彩センスが好き。
■北海道立文学館「林静一展」。画風のイメージから、竹久夢二的な人なのかと思っていたが、マンガやアニメ制作もしている現代作家なのであった。いわゆる昔風の美人画・少女画から、現代的な少し色っぽい女性を描いたものまである。
また、有名なのがロッテのキャンディー「小梅」のキャラクター「小梅ちゃん」だろう。東京小石川出身、明治33年生まれの15歳。蟹座B型。姉にお松、竹子、いとこに小夏、小雪、小春、小彩がいるという細かい設定ができているのだ。しかし、明治33年の人は、星座や血液型を一般的に知っていたのだろうか。それから、子供の頃は小梅って酸っぱすぎて嫌いだった。
後は印象に残ったのが、70年代的陰々滅々の青春記「赤色エレジー」かな。実に暗くなるようなテーマ曲(アニメのダイジェストがビデオ映像で流れていた)が、エンドレスでかかっており、それが耳から離れない。
ここで、ギャラリー創に向かう途中で、中島公園の安田侃作品を見ていく。
→キタラの中はコンサート入場の人で一杯。
■ギャラリー創「前澤良彰写真展 街に風が吹くときvol.2」。風景写真なのだが、タイトルは時分秒年月日とアルファベットによる地名になっている。「20110312」等の日付を見ると、自分が何をしていたのか思い出さざるを得ないのだ。
■札幌市資料館「第27回 酵母展」。
福士ユキコ「モテ期の到来」:湖の葉っぱに横たわるカエル? そこに無人のボートが集まって来ている画。ボートにモテてどうする? 面白い作品だ。
■コンチネンタルギャラリー「平成23年度北海道札幌平岸高等学校デザインアートコース5期生卒業制作展」。
齋藤みなみ「18」:作者が女性ながら、男性の顔を描いている。とがった形が飛び出して、ヒリヒリする。
酒井彩「バナナノナカトミ」:木でバナナの厚い皮と紫の実を表現。大胆な造形だ。
2名しか取り上げなかったが、総じて意欲的な卒業制作展だと思う。面白かった。
■富士フイルムフォトサロン「池田圭輔写真展「LIFE」」。何気ない写真だが、バリエーション豊かで、作品として成立している。写真を取り出して5年ということだが、今後に期待。私が一番好きだったのは、オレンジ色のリノリウムの床に、青のスリッパが置いてある写真。色彩の対比が良い。