hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

東京バロックアンサンブルを聞く

2009年07月04日 | 趣味

フランス旅行報告の途中だが、コンサートの話を1回だけ挟みこむ。

東京バロックアンサンブルによる、盲導犬育成のためのチャリティー・コンサートを聞いた。
吉祥寺駅近くの武蔵野公会堂で7月3日午後7時から開催され、350の客席がほぼ満席となる盛況だった。

東京バロックアンサンブルは、1974年、岡村考二を中心に、フルート・オーボエ・ヴァイオリン・ヴィオラ・通奏低音(チェロ・チェンバロ)という編成で結成され、バロック音楽を中心に演奏活動を行っている。



フルート、オーボエ、チェロ、チェンバロのアンサンブルのほか、フルート、チェロ、チェンバロそれぞれの独奏もあり、2時間あまりの久しぶりのバロックを楽しんだ。



代表者のフルートの岡村考二さんの曲の簡単な説明もあり、J.S.バッハ(大バッハ)、G.Ph.テレマン、G.F.ヘンデルや、大バッハの息子であるW.F. バッハと、J.C.F.バッハの曲が演奏された。岡村さんの解説では、確か、息子たちは、バロックから古典派への橋渡しの役を果たしたと言っていたと思う。
私は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハに何人かの音楽家の息子がいて、遺伝学の研究材料になっている話は知っていたが、息子たちの名前も、曲も初めて聞いた。

ヴィルヘルム・フリーデマン (Wilhelm Friedemann、1710 - 1784) は長男で、通称「ハレのバッハ」。 ヨハン・クリストフ・フリードリヒ (Johann Christoph Friedrich、1732 - 1795)は 五男で、通称「ビュッケンブルクのバッハ」とウィキペディアにある。



チェンバロ(英語ではHarpsichord)もピアノのように澄み切った音でなく、こすれたような独特の音で、慣れてくるとこれもなかなか良い。ペダルがないし、演奏は難しそうだ。開演前も長い時間かけて調律していた。

チェンバロ奏者の大原裕子さんの娘さんが吉祥寺南町眼科の院長で、その縁で、この公演の収益を、近くの関町にあり、盲導犬を育成している財団法人アイメイト協会へ寄付することになったようだ。
盲導犬育成団体は日本に9団体もあり、その間に共通の“盲導犬”の基準がないという。なにか、いろいろな考え方があって難しそうだ。



私は、現在でもクラシックの熱心なファンではないが、若いときはとくにバロックが苦手だった。単調でメリハリがなく、すぐに眠くなった。
テニス部の合宿で長野県の松本に行ったとき、炎天下の練習の中休みで体育館の中でくたびれきって寝転んで休んでいた。誰かが持ち込んだラジオから音楽が聞こえる。バロック音楽だ。モノラルの放送、小さく音質の悪いスピーカー、やたらと響く体育館。それなのに、疲れきった身体にこの世のものとも思われない心地よい音楽が染み渡る。「バロックって良いものだなあ」とそのとき思った。
以後も、とくにバロックのファンになったわけでもなく、感動的な新世界や、楽しいモーツアルトをときどき聞くくらいだが、今でもバロックを聞くと、あの松本の体育館で寝転んでいる自分を思い出す。


コメント
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