本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

定年むかえたらS・O・Sにご用心!!

2015-12-21 20:38:09 | 住職の活動日記

この話もテレビで見たことなのですが、

定年をむかえると、

どういうわけか、どこで知ったのか、

ある人が尋ねて来るそうです。

そして、

すごいですね!!

お話を聞かせてください。

さすがですね!!

といって、

そうこうするうちに、

相手の術中にはまって、

いろいろの契約とか結んでしまうとか??

 

いわれてみると、

男というもの私だけでしょうか?

「すごいですね!」

という言葉に弱い、

すぐ調子に乗ってしまいます。

そして、

定年を迎えると話し相手もなくなり

そんな折、

「話を聞かせてください」

とくると、ついつい自慢話やら

昔の話に我を忘れて

話し込んでしまうものです。

 

「S」はすごいですね!

「O]はお話を聞かせてください。

「S」はさすがですね!

 

ということです。

しかし、考え直してみると、

ある種、まだらボケといいますか、

少々記憶が定かでなくなってきたとき

お話を聞くというのは

脳の活性化にとてもいいと思います。

よくお寺にご相談にお見えになった時

ひたすら、お話を聞きます。

それも何度も、

(またかと思いつつも)

始めて聞くように驚きをもって、

それこそ、「さすがですね」と

相槌を打ちながら、

すると微妙に話の内容が

進展しているのです。

切り口は同じ話でも、

繰り返し話しているうちに

そこからの話の展開があります。

そして、

顔も生き生きと輝きだします。

最後には、

「今日はいいお話を聞かせていただいて

なにかもやもやしていたものが

スッキリしました!」

と、帰って行かれます。

 

話しているうちに

過去の記憶が蘇り、

自分の楽しかったことを思い出され、

自信に満ちた時のことが

ふともどってくる。

年とともに、

過去のことははっきりとしている

が、

現在や未来がなくなってくる

その時、またしても同じ話と

片づけるのではなく、

過去の記憶を温めていくと

それは次第に今につながり

未来のことを考えられるようになる

のではないかと、思うのですが、

これは、

人間の深層心理に

一切のものを宿していくというか

貯えていく意識があり、

それを阿頼耶識といいます。

アラヤは蔵という意味があります。

「ヒマラヤ」とは

「ヒマ」は雪、「アラヤ」は蔵

いつも雪を蔵している山が

「ヒマラヤ」ということです。

 

私たちの行いや考えたこと

一切を蔵のように貯めていく、

貯めたことによりその貯金として

新しいものが生まれてきます。

それを一般的には「可能性」と

呼んでいます。

それを「一切種」という表現もします。

阿頼耶識の未来の面です。

一切というあらゆる種、可能性です。

 

だから、昔話またか、

ではなく、真剣に聞き汲み取る

そうすると、

眠っていた「一切種」が芽生えてくる。

 

SOSということも、

単に利用するのではなく、

すごい、と真剣に聞き、さすが

といって接すると

話す方も聞く方も両方

脳の活性化につながるのでは、

これから、ますます独居老人が

ふえてきます。

話してあげるのではなく、

聞いてあげる、聞かしてもらう

そういう立場が大事ではなかろうかと

そうすると、SOSが生きて来るのでは

そんなこと思っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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だるまさん=ダルマ=達磨=法

2015-12-20 19:03:17 | 住職の活動日記

「だるまさんがころんだ」とか、

「だるまさん、だるまさん、

 にらっめこしましょ、

 笑ったら負けよ!

 あっぷっぷ!」

というように、だるまさんは

身近にあったようです。

 

また、七転び八起きのお人形として

そして、願いが叶ったら

目玉を入れるダルマ人形として

親しまれています。

 

しかし、仏教では「ダルマ」という言葉は

一番の根幹の言葉です。

「ダルマ」とはインドの言葉で

Dharumaと書かれ、それを

達磨と音写しました。

意味は「法」というふうに訳されたのです。

 

そして、

この言葉を名前にした方もいらっしゃて

その方が禅宗の開祖といわれる

「達磨大師」です。

悟りを開くまでは座を立たないと、

壁に向かって9年間も坐り、

ついに悟りを開いたときには

足が腐ってしまったという

逸話まで残っているほどです。

その姿から、あのだるまさんの

形ができて、目をギョロッとむいた顔立ちから

にらめっこの歌ができたのではないでしょうか。

 

それから、

「だるま」という言葉が独り歩きして

「だるま落とし」とか、

「だるま返し」はたまた、

その形から「だるまストーブ」

なるものまで、いろいろなことに

名前が用いられたようです。

 

本来は、仏教がインドから中国へ

伝わったとき、

「ダルマ」を「法」と訳したのですが、

なかなか訳しきれてない一面も

あったようです。

「法」というと、法律というような意味合いが

頭に浮かびますが、

ダルマには仏道修行を歩む、

というような「道」という意味もあったようです。

 

厳密には、辞書によると、

任持自性(にんじじしょう)と

軌生物解(きしょうもつげ)という

二つの意味があると、

なかなか難しいことが書いてある。

任持自性というのはそれぞれのものは

個性をもって存在している。

私も彼も、そしてあらゆるものも

それぞれの固有性をもってある

ということでしょうか、

軌生物解とはそれぞれ固有性を

持っているから理解させることができる。

ということから、認識の規範、とか

道理というようなことを表すのでしょう。

 

ダルマとはこういう幅広い意味を

もっているのですから、

単純に法律でいうような「法」

ということは、少し幅が狭いようにも

だから、ダルマを「法」というのは

訳した方の苦肉の策では??

 

だから、ダルマ・法ということには

一言では言えない

大きな意味をもっているようです。

 

仏教では「三宝」といって

仏・法・僧、ということが

仏教の内容を表しているのです。

 

まあ、でも、

深い意味は分からなくても、

「だるまさん」として親しみを

持てるのは、

「ダルマ・Dharuma」ということが

普通に浸透しているのは

ある面、それでいいのかもしれません。

 

その言葉を知っているだけで

なにかの疑問が起こったとき

問題を解く糸口になるのでは

ないでしょうか。

 

「だるまさん」ということから

また再び勉強できました。

いっぺんに理解はできませんが

折にふれて、

繰り返し思い出し、

調べ直し、考えていくことも

面白いことのように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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ゴールデンボール

2015-12-19 17:39:56 | フラワー

季節柄でしょうか?

お花も面白く金や銀や紫の玉が

花の間にあしらってあります。

 

   

 

花のすがたと相まって、

ちょっと豪華です。

 

    

 

右から見ると、紫のボールが

そして、

 

   

 

 

この葉の線も面白い流れです。

 

    

 

まあ、世の中、クリスマスとか

賑やかなことで、花材もそういう

派手なものを選ばれたのでしょう。

 

来週には、

お正月の花が準備されるのでしょう。

 

 

 

 

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12月18日

2015-12-18 19:26:35 | 住職の活動日記

毎月18日は「お観音さまの日」

さしずめ今日は「納めの観音さま」、

天気も、やっと冬が来たようで、

 

    

 

今にも雪が降りそうな雲が

漂っています。

予報では雪マークだったのですが、

寒い一日になりました。

 

 

   

 

ご近所を歩くと、

クリスマスに使われる花  ?

とか、

 

   

 

まだ残っている「コスモス」も

元気に咲いているし、

 

   

 

お正月の葉ボタンも、

この時期の季節感を感じます。

 

   

 

山茶花の植え込みも

この時期には目を楽しませてくれます。

 

    

 

うすピンクの椿でしょうか?

美しく咲いています。

 

    

 

近鉄の土手沿いには

水仙が咲き始めました。

この土手にも、

自然に生えてきたのでしょう、

季節に合わせて時々の

花が咲いていきます。

 

そして、

わが家のシクラメンも

昨年の株がそのまま

花を出しました。

 

    

 

 

来週は「クリスマス」    

そして、再来週は

「お正月」です。     

 

もう、そんな時期に来ているのです。

あと2週間で今年も終り、

また新年を迎えます。

こちらに来て3度目のお正月です。

 

時の早さを感じます。

誰かが言ってましたが、

60過ぎたら新幹線 

「もういくつ寝ると…」

子どもの頃は待ち遠しかったのですが、

ほんとうに、あっという間に

一年が過ぎていきます。

 

ご用心、ご用心 です。

時は待ってくれません。

 

 

 

  

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意外なビールの使い方!?

2015-12-17 18:29:10 | 住職の活動日記

賞味期限が過ぎたビール

どうしたものかと??

 

ネットで調べてみると、

「窓ふきに使ったら」

という記事を見つけました。

棄てるのも勿体無いし、

 

大掃除を兼ねて、

早速試してみました。

 

言われた通り、

二度ぶきする必要もなく、

いっぺんにスッキリしました。

難点は匂いです。

まあ、好きな方はビールの匂いで

いいかもしれませんが、

子どもがいるのは

ちょっと困る面もあります。

 

雑巾は乾いたものを使用する

濡れたものですと、

拭き跡がついてしまいます。

 

ビールもそれまでには

たいてい飲んでしまいますので、

500ミリだったせいか

集まったときにと思って置いて

おいたものが残ってしまったのです。

 

そのあとは、肥料にもなる

ということで庭に撒きました。

 

あんまりビールが残るということは

ありませんが、

もし残ったらお試しあれ!!

 

 

 

 

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孫との時間

2015-12-17 18:10:59 | 住職の活動日記

結構孫との時間も多く、

その合間を縫って読書やら

写経やら …

しかし、孫にしてみれば

私の小さな部屋は格好の遊び場

そして珍しいモノや道具、

男の子にとっては何とも魅力的な

品々なのでしょう。

 

そして、お散歩、

近くに誰もいない公園が見つかり、

 

   

 

この滑り台と鉄棒くらいしか

ないのですが、

まあ独り占めに出来るので、

滑ったり、JIJIは隣の鉄棒で

筋トレ、

 

   

 

よく近鉄も通るので、

特急だったり、急行だったり

男の子にとっては楽しいところです。

この電車は地下鉄、近鉄と

相互乗り入れしているので、

たまにこの車体を見かけます。

 

   

 

公演には山茶花も咲き、

殺風景な景色に彩りを添えています。

 

たまたま、帰りには

 

    

 

パトカーがサイレンを鳴らして、

やって来ました。

踏切も下りていたので、

上がるまで目の前にいる

パトカーに興奮しています。

 

夜は風呂に入り、

最近は「汽車ぽっぽ」の歌が

お気に入りで、

お風呂の中で遊ぶのが

日課となっています。

 

孫の合間を縫って、

手際よく私のことを片付けなくては

なりません。

パソコンも大好きな一つで

いない隙にやってしまうという

孫が起きている間は

なかなか落ち着けないというのが

現状なのです。

 

まあ、これも一つの幸せな

ことなのです。

もう少ししてきたら、

相手にしてくれなくなるでしょう。

 

うるさいけど、

しばし楽しい時かもしれません。

来月になると帰ってしまいます。

 

楽しいけど、うるさい!!  

 

 

 

 

 

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三蔵法師

2015-12-16 21:26:37 | 住職の活動日記

西遊記で有名な三蔵法師、

孫悟空、猪八戒、沙悟浄を連れて

天竺(インド)へ経典求めて旅出る、

という物語ですが、

ふと気になったのは

なぜ、国禁を犯してまでインドへ

そしてあの膨大な経典を

どうやって持って帰ったのだろう。

 

三蔵とは、

経(経典)・律(戒律)・論(経典の解釈)

この三つのことで

この三蔵を修めた人を「三蔵法師」

といいます。

ですから、三蔵法師は

たくさんいらっしゃたのです。

西遊記で有名になった玄奘三蔵が

三蔵法師といえば玄奘を指すようになりました。

 

玄奘がいた頃、

経典というのはまとまった形で

入って来たのではなく、

インドから来た坊さんがその部分部分を

断片的に伝えていたのです。

まして、インドの方が中国語に

翻訳したということでどことなく

ぎくしゃくしていて、

その当時は口伝という講義を

書き写して巻物にしていた

ということです。

これを体系立てて作らなければ

というのが玄奘の願いだったのです。

 

そして、一番興味を持ったのが

「唯識」というお経です。

玄奘が生まれる50年前

真諦(パラマールタ)という方によって

断片的に伝えられたのですが、

真諦が途中で亡くなり

完全なものは伝わらなかった。

 

真諦が伝えたかったのは

「ヨーガーチャーラブーミ」といって、

後に玄奘によって、

『瑜伽師地論』と訳されますが、

そのこともどうしても完成させたい

一つの経典だったのです。

 

玄奘の旅は、17年間にも及びました。

普通は旅するだけで

それなりの価値はあったのですが、

玄奘にとっては無事に経典を

持ち帰って、それを訳さなければ

いけないという使命があったのです。

 

657部という膨大な経典

やはり、インドですから象さんに

乗せて運んだようです。

しかし途中、象さんも倒れてしまい

玄奘は時の皇帝「太宗」(たいそう)に

手紙を書きます。

唐からいろいろの国を通り

インドへ行って、お釈迦さまの経典を

唐へ持ち帰っている、

どうか助けてほしい。

唐の「太宗」にとっては

周辺の国々の事情を知りたい

ということもあって、

便宜を図って無事に長安へ

帰れるように手配します。

 

「太宗」の思惑は

玄奘から周辺の国々の

様子を知りたかったのでしょう。

玄奘を還俗させて、外務担当

とかの役職を与えようとしたのです。

しかし、

玄奘にとってはこの膨大な経典

を翻訳するという大事な使命があります。

そして、

翻訳するにはあまりにも時間がない、

自分の寿命は限りがある。

丁寧にお断りをして、

どうか翻訳のために

援助してほしい、と願い出ます。

 

翻訳するにはそれを書き残す

紙が必要になってきます。

その当時としては紙はとても貴重で

ふんだんに使うためには

どうしても国の援助が必要なのです。

 

それで、周辺の国々の事情を

弟子に資料を渡して

書かせたのが「大唐西域記」です。

 

翻訳作業は

1.玄奘が原典を中国語に訳して、

それを「筆受」が意味を確認して

書いていく。

2・「証義」という係はサンスクリットと

 照らし合わせて検討する。

3.「字学」はサンスクリット語を音写

 するにあたって中国語を探す。

 般若とか、あえて訳さない言葉が

 適切かどうか見極める。

4.「証梵語梵文」という

 正確に訳されたたか再チェック。

5.「綴文」(てつぶん)、

  最後につづって明確な文章にする。

こういう手順だったようです。

 

玄奘三蔵の翻訳が素晴らしいのは

ただ個人がコツコツと訳した

ということでなく、

こういうプロジェクトチームを組んで

翻訳していったということです。

 

しかし、「太宗」は折にふれて

玄奘を呼び出し、話を聞いたようで

玄奘としては時には集中できなかった

ということです。

 

たしか、60歳のころ

「大般若経六百巻」の

翻訳に取り掛かっています。

 

ただでさえ、行くことだけで

大変な事業なのに、

行って、象さんに経典を乗せて

帰ってきて、翻訳する。

その合間を縫って

「太宗皇帝」のご機嫌を取り、

資金の援助や翻訳場の提供

人員、紙などなど、

 

西遊記の孫悟空・猪八戒・沙悟浄

などは、玄奘にとっては

「太宗皇帝」や周りの人々

いろいろの困難を象徴しているのでは

ないかと、考えてしまいました。

 

 

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無住処涅槃

2015-12-15 21:35:11 | 十地経

「無住処涅槃」(むじゅうしょねはん)

ということがあります。

 

涅槃といえば

お釈迦さまが涅槃に入られる

というように亡くなられる

ということもさしますが、

完全な悟りに入られた、

ということも意味しています。

ですから、涅槃に対しては

生死(しょうじ)といって、

これは、迷いの世界ですが

ということをいうのです。

 

普通には迷い・生死を超えて

悟り・涅槃へ行く

ということが一番の大切なこと

なのです。

しかし、ここでもさらに考えて

悟りに行ってしまって

腰を落ち着けてしまえば、

それは迷いではないか

という疑問も起こってきた。

 

そこで、悟りにも住しない

また迷いの生死にも住しない

ということで、

「無住処涅槃」ということが

でてきたのです。

そこに腰を落ち着けて安住してしまう

そこが一番の迷いではないかと、

これはどっちつかずということではなく

その場その場で涅槃になる

つまり、ものそのものになる。

ということです。

 

先日、崇正住職が掲げる

今月の言葉、

木村拓哉さんの言葉で、

「手を抜く方が疲れる」

というものでした。

ひょっとしたことから、

フェイスブックで取り上げられたり、

ヤフーニュースにも載ったり、

はたまた、「週刊女性」の記事にも

載せて頂き、ちょっとした

本蔵院もミニブレイクです。

 

「手を抜く方が疲れる」

なるほど、私にも思い当たる。

月参りのとき、

少々耳のご不自由なご老人

どうも会話もうまくいかず、

適当に相槌を打ちながら

取り繕っていたのですが、

ある時、少々立て込んで

ちょっとお経を省略して短めに

と思ったのですが、

お経というものは最初から

流れるようにつながっていて

途中どこかを抜くととんでもないことに

ということで、

お経は間違うわ!

別なお経を言えばそれもとちり

結果的には長いお経になって

しまいました。

「今日は立派なお経を有り難う

ございます。」

と、

「あなたのお経はどういうわけか

よく聞こえるのです。」

 

それからというもの、

どんな場所であろうと丁寧に

間違いなく読む

ということに心がけています。

本当に、手を抜く方が疲れるのです。

 

無住処涅槃ということも、

その場その時に全力を尽くす。

手を抜くということは

馴れてきて驕りがあるのです。

まあ、ここだったら

これくらいでとか!!

「住」というのは「安住」ということで

安心して腰を落ち着けてしまう。

そこが一番の落とし穴です。

だから、無住処と

休む場所がないということです。

 

「ちょっと一服」

三浦先生からは一番注意された

ことです。

「一服する時は死ぬときでいい!」

と、一服しようとする心が

一番の修行の妨げであると、

しかし、

仕事して、一服して、また仕事に

というようなことが

一番いいように思うのです。

それはよく見ると、

いい加減なところでうろうろして

生活しているというのが

私たちの姿ですが、

それでは真の安らぎというか

安住はできないのです。

そうではなく、

一服しようという心をなくす、

安住しようとする腰掛を

取ってしまう、  …

 

なんか難しい話ですが

木村拓哉さんは一言

「手を抜く方が疲れると」

今までごちゃごちゃ言ってきたことを

ほんの一言でいい現されています。

 

安住する腰掛を取る、とか

難しそうですが、

事実やってみると

人間、集中力をもった時は

自然とそうなってくるのです。

三昧の中で眠り、

三昧の中で起き、

三昧の中で歩む、

というようなことが

お経に書いてあります。

 

木村拓哉さんも

自分の事実の中から

ふっと出てきた言葉なのでしょう。

本当に恐れ入る一言です。

 

 

 

 

 

 

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オクはオクが深い!!

2015-12-14 19:54:09 | 漢字

テレビコマーシャルでも、

街を歩くと、

「年末ジャンボ10億円」の

のぼりを見かけます。

でも、もし10億円も当たったら

どうなるのでしょう  ??

まあ、買ったことのない私には

関係ないようです。

 

ちょっと気になったのは

お経の中に、やはり「憶」と

言うう字が頻繁に出てくるのです。

念という字と一緒に

「憶念不忘」というような

「憶念」という言葉で出てきます。

 

オクという字もよく見ると

意識の「意」に

人偏が付くと「億」と数字の億です

この項目に面白い字が、

「億劫」(おっくう)と読めば、

めんどうくさい、という意味になり、

「億劫」(おくこう)というと、

仏教用語で、非常に長い時間、

「劫」(こう)というのも時間の単位

40里四方の大きな石があって、

100年に一度、天女が降りてきて

舞を舞う、その羽衣で磨れて、

その石が無くなってしまうのを

「1劫」という長さです。

長い時間がかかることから

「億劫」(おっくう)という言葉が

生まれたのでしょう。

 

意にりっしんべんが付けば

「憶」(おく)と、

「意」という意味には、

知ることをおもう、とか

おぼえるという意味があり、

さらに心を付けて、

おもうとか、覚える、という意味に

なって、

「憶念」ということばもでてきたようです。

 

「敬い聞いて忘れず」

ということが仏教を学ぶ基本です。

仏教では「わすれました」ということが

罪といわれています。

不安という罰が与えられるから、

です。

念仏ということも、

ただ念じるということでなく、

仏を深く心に思い浮かべて

忘れない。

仏を憶念する。

すると、自分の固執している

小さな立場を超えていく、

というところに、憶念、念仏と

いうような意味があるように

思います。

 

「臆」という字もあります。

にくづきが付いています。

にくづき、が付いているので

身体に関することでしょう

むね、とか、こころ、という意味

があり、また気おくれする

という意味も使われるようです。

臆病とか、臆面もなく、憶測

という言葉があるようです。

 

年末ジャンボ10億円!!

というのですが、

本来は「億」には、安んじるという

意味から始まっています。

そこから、満ち足りた数、

古くは十万という数で、

そこから、万の十倍という

数になってきたようです。

 

10億円当たってはたして

安んじておれるでしょうか??

 

「貪り」という字は

貝(おかね)に「今」が付きます

今すぐお金が欲しい!!

「貧乏」の「貧」は

貝を「分」けると書きます。

みなに分け与えたから

貧しくなったのでしょう。

 

さて、貝をどう使うかが

問題です。

金儲けは簡単や!

儲けた金の使い方が難しい!!

お金も「銭」になれば、

金へんに鉾が二つ付いて

人も傷つけ、自分も傷つける。

本当にお金は、

使う方が難しいのでは ???

 

オクという字も考えてみると

オクが深い   

貝にはゆめゆめご用心!!

 

 

 

 

 

 

 

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人のためになることをしなさい!

2015-12-13 19:46:16 | 住職の活動日記

というのは、

ノーベル賞を取られた大村智教授の

母の言葉ということです。

世のため人のためということが

研究の根幹を支えてきたのでしょう。

 

なんだか、最近は

世のため人のため、というよりは

いかに、自分の幸福追及するかが

大問題のようです。

そのようななか、

大村先生の言葉はかえって

新鮮に響きました。

 

三浦先生も幼児教育を

始められたきっかけは

どのように、

世のため人のためになる子供を

育てるかということでした。

やはり三浦先生も

子どもの頃に育てのおばから

口癖のように聞かされたそうです。

 

世のため人のためという

自己犠牲の精神は

幼児期に教え込まないと

身に付かないということも

三浦先生が幼児教育を始められた

原点になっていたのです。

 

「人の喜ぶことを見て

 わが喜びとする」

 

このことも、三浦先生の

教育の原点になり、

それが西京極幼稚園を生み

洛南高等学校を建て直されたのです。

 

 

大村先生のように

ノーベル賞を取らなくても

身近なことで人のために

出来ることはたくさんあります。

 

仏教ではそのことを

「無財の七施」という

形で説いています。

1.眼施(げんせ)

  優しいまなざし。

2.和顔悦色施(わがんえつじき)

  にこやかな顔

3.言辞施(ごんじせ)

  相手を思いやる優しい言葉

4.身施(しんせ)

  身を以て奉仕する

5.心施(しんせ)

  おもいやりの心

6.床座施(しょうざせ)

  せきをゆずる。

7.房舎施(ぼうしゃせ)

  あたたかいおもてなし

 

ということですが、

「態度価値」

といわれた方がおられます。

同じことでも、

その人の態度次第であり方が

まったく違ってくる。

ちょっとしたことでも、

すなおに「ありがとうございます」

というのと、

「そんあのあたりまえ」

というのでは、

自分の心も相手の心も

180度受けとられ方が

違ってきます。

 

これから私たちも

お世話になることばかりと思います。

看護婦さんとか

お世話していただく方に対して、

優しいまなざしで、

一言ねぎらいの言葉をかけ、

にこっと笑顔で、

接するのと、

ムッとした態度で接するのでは

人も自分も心持が違ってくるでしょう。

そこに、あり方として

「態度価値」ということが

大切ではないかと思います。

 

「世のため人のため」

一世代前の方は当然のこととして

心掛けてこられたのですが、

いままた、ノーベル賞を取った

大村先生がおっしゃると

新しいことばとして

新鮮に受けとれるものです。

 

 

 

 

 

 

 

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