本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

世界が変わる、 でも変わらない。

2008-09-30 22:43:59 | 住職の活動日記
 今 『 得度式 』 の準備で、表白文とか十善戒を浄書しています。

式次第は息子の方がパソコンで作ってくれました。

 私の方は、昔ながらのやりかたで、墨で奉書に書いています。


 書きながら浮かんできたのですが、 『 得度 』 をする、ということは

世界が変わるのです。立場が在家から出家へ、( 家出ではありません )

しかし、やってることは以前と変わらないのです。しかし、見ている世界が違って

くる、立場は損得好き嫌いの娑婆の世界 ( 穢土 ) です。その中にあって、

心は浄土を開いていくのです。

 一転して世界が変わらなければ 『 出家 』 とはいえません、しかし、日々

行うことは、変わらないのです。変わらないけど、日々の行いが違ってくるので

す。

 たとえば、朝起きて、朝ごはんを食べ、仕事に出かけ、会う人と挨拶を交わす、

することは同じですが、その内容が違ってくるのです。

 特別になる必要はない、けど、一つ一つのことに味わいが出てこなければいけな

いと思います。

 
 私自身、あらためて、筆で書いていきますと、不思議な感動を覚えます。

 『 そうなんだ、世界が変わるんだ!    でも、変わらないのだ 』

 『 変わらなければいけない、     でも、変わらなくてもいい 』


 そんな感動を持って今書いています。
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秋ですね~!

2008-09-30 09:26:51 | 住職の活動日記
 菩提樹苑の片隅に、 『 コスモス? 』 でしょうか、きれいに咲いて

風に揺れています。



 近頃、朝夕めっきり涼しくなってきました。



 庭では 『 バッタの親子 』 でしょうか、お母さんの背中につかまって、

しきりに、アジサイの葉を食べています。



 でも、これだけ涼しくなってきたということは、このバッタの親子も、あと少し

の命かもしれません。

 また、次の命をどこかに隠して、今年の命を終わっていくのでしょう。

  精一杯  ガンバレ!!
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今週の言葉 9/29~10/5

2008-09-29 08:38:29 | 今週の言葉
 チャンスは 周到な準備をした者だけに やってくる
                          小柴昌俊  ( ノーベル物理学者 )


 以前師匠からもよく言われました、ボーとしとったってチャンスは来ない、

虎視眈々と狙っていてこそチャンスはあるのだ。

 常に求め続けていればこそ、今がチャンス、ということがわかるのです。

人間いたるところにチャンスがあるといえばあるのかもしれません。

見逃していることの方が多いようです。

 でも、小柴先生は丁寧に丁寧に努力を積み重ねられた結果として、本当の

ノーベル賞というチャンスを掴まれたのでしょう。先生の実践から出た言葉だと思

います。努力されたからこそ、チャンスが見えたともいえるのでしょう。


 私たちも、仏になることは出来ないかもしれませんが、仏を見る目を持ちたいも

のです。でないと、仏さんと出会っていても判らずに通り過ごしているかもしれま

せん。

 『 仏さんというと、金綺羅金の立派な人と思うだろ 』

 『 案外見過ごしている、そこらの汗にまみれた人かもしれませんよ 』

といわれたことがあります。

 本当にそうなのでしょう。こっちの見る目がないのです。

お釈迦さまが悟りを開かれたとき、 『 山川悉皆成仏 』 山も川もすべて

仏さまであった、といわれています。

 仏さまの眼で見ると、すべての生き物、すべての自然が仏さまなのでしょう。


 そのためには 『 周到な準備 』 つまり、法に触れた人の話を聞く、丁寧に

そして、エゴが砕けていくとき、本物が見えてくる眼が備わってくるのではないで

しょうか。


 ( 今日の文は888文字、ちょうど縁起がよさそうなので、切のいいところで

    なさい、 明日も  ましょう。)
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心にしみた!!

2008-09-28 23:58:26 | 住職の活動日記
 9月の 『 お不動さまの大祭 』 も無事に終わり、夕方事務処理をしています

と、大玄関で 「 ピンポン 」   誰だろう? 

 出てみると、いつものお隣のお兄ちゃんです。

   『 今日の話、心にしみた 』 『 ただそれだけ言いたくて、

 忙しいのに、ゴメンネ ! 』 

といって帰って行きました。


 自分では充分に話しきれてなかったような気がするのです。

頭の中では、思いだけがぐるぐる回っているのですが、いざ話すとなると、

どうもうまくいきません。


 でも、このお兄ちゃん、彼岸前には 『 俺死にたい ! 』 といってくるし

私が忙しいときに限って、大変な問題を持ってくるのです。

 話しているうちに、 『 うん、わかった 』 『 忙しいのにゴメンネ 』

といって帰っていくのです。


 今日も、午前中にやってきて、護摩木と献灯お願いします、後で来るね、

といって来たのですが、一見すると浮浪者風、たぶん、お参りの方はこのお兄ちゃ

んは何だろう、と思っておられるに違いありません。ですから、

「 ひげそって、シャワーに入って、きちっとしておいでね 」

とお願いしてましたら、ひげもそりスカッとしてこられました。

 そして、いつも一番前の席を陣取って聞いておられます。

    なにがどうなのかは、わかりませんが?


 自分にとっては、このお兄ちゃんの 『 心にしみた! 』 という言葉が

何よりうれしかったのです。

 最後にみんなと童謡を歌うのですが、今日は 『 故郷 』 を歌いました、

『 俺は歌えなかったョ! 俺の故郷はここと決めたんだ! 』

この方は長野県出身の方です。しかし、故郷をここに決めた、ということも凄いこ

とです。 心が決まるということ、普通はなかなか決まりません、でも、

決めたと言い切ることは逆に驚きです。

 バカのように見せていて、結構、つぼを衝いてくるのです。

  
『 心にしみた 』 ということを有り難く頂きます。  
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天才バカボン

2008-09-26 23:21:19 | 住職の活動日記
 赤塚不二夫さんの 『 天才バカボン 』 も気になる言葉です。

私なりに何かしらのメッセージを感じるのです。

 まず、『 バカボン 』 その語源いろいろ説があるようです。

韓国語とか、フランス語とか、イタリア語 などなど …

 私が思うに、お釈迦さまのことを 『 世尊 』 ( せそん )

世の中の尊い人、という意味で、世尊、と呼びます。

 この言葉の語源が 『 バガボン 』 ( Bhagavat ) なのです。

『 カ 』 か 『 ガ 』 の違いですが、

 ( 仏教界の人には、お釈迦さまと天才バカボンと、一緒にするな、としかられ

てしまいそうです。)

 もう一点気になる言葉が歌に出てくる 『 これでいいのだ~ 』

というくだりです。私はとても意味深なことを感じます。


 昨日の続きですが、 『 ズンマ 』 ということ調べなおしました。

正確には 『 ズンマ・テオロギア 』 といって 『 神学大全 』 という

60巻の大著作で、今でもその研究がし尽くされないほど、ごつい本です。

トマス・アクイナスという天才的記憶と集中力の持ち主の方で、これだけの本を、

ほぼ、記憶によって、口述されることをお弟子さんが書き留めていった、そうで

す。その様子を 『 真実が奔流となって神のもとから師の口へ流れ出しているよ

うであった 』 と述べておられます。

 そのトマスが、60巻の最後で、

『 今、死というものを見て、人生を総決算するというところに立ってみると、

あれは紙くずで、火に入れても差し支えない 』

 ( この60巻のズンマ・テオロギアをですね )

『 人生の最後というものは、何のために生きてきたか、といえば、

  そういう自分のやってきたこと、努力してきたこと、触れてみたら、

  努力の必要のないものに遇うた。

  努力する必要のないものに遇うてみたら、努力は要らんもんだった。 』

と、トマスは最後に述べているそうです。


 ここに、努力して努力して、その結果 『 そのままでいいのですよ 』

と頂いた言葉が 『 これでいいのだ~ 』 という、赤塚不二夫さんらしい

言葉になったのではないでしょうか。と、考えて見直してくると、この一語が重み

を持ってくるように思うのです。


 『 仏になりたい  けど  なれない 』 

   どんなに努力しても仏になれない、では、あきらめてしまうのか、

梅原 猛 先生の言葉ではないですが、


    『 仏になりたい

        なれないけれど 仏になりたい

       という気持ちを

      ずっと持ちつづけることが

         仏教です。 』

 

 ということがヒントになるのではないでしょうか?

天才バカボンからえらい飛躍のようでもありますが、 『 ズンマ 』 というこ

とから、私の頭の中はこんなことで一杯になっていました。

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ズンマ ?

2008-09-26 08:51:29 | 住職の活動日記
 以前、仏教の講義の中で 『 ズンマ 』 という言葉を聴きました。

「 ズンマ 」 という響きが、何かわからないのですが、頭の片隅に残っていた

のですね。

ちなみに、こんな言葉はないだろうと思って、インターネットでこの言葉を入れて

みました。

 すると、  この言葉は結構有名な言葉なのですね。

 私が調べていたのとはチョット違うような気がするのですが、とても面白いこと

に気づきました。


 『 ズンマ 』 というのは数学全書という意味で、イタリア、ベネチアの

数学者で哲学者で神学も極めた修道僧の 『 ルカ・パチリオ 』 という方が

1494年に著したものです。

 経理をされている方なら、おそらくご存知と思いますが、 

『 ダブル エントリーシステム 』 ( 複式簿記 ) を論理化された人なの

です。

 ひとつの例として、こう説明してありました。


 1.イタリアの冒険商人が出資者からお金を集め、船とイタリアの特産物を買う

 2.それを中近東で売る、そのお金で中近東の特産物を買う

 3.中近東の特産物をイタリアで売って、儲かったお金を出資者と商人で分ける


 なんかそういう説明がしてありました。


 ふと感じたのですが、素人の見方ですが、今の 『 リーマンブラザース 』

がやってきたことのように思いましたが ??


 イタリア商人の 『 儲けるためには簿記を知れ 』 ということが

ルカ・パチリオという天才数学者によって理論化され、この考え方が現在まで続い

ている、経営のすべての基礎になったのです。


 私が知りたかったのは、このことは違ったので、もう一度調べなおします。

でも面白いことを知り、ラッキーでした。 
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菩提樹苑の 「 きなこ 」

2008-09-25 22:25:22 | 住職の活動日記
 三匹いた兄弟も2匹貰われて、今はこの 『 きなこ 』 だけになりました。

三匹とても仲良かったので、離すのがとてもかわいそうだったのですが、

縁がありましたので、今はきなこが一人でやんちゃを発揮しています。

 チョット寂しそうな様子だったそうですが、今はみんなの愛情を独り占めです。



 早速、私を見つけると、飛んできて、じゃれついてきます。

携帯ストラップを餌に、カメラに収めました。



 携帯を置くと、今度はそれがおもちゃです。


 菩提樹苑の定例の全体職員会議です。

会議が始まると、誰も相手にしてくれないのと、遊びつかれたのでしょうか、家内

のところへやってきて、腕の中で、おねむです。

会議中に不謹慎ですが、ともかわいかったので

  

 全身で遊ぶ! 疲れたら寝る!  腹減ったらご飯を頂く

  今が一番いいときでしょう   

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母元気 !

2008-09-25 22:06:10 | 住職の活動日記
 昨日、父の三七日を迎えました。

まだまだ、ご弔問の方がお見えになります。

母の関係の方が多く、対応に結構時間を割いているようです。

 夜は夜で、母の携帯がなっています。

86歳にして、私よりもよく電話がかかっているようです。

 昼も夜も、いろんな方と接しているは本当にパワフルです。


 いつまでも元気でいて欲しいと願っています。
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お彼岸に思う 『 しゃ~ん 』

2008-09-24 22:51:13 | 住職の活動日記
 『 彼岸への憧憬 』 お彼岸を心に思い浮かべて憧れを持つ、

今はお彼岸がきてもあまり涼しくありませんが、クーラーのなかった時代、

暑い暑い夏が終わり、やっと涼しくなって、ほっと一息、お浄土とはこんな世界な

のかな~ と、心に思い浮かべられたのでしょう。


 今日も般若心経を読みながら気づいたのです。初心にかえって暗記しているお経

ですが、昔から 「 経を読む時は持って読め 」 といわれていることを思い出

し、字を読みながら読んでいくと、面白いことに気づきました。

 最近、 『 3 』 という数字が、 「 世界のなべあつ 」 という方のお

かげで、話題になっていますが、般若心経の中でも 『 三 』 という文字は、

とても大事というか、同じ 「 三 」 という字を使うのに、まったく意味が違

うのです。


 『 究竟涅槃三世諸仏 』 ( くぎょうねはんさんぜ ) 

  ここの場合の 『 三 』 は 「 過去・現在・未来 」 を意味していま

  し、数字の三という意味です。

 次の行に出てくる

 『 阿耨多羅三藐三菩提 』 ( あのくたらさんみゃくさんぼだい )

 は、インドのサンスクリットでいう言葉、

  ( アヌッタラ・サムヤク・サンボーディ ) を、訳さずにそのまま、難し

  い漢字に当て字をしたのです。

  『 この上なく優れた平等円満の智慧の悟り 』 のような意味になります。


 玄奘三蔵 ( 三蔵法師 ) はあえて訳さなかったのです。

 『 般若 』 もそうですし 『 波羅蜜多 』 も

 訳してしまえば意味が薄くなる、というようなこともあるのでしょうか?


  

 ほかにも、訳さなくてインドの言葉をそのまま使った言葉が、般若心経

の中にはたくさん出てきます。

 上の写真のような、初めての方なんだろうと思われるかもしれませんが、

文字の読めなかった時代、般若心経を絵文字を使って表したものです。


 「 お釜 」 をひっくり返して 「 マカ 」 と読ませたり、

 「 波羅蜜多 」 を 「 腹・蓑・田 」 という絵を書いて教えています。


 やはり、お経はどんなに暗記しても、手に持って読まなければいけません。

と、自分に言い聞かせた次第です。
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悠々と … ?

2008-09-22 23:03:44 | 住職の活動日記
 今週の言葉って、僕のこと ?



 おかげさまで、悠々とさせていただいております。


 住職はとても忙しそうでした。いろいろ難しい相談の方やら、お参りの方も多か

った様子でした。

 明日の準備とかで、今日中には終わられないようです。


 すいません、横の方で 『 悠々と 穢土に居れる 世界を 浄土という 』

のつもりで、ゆっくりさせてもらってます。


                    銀太  
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