本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

真実を守るものを方便という

2024-08-20 18:28:03 | 十地経

私たちの悪い癖で

何か一つのことを達成する

と、そこに

腰を落ちつけてしまう。

すると今まで得たものまで

失ってしまう、

ということが起こってきま

す。

ではどうやって失わない

ようにするかということが

次のところです。

 

「真実というものに

腰を落ちつけ真実を失う

場合に、どうして

失わないようにするか

というと、

方便ということが

生まれてくるんです。

 

真実を擁護する方便です。

普通方便は真実に達する

のを方便というんだけども

そうではない。

真実から出てくるものを、

真実から出て真実を守る

ものを方便という。

これは非常に大事な点です

方便にはそういう二義、

二つの意義をもつのでは

ないかと思います。」

 

方便ということも難しい

「嘘も方便」ということが

一般的で、その考え方が

頭に沁みついて離れない。

原語的にはウパーヤupaya

近づける、近づくという

意味で真理に近づける

ということです。

ここでは

真理を守る、ということが

方便とあります。

方便ということは

よく出てくる言葉です。

次の方便波羅蜜という

ことがよく聞く言葉です。

 

六波羅蜜が十波羅蜜に展開

するとき、

布施波羅蜜(布施)

持戒波羅蜜(戒)

忍辱波羅蜜(にんにく)

精進波羅蜜(精進)

禅定波羅蜜(禅定)

智慧波羅蜜(智慧・慧)

以上が六波羅蜜で、

これに

第七番目が方便波羅蜜

願波羅蜜(願)

力波羅蜜(力)

智波羅蜜(智)

を加えて十波羅蜜と

なります。

 

第七番目ということが

面白いところで

十地経でも第七遠行地

ということが

大きな転換点になって

きます。

「七」というところが

何か重要なことを暗示

しているようです。

 

 

 

 

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