hiyamizu's blog

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ミリオンダラー・ベイビーを観て

2006年11月15日 | その他

今頃、DVDで「ミリオンダラー・ベイビー」を観た。名前と評判は聞いていたが、なにしろハリウッドのボクシング映画なので、ロッキーのような単純な映画かと思い気が進まず今まで観なかった。DVDがたまたま手に入ったのでともかくと観てみた。

これが良い。静かで、地味で、秘めた必死の思いがあり、雰囲気がある。ハリウッド映画にもこんなものがある。出演者はほぼ3人だけなのだが、その3人が、イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンという演技者である。それぞれ、アカデミー賞の作品賞・監督賞、2度目の主演女優賞、初の助演男優賞を獲得したのも納得である。

実の娘に縁を絶たれた初老のトレーナー(フランキー)と、幼い頃に唯一の理解者の父をなくした女性ボクサー(マギー)の間に次第にはぐくまれる絆。2人を静かに見つめる元ボクサーの雑用掛役のモーガン・フリーマン。暗い画面で静かに、いつくしむような見つめるヒューマンドラマだ。
女性でしかも31歳のマギーがボクシングでチャンピオンを目指す。彼女のボクシング、これしかないという必死の思い。ひたむきで明るく、父親のようにフランキーを慕う。彼女は試合に勝つことでなく、フランキーに愛されることで輝きを帯びてゆく。

2人がアイリッシュで敬虔なカトリックだと考えると、重く、哀しい結末だが、それでも彼らは静かに結果を受入れ、満足していると私には思えた。

37日という短期間、低予算、といっても3,000ドル、で全米1億ドルを稼いだという。日本でも安直な感動物だけでなく、脚本を練りに練ってこんな映画を作って欲しい。

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