hiyamizu's blog

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東野圭吾『恋のゴンドラ』を読む

2018年01月09日 | 読書2

 

 東野圭吾著『恋のゴンドラ』(2016年11月5日実業之日本社発行)を読んだ。

 

 里沢温泉スキー場(野沢温泉スキー場がモデルらしい)を舞台に、男女の恋の物語。7つの連作短編集。

 

「ゴンドラ」

 広太は、同じ職場の契約社員の美雪と3年同棲し、迫られて結婚することになった。結婚前にもう一度だけと、合コンでであった桃実と里沢温泉スキー場に行った。桃実とゴンドラに乗った広太は、中に友達3人と一緒の婚約者の美雪を発見する。隠れて新しく買った服装にミラーレンズのゴーグルとフェイスマスクなので見つかる恐れはないと思うが、話しかけてくる桃実にハラハラする。ゴンドラを降りた瞬間、美雪は叫んだ。「あー! ももみ!」

 

「リフト」

 都内のホテルで働く男女、日田栄介、水城直也、月村春紀、木元秋菜が里沢スキー場にやってきた。日田は、遅れてやってきた土屋麻穂にひそかに好意を抱いていた。しかし、親友のプレーボーイの水城も、木元秋菜という彼女がいながら麻穂を狙っている。日田は麻穂に水城が秋菜が付き合っていることを教えて警戒するように注意する。

以下白字で、日田がはぐれていない時に、月村は麻穂と結婚することになったと皆に告げる。

 

「プロポーズ大作戦」

 日田は、新しくできた彼女の橋本さんにプロポーズを決意。水城のアイデアを受けて、サプライズのプロポーズを計画する。計画通りに物事は進行していくが、いざプロポーズを決行するというときに、とんでもない人物が現れる。

以下白字で、橋下さんの名前は美雪で、横から来てさらっていった男は、頭を丸めた広太だった。

 

「ゲレコン」

 自分が浮気相手だったことを知り失意に暮れる火野桃実は、広太と入籍した美雪に里沢スキー場でのコンパ(通称「ゲレコン」)のパンフレットを渡される。山本弥生と共に参加したが、何人目かで出会ったのが水城と日田だった。桃実は日田に告白をされるが、「ごめんなさい」と断った。ランチ無料チケットをもらった桃実は、でかけたホテルで颯爽と働く日田を見かけて驚く。

 

「スキー一家」

 月村が結婚した麻穂の父・土屋徹朗はスキー派で、スノーボードを毛嫌いしていた。彼女の家族とスキーに行った月村は自分がスノーボーダーであることを隠さなければならなかった。見事なスキー技術を見せる根津があらわれて・・・。

 

「プロポーズ大作戦 リベンジ」

 頼りない友人日田の桃実に対するプロポーズを後押ししようと、水城は弥生の協力を得て、里沢温泉スキー場での計画を立てる。しかし、土壇場で追い詰められたのは水城だった。

 

「ゴンドラ リプレイ」

 日田と付き合うことを迷っている桃実は、日田との可能性を見極めるために、水城、秋菜、月村、麻美、弥生、日田と再度里沢温泉スキー場に行った。日田は女性をリードするよりリードされる方が持ち味を発揮できるタイプだと桃実は気がつき好感を持った。そんな時に、桃実を浮気相手にした広太と、結婚した美雪がその彼女が同じゴンドラに乗り込んでくる。気付かれないようにしていた桃実だが、広太は、相手の方が誘ってきたとか、泊まりたいと言ったとか、胸の谷間を見せたとか、彼女がいるのを知ってアタックしてきたとか、とんでもないことを話し出す。桃実の頭の中で何かがスパークした。そして、・・・

 

初出:” Snow Boarder” 2016 vol.1~vol.3、POWDER SNOWBOARD SPECIAL、Skiカタログ2017

 

 

私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

 

 ミステリー的要素がないわけではないが、この作品はどうみても恋愛小説だ。

 

「東野さん! いろいろなタイプの小説にチャレンジするのは素晴らしいことだと思いますが、恋愛小説はやめた方がいいですよ。御自分でも女心がわからないとおっしゃってたじゃないですか」

 

 それにしても、気になるのは、私に似た所のある日田さんに幸せが訪れたのかどうかが心配です。

 

 

東野圭吾の履歴&既読本リスト

 本書の裏表紙には「スノーボードをこよなく愛し、ゲレンデを舞台としてミステリーに『白銀ジャック』『疾風ロンド』がある。」とある。

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