hiyamizu's blog

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「子の世話にならずに死にたい」を読んで

2006年11月14日 | 読書
「子の世話にならずに死にたい」を読んで

井上治代の「変貌する親子関係」と副題のある「子の世話にならずに死にたい」講談社現代新書を読んだ。いつのまにか、このような本を知識としてでなく、身近な問題として学ぶ年齢になった。
(   )は私の感想です。

家族意識
相続、墓と言った問題について、父子継承の家制度的家族意識もまだ残っているが、一方では家族は一台限りとの夫婦中心の家族意識が強くなっている。さらに、夫、妻、子が自己実現を求め家族の外へ出て行く傾向もある。

親子関係
50台の親は60%が子と同居し、60台で44%と減少するが、70台48%、80台で63%と増加する。
親が自分の家の近くに土地と家を用意し、生活水準を落としたくない子ども達を誘い、将来の同居に備える戦略があり、夫と妻の双方の親の綱引きになっている。
(核家族というが、意外と同居が多いと感じる。)

介護
「あなたの老後の介護は?」と聞くと、「妻(夫)がいれば妻(夫)に頼みたい。いなければ、理想は子どもだが無理だろうから、実際には施設などの第三者になるだろう」との答えが多い。
(私は妻の介護は生きがいとしてしたいが、妻の方は体力的に無理だから自分は施設、病院に入りたい。妻は時々来てくれれば良い。自分たちが結果的に親に制約されたので、子どもの人生を縛ることはしたくないので、子どもの世話にはなりたくない。)

葬儀
(今まで2回喪主をやったが、葬儀屋は祭壇、花など何にでも3種類のオプションを出してくる。一つはわざとみすぼらしいもの、二つ目は少し贅沢なもの、三つ目は豪華なもので、よほど意志が強くないと、すべてが少し贅沢で、全体として結局贅沢で派手になってしまう。身近な者が突然亡くなってすぐの段階で、つつましい葬儀を実行するのは普段から心していないと難しい。)

墓の継承
娘だけの家、息子が居るが孫が娘だけの家の墓はどうするか?
女性の実家の墓を夫の(家の)墓と一緒にし、○○家、△△家両家の墓とする場合もあるが、調査するとけして増えていない。著者は1990年代に始まった永代供養の非継承墓や、散骨といった墓なしが増えていると言う。(確かに話題にはなるが、私の実感として、増加している気はしないのだが。)
遠くはなれた墓をどうするか?
墓を移したり、無くして散骨にしたりすることはできるが、手続きがけっこう大変で、現在のお寺への説明、儀礼や市町村役所の許可が必要。

新しい葬儀、墓
夫の墓に入りたくない妻や、家族がいないなど第三者に葬儀を委託したい人は、生前契約が必要。死後、遠い親戚などが出てくると、契約の無い第三者は各種届出などができなくなる。
小規模葬儀を行いたい人は、危篤の時に報せる人、葬儀の日時、場所を報せる人のリストを用意しておき、「ごく身内だけで行うので、他の人には内密にお願いします」と言い添えること。
死亡した病院から火葬場へ運び、その斎場で葬式も行うと親しい人だけで呼んで、移動も少なく、自宅での出入りがないので近所にも知られない。
妻が名前の違う実家の墓に入ることも、遺骨を家に置いたままにすることも違法ではない。
遺骨をパウダー化してプレートやペンダントにする人もいる。
継承者が居なくても良いことと、自然に還ることができることから散骨や、樹木の元に共同で葬る樹木葬が広まりつつある。

(我が家には既に墓があり、死後の世界を信じない私の骨は散骨でも良いが、今から両親の骨を私の一存で散骨するのもどうかと思う。結局葬式や墓は残された者のためのものであり、家族がどう考えるかも大切だと思う。神棚や仏壇も我が代で何とかしておきたいと思っている。)
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